I 401kプランとは何か?
(6) 年金制度のなかでの401kプランの位置づけ
前述したように米国の年金制度には公的年金と私的年金(個人年金、企業年金)があり、そのうち公的年金(確定給付型)ではこれからの高齢化社会到来による年金給付資産残高の減少は避けられず、人々は老後の保障を企業年金を中心とする私的年金で補わなければなりません。そこで注目されたのが確定拠出型年金であったといえます。
一方、米国政府は、退職後の生活資金を自助努力により貯えるということの重要性を幅広い年齢層に伝えようとしてきました。もともと米国では貯蓄水準をいかに高めるかも経済政策上の大きな課題であり、401kプランのような税制優遇のある年金制度を導入することは老後の生活資金を貯蓄するということを国民に広める上で大変効果的だったといえます。
401kによる貯蓄増強は資本の増大につながり、さらには経済の成長力を高めました。そして雇用の流動化という面では労働市場を活性化させることになりました。このようなことからも401kプランは米国の経済成長の背景として欠くことのできないものであったと考えられます。
確定拠出型年金のなかでもとりわけ401kプランは目覚しく拡大しています。ベビーブーマー世代の積極的な資金形成による資金流入が、拡大の一番の理由といえます。これは株式の上昇や株式投信の拡大とも深い関わりをもっています。1999年7月30日の日本経済新聞には「米国の投資信託の運用資産残高が始めて6兆ドルに。これは株式相場の上昇で投信が保有する株が大きく値上がりしたうえに、確定拠出型年金401kプランなどを通じて個人年金マネーが毎月着実に新規資金として流入しているため。」という記事がありました。
401kプランの資産残高は年々増加しています。1995年でみると確定拠出型年金の資産残高全体の6割以上を占める穂とに拡大しています。米国の確定拠出型年金の拡大を担っているのは、まさに401kプランなのです。それゆえ確定拠出型年金の代名詞ともいえます。

(出所:米国労働省 Private Pension Plan Bulletin, Number 8, Spring 1999)
では米国の企業で働く人々は確定給付型から確定拠出型へと完全にシフトしたのでしょうか?確定給付型年金の加入者数は年々増加しておらず大体横ばいです。確定拠出型は年々増加傾向に変わりありませんが、それは確定給付型からのシフトではなく、もともとは確定給付型年金制度だった企業が現代のニーズや雇用環境に合わせて、確定拠出型年金制度を新しく導入したからだと考えられます。企業側は確定拠出型年金制度の導入によって、よりよい人材確保に取り組んでいるともいえます。

(出所:米国労働省 Private Pension Plan Bulletin, Number 8,Spiring 1999)

