アセットアロケーションとは何ですか?


アセットアロケーション(asset allocation)とは、日本語に直訳すると「資産配分」ということになります。

ただし、この場合、資産配分とはいっても、300万円をA社の社債に100万円、B社の社債には50万円、C社の社債には150万円と配分するということを「アセットアロケーション」と一般的に言うことはありません。

運用の世界で、いわゆるアセットアロケーションとは、異なるリスクやリターンの特性をもつ「資産クラス」に分類した投資先への配分比率を決定し、投資を行なうことを言います。

具体的には、「日本の株式」、「外国の株式」、「日本の債券」、「外国の債券」、「短期金融商品」、「不動産」などといったものが「資産クラス」として挙げられ、「日本株式30%・外国株式10%・日本債券40%・外国債券10%・短期金融商品5%・不動産5%」などのように、投資比率を定めて、投資を行なう運用スタイル、そしてそのような比率を決定することを「アセットアロケーション」と言います。

リスクやリターンの特性に基づく資産クラスを分類し、さらにその比率を決定し、投資を行なうという投資スタイルは、投資家にとっては、リスク分散やリターンの平準化を実現する上でも、役に立つ考え方であるということができます。

また、ポートフォリオ理論などの発展から、それぞれの資産クラスのリスク・リターンを数量的に把握し、市場環境の変化に対して、独自に構築した運用モデルに従って、最適と思われる資産配分比率を決定するTAA(タクティカル・アセット・アロケーション)といった運用スタイルもあり、資産クラスの分類や資産配分比率の決定は、その運用成績を大きく左右するという点からみても、重要なことであると考えられています。