投資信託の選び方


投資信託を選ぶ際のポイント

何千という投資信託の中から自分に最も合ったファンドを選ぶのはなかなか難しい作業です。そこで、投資信託を選ぶ際のポイントをいくつかあげてみました。

資金の目的を確認しよう

あなたが投資信託に投資しようとしているお金は、どういう目的の資金かということをきちんと確認して下さい。

今後数ヶ月以内に使用する目的がある資金か、今後2~3年程度は余裕資金として使うことのない資金か、老後の資金として大切に運用したい資金かを考えてみましょう。投資信託を利用した資産運用の成功の鍵は、「長期・分散・積立」であると言われています。したがって、今後数ヶ月以内に使うお金は投資信託での運用にあまり適していません。もう少し長い期間運用できるお金でも、比較的短い期間の運用であれば、リスクをできるだけとらない投資信託を選択する必要があります。

余裕資金であり、ある程度のリスクをとってでも、増やす可能性にかけたいのであれば、株式投資信託ということになるでしょう。 若い世代であるならば、かなり長期的な運用を考えることも可能です。そうであるなら、長期で運用できるように償還期限が無期限の投資信託が選択肢となります。

年金資金として貯めてゆきたいのなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)の税制優遇メリットを利用するためにiDeCo口座で投資信託を購入したり、つみたてNISA制度を活用してNISAで利用できる低コストの投資信託をコツコツ積み立てるのが良いでしょう。

 

自分の資金の目的と合ったファンドをスクリーニングしてみよう

資金の目的がはっきりしたら、それに合ったファンドを探します。探すといっても数千本のファンドの中から選ぶのは大変な作業です。しかし、それは自分の大切なお金の運用ですから、他人まかせにしてはいけません。 いくつかの証券会社に出向いたり、各証券会社のホームページのシミュレーション機能などを利用して、前項で確認した自分のお金の目的を説明し、それに適したファンドをいくつか選んでみましょう。

普段取引のある証券会社があっても、一つの証券会社で取り扱っているファンドというのは、系列投資信託会社のものを中心にある程度限られていることが多いものですから、いくつかの証券会社を覗くということも必要となるかもしれません。

最近ではお金に関する本がいろいろ出版されています。そういうものを一通り読んで知識を得ることも大切です。ただ、マネー雑誌の場合は、金融機関による広告が中心であることが多く、企画広告で書かれた記事も多くありますので、そういう点には注意が必要です。基本的にはよいことしか書いてないという前提で読んでください。マネー雑誌のもう一つの活用方法は、巻末などにある資料請求はがきを利用して、興味のある投資信託などの資料を請求することです。これは自宅にいてもできる作業ですから利用しない手はないですね。

 

運用成績を確認してみよう

ある程度の数に候補を絞ったら、それぞれのファンドについての過去の運用成績をチェックしましょう。過去の運用成績は将来の運用成績を保証するものではありませんが、逆にいうと、過去の運用成績が悪いファンドの成績が(相場の回復などの要因以外で)急激によくなるというのもあまり考えられにくい話ではないでしょうか。 運用成績(騰落率)は、運用会社が個別ファンド毎に作成している運用レポート(月報、週報、運用報告書)に記載されています。これらの多くは、各社のホームページ、あるいは取扱証券会社で入手できます。

 

手数料を比較してみよう

投資信託にはさまざまな手数料がかかります。購入時には販売会社に支払う販売手数料、保有期間中には信託報酬、売却時には投資信託によっては信託財産留保額がかかります。最近は、ノーロードと呼ばれる販売手数料のかからない投資信託も増えています。また、同じ投資信託であっても、販売会社によって販売手数料が異なることもあります。自分が候補として選んだ投資信託の手数料を同じタイプの別の投資信託と比較してみることが大切です。

投資信託の費用と税金

 

基準価額の値動きを見てみよう

運用成績を確認することも大切ですが、同時に過去の基準価額の値動き(=変動幅)を調べることも重要なポイントです。

たとえば、12月末時点で、過去1年の騰落率が15%というファンドがあったとします。15%という上昇率はとても魅力的ではありますが、それがたまたま一年前と比べるとよい結果になったにすぎないのか、毎月コンスタントに1年前と比較してプラス15%程度の上昇率となっているのか、毎月プラス15%、マイナス20%、プラス3%、マイナス30%、というように大きく変動するファンドで、たまたま12月末時点では1年前と比較して15%となっていたのか、それによって大きく違ってきます。

図1は、基準価額の変動幅が小さいもの。

図2は、基準価額が毎月上下に激しく変動するものを表しています。1年間で15%上昇したファンドと言っても、値動き(値幅)を追ってみるとずいぶん違うことがわかります。基準価額があまり大きな幅で変動するファンドは避けた方が無難といえます。

基準価額の値動き1

図1

基準価額の値動き2

評価会社による評価を利用してみよう

投資信託の評価会社は20社近くあります。各社独自の評価基準を設けて、株式投資信託を中心に評価を行っています。雑誌やインターネットを通じて評価情報を公開している評価会社が多いので、そういう情報も参考になります。ただ、各評価の見方、意味については、十分理解した上で利用することが大切です。また、評価は評価時点(通常、毎月末の基準価額等を基に行われる)で見直されます。

代表的な評価会社のサイト

 

投資信託の基本の目次