投資信託の信託報酬の平均は?


 信託報酬とは

信託報酬は、投資信託の運用管理業務に対して投資家が負担する手数料です。投資信託の運営の中で投資信託会社(運用会社)、販売会社、受託銀行がそれぞれ果たす役割・業務の報酬として、信託財産から日々差し引かれます。信託報酬は投資家の運用成果にとっては押し下げ要因であり、しかも、投資信託を保有している間は、負担し続けることになります。したがって、信託報酬率のわずかな違いが、長期では投資成果に大きな違いをもたらします。なお、信託報酬率は、純資産総額(投資家にとっては保有額)に対して年率何パーセントという形でファンド毎に定められており、目論見書に記載されています。

信託報酬率の違いの影響

 

信託報酬率の平均はどのくらいか

では、信託報酬率の平均はどのくらいなのでしょうか。投資信託協会が公表したデータ「公募株式投信(追加型)における運用管理費用(信託報酬)の状況」によると、追加型の公募株式投資信託(対象ファンド数:4,981本)の信託報酬率の平均は2016年12月末現在、1.12%(税抜き)でした。最も高かったファンドは2.38%、最も低かったファンドでは0.03%でした。

なお、データは、DC(確定拠出年金)向けファンド、マネープール、財形、ミリオンを除外しています。また、ファンド・オブ・ファンズの場合は、交付目論見書における当該ファンドの料率で計算されています。では、投資対象別に見てみましょう。

 

国内に投資する投資信託の信託報酬率

国内資産に投資するタイプの投資信託の信託報酬率の平均は年0.99%でした(2016年12月末現在、対象ファンド数:1,152本)。資産別では、次のグラフのように、国内その他資産の信託報酬率の平均が1.18%と最も高く、国内債券の信託報酬率の平均が0.38%と最も低くなっています。なお、その他資産とは、株式、債券、不動産投資信託以外の資産のことで、転換社債や商品などを対象とするファンドがこの分類に属しています。一方、最もファンド数が多い国内株式ファンド(対象ファンド数:913本)の信託報酬率は最大で2.15%、最小で0.03%、平均では1.09%でした。

国内ファンドの信託報酬率

国内ファンドの信託報酬率の最大、最小、平均

(データ:投資信託協会)

 

海外に投資するタイプの投資信託

海外に投資するタイプの投資信託の信託報酬率は、国内の投資信託に比べて高く、平均で1.18%でした(2016年12月末現在、対象ファンド数2,400本)。資産別では、株式に投資するタイプの平均が1.31%と最も高く、海外の債券に投資するタイプの信託報酬率の平均が1.08%と最も低くなっています。

海外ファンドの信託報酬率

海外ファンドの信託報酬率

(データ:投資信託協会)

 

国内外に投資するタイプの投資信託

国内外の資産に分散投資するタイプの投資信託では、信託報酬率の平均は1.12%(対象ファンド数:1,429本)でした。資産別に見ると、最も高かったのは内外の株式に投資するタイプで、信託報酬率の平均は1.30%でした。一方、最も低かったのは内外の債券に投資するタイプで、信託報酬率は1.01%でした。

内外ファンドの信託報酬率

内外ファンドの信託報酬率

(データ:投資信託協会)

 

注意点

2016年12月末現在では、国内資産に投資する投資信託の信託報酬率の平均(0.99%)が最も低いことがわかりましたが、実際には、信託報酬率はファンドにより異なります。国内資産に投資するファンドであっても、高いファンドもあれば、海外に投資するタイプでも低いファンドもあります。また、投資対象とする資産や運用手法によっても違いが生じます。信託報酬率の違いは、長期間では運用成果に大きな影響を与えるということを理解し、投資信託を購入する際にはファンドの目的や運用成績だけでなく、信託報酬率を同類のファンドと比較することが大切です。