日銀のETF買い入れとは?


日銀のETF買い入れとは、公開市場操作において、日本銀行が市場からETFを買い入れて、資金を供給することです。

日本銀行の金融政策の理念は「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」です。その時々の経済情勢を鑑み、この物価の安定を図るために日本銀行は金融政策を運営しています。金融政策の基本方針は金融政策決定会合と呼ばれる会合で決定されます。この会合は毎月1回~2回開催され、経済・金融情勢を検討し、金融市場調節方針や当面の金融政策の運営方針を決定します。この決定に基づいて日本銀行の金融調節が行われ、その一つが公開市場操作と呼ばれるものです。

公開市場操作(オペレーション)とは、日本銀行が金融市場において民間の金融機関との間で行なう国債等の売買や資金貸付などの取引のことです。金融緩和のために、市場に資金を供給する資金供給オペレーションと金融引き締めのために市場から資金を吸収する資金吸収オペレーションがあります。前者では、日銀が国債等を買い入れるので買いオペレーション(買いオペ)、後者は日銀が国債等を売却するので売りオペレーション(売りオペ)と呼びます。

この資金供給オペレーションは、日本銀行が購入する対象の違いにより、共通担保資金供給オペ、CP等買現先(かいげんさき)オペ、国債買現先オペ、国庫短期証券買入オペ、国債買入オペ、CP・社債買入オペ、ETF・J-REIT買入オペがあります。日銀のETF買い入れとは、このETF買入オペのことをいいます。日本銀行が市場からETFを買い入れて、市場に資金を供給することで、金融緩和を促すものです。

なお、資金吸収オペレーションは、その売却対象の違いにより、手形売出オペ、国債売現先(うりげんさき)オペ、国庫短期証券売却オペがあります。

日銀のETF買い入れは、「資産買入等の基金の運営として行う指数連動型上場投資信託受益権等 買入等基本要領」が2010年11月5日に制定・公表されたのを受け、2010年12月に開始されました。

買入対象となるETFについては、東証株価指数(TOPIX)または日経平均株価(日経225)に連動するものに限られています(2014年10月現在)。また、どの程度のETFを買い入れるかについては、金融政策決定会合で決められます。2014年10月6-7日に開催された金融政策決定会合の要旨「当面の金融政策運営について」によると、2014年10月現在、ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買入れを行なうという方針を継続するとされています。また、2013年4月4日に日本銀行が公表した「量的・質的金融緩和」の導入についての中で、2014年末の残高の見通しを3.5兆円としています。なお、2014年に入ってからは、次のように7,927億円のETFの買い入れが実施されています。

 

2014年に実施された日銀のETF買い入れ状況(2014年10月17日現在)

実施月

買入金額(億円)

1月 1,104
2月 989
3月 831
4月 696
5月 476
6月 260
7月 720
8月 1,236
9月 292
10月 1,323

(データ:日本銀行の公表数字を基に投信資料館が集計)