不動産投資信託の投資尺度


不動産投資信託の投資尺度については、不動産投資信託そのものが日本に登場して間もないこともあり、いまだ確立した方法があるとはいえない状況にあります。そのような中で、現在使用されることの多い投資尺度について、いくつか紹介してみましょう。

配当利回り

配当利回りは1口あたりの年間分配金を投資口価格で割って求めることができます。

たとえば、年間2万円の配当があるファンドの価格が50万円であれば、4%(2万円÷50万円×100=4%)ということになります。  配当利回りを求めることで、どの程度のリターンが得られるのかが分かり易くなり、また株式や預貯金など他の金融商品と比較検討する際にも便利です。

ただし、不動産投資信託は、確定利回りを保証する商品ではありませんので、求められる配当利回りは、過去の分配金に基づく実績、もしくは予想分配金に基づく予想ということになります。

一口当り純資産総額(純資産額÷発行口数)

ファンドの持つ不動産などの総資産から負債を引いたものが純資産額で、それをさらに投資口の発行口数で割ったものが一口当り純資産額となります。

この一口当り純資産額は、理論的には、投資口1口が持つ資産価値を表しています。 したがって、1口当たり純資産額と実際の投資口の時価とを比較することで、実際の投資口の価格が割安であるのか、割高であるのかを考える上でのヒントになると考えられています。

ローン・トゥ・バリュー・レシオ(loan to value ratio)

総資産に占める負債(借入れ、債券発行額)の割合。この値が大きいほど、ファンドは、債券の発行や借入れ等の負債を利用して運用していることを示しています。 一般的に、この割合が高いほど、ハイリスク・ハイリターンになると考えられています。

自己資本比率

総資本に占める自己資本(投資主による出資)の割合。ローン・トゥ・バリュー・レシオとはちょうど反対の性質を持つ指標で、この値が大きいほど、負債に対する依存が低く、リスクもリターンも安定的になると考えられています。

FFO(Funds From Operation)倍率

FFOとは、その不動産投資信託が賃料収入からどれだけのキャッシュフロー(現金収入)を得ているかを示す数値で、不動産投資信託の収益力を示すといわれています。

具体的には、ファンドの最終利益から資産の売却から得られた利益を除き、減価償却費(支出を実際には行わず、資産の劣化などに備えて、会計上、計上された費用)を加えたものがFFOです。 1口あたりのFFOが投資口の価格の何倍であるかを示すのがFFO倍率であり、この値が小さいほど、ファンドの収益力に比べて、価格が割安であることを示すといわれています。