上場インフラファンドとは?


上場インフラファンドとは

上場インフラファンドとは、太陽光発電、風力発電、地熱発電など再生可能エネルギー発電施設などに投資するファンドのことで、東京証券取引所に上場しているものを指します。

 

上場インフラファンド誕生の経緯

これまでの法律では、投資信託投資法人が投資できる資産(特定資産)は、有価証券、デリバティブ取引にかかる権利、不動産、不動産の賃借権、地上権、約束手形、金銭債券、匿名組合出資持分等に限定されていました。

しかし、2014年9月3日に公布・施行された法律改正(投資信託及び投資法人に関する法律施行令の一部を改正する政令)により、特定資産に再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権が追加されました。

また、登録投資法人が行なうことができる取引に、再生可能エネルギー発電設備の製造、設置その他これらに類するものとして内閣府令で定める行為を自ら行なうことに係る取引が追加されたこと等により、投資法人による上場インフラファンドの組成が可能になりました。

ここでいうインフラ資産とは、再生可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権のことですが、投資信託及び投資法人に関する法律施行令第三条によると、再生可能エネルギー発電設備とは、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法に規定する再生可能エネルギー発電施設(太陽光発電、風力発電、地熱発電、水力発電、又はバイオマス発電)であり、公共施設等運営権とは民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律に規定する公共施設等(道路、鉄道、港湾、空港、上下水道等)の運営権のことです。

 

上場インフラファンドの仕組み

上場インフラファンドでは、投資家が投資法人に投資を行ない、その資金や銀行からの借入を使って投資法人が再生エネルギーの発電設備などを直接保有し、それを発電事業者に賃貸することで賃貸料を獲得し、そこから得られた利益を投資家に分配金として分配します。ただ、その他にもさまざまな形式が検討されており、具体的な仕組み等については、実際に上場するインフラファンドにより異なると考えられます。

 

上場インフラファンドと証券投資信託との違い

なお、証券投資信託でも、インフラファンドと呼ばれるファンドがありますが、それらはインフラ関連企業の株式に投資するファンドやインフラ関連企業が発行した債券に投資するファンドであって、直接インフラ設備に投資するものではありません。証券投資信託ではインフラ関連企業とは、主に途上国において運輸、エネルギー、電気通信、道路・電力等など経済発展に不可欠な社会基盤(インフラ)の整備に携わっている企業のことで、あくまでもこれらの企業の株式や債券を投資対象としています。

今回の法改正により、投資法人等による再生可能エネルギー発電設備や公共施設等運営権への投資を容易にすることで、民間資金を活用したインフラ整備が可能となると同時に、投資家の多様な資金運用ニーズに応えることができると、金融庁では考えているようです。

今回の法改正を受け、東京証券取引所等を運営する株式会社日本取引所グループでは、上場インフラファンドの上場に向けた準備に入り、2016年6月に第一号ファンドとなる「タカラレーベン・インフラ投資法人」(銘柄コード:9281)が東京証券取引所に上場しました。

 

インフラファンドの一覧