社会的責任投資の役割
社会的責任投資は広い意味を持っています。エコファンドと呼ばれる環境ファンドもひとつです。あるいは、地域社会、国、株主、従業員との公正・良好な関係も企業にとっての社会的責任で、そういう面で優れた企業に投資するのも社会的責任投資です。
では、紛争については、どうでしょうか。仮に、日本企業が輸出した機械や日本企業が投資したインフラ整備により、ある国の政府が豊かになったり、その国の政府の利益に貢献したとします。一方で、その政府はその利益により武器を購入し、それを使って国内の特定の民族を弾圧・虐殺していたとします。
とても間接的なお金の流れなので、そこまでチェックすることは難しいのが現状だと思います。しかし、欧米の社会的責任ファンドの運用方針やホームページでは、特定の人権問題やダルフール紛争を含む紛争への対応方針が明確に記載されていることもあります。なかには、ファンドの投資家や国民に対して、特定の紛争についての抗議や行動を求めるメールを議会、地元議員、国連に出すことを推奨し、実際にホームページに抗議文のサンプルやオンラインフォームを掲載している運用会社もあります。
株主が、企業経営を厳しい目でチェックすることは、環境保護や不正防止のためだけでなく、海外で起きている人権や人命にかかわる残虐な行為に対して、企業に正しい行動を促すことにも繋がるということを私たちは認識すべき時代なのだと思います。グローバル化が進む中で、社会的責任投資の役割はますます広範で重大なものになっています。

