金利が下がると、債券はどんな影響を受けるの?


金利低下の債券への影響

基本的に、金利の低下は、債券の価格の上昇要因となります。したがって、金利が下がれば、債券価格(時価)は上昇することになります。

 

金利低下の影響の具体例

以下、具体的な例を用いて考えてみましょう。

ここに2年後に満期を迎える2%の固定利子付の国債(以下、A債券とします)があり、価格が100円で、額面どおりの価格であるとしましょう。

このA債券に投資すると、1年ごとに利子が支払われ、1年後には2円の利子が、そして2年後の満期には、2円の利子と100円の額面の合わせて102円がもらえます。

しかし、その1年後、金利が下落したとします。そうすると、当然、新たに発行される債券はその金利水準で発行されることになります。例えば、1年後に満期を迎える固定利子付の国債が金利1%、額面と同じ100円で発行されたとしましょう(以下、B債券とします)。

このとき、どんなことが起こるのでしょう?

この時点で、1年前に発行されたA債券も、新たに発行されたB債券も満期限は同じ、1年後です。

しかし、A債券では、1年後に2%の利子がもらえますが、B債券では1%の利子しかもらえません。

もし、価格が同じ100円であるならば、A債券は買い手が殺到してしまいます。このような場合、市場では、価格によって需要と供給が調整される仕組みになっています。

したがって、A債券は、投資家にとっての利回りがB債券と同じになる水準まで上昇した価格で、取引されることになるのです。

このようなことから、金利の下落は、債券価格の上昇要因となるのです。

デュレーションの値が大きい(長い)債券ほど、債券価格の金利に対する感応度が高く、金利下落時には大きな値上がりが、金利上昇時には、大きな値下がりが予想されます。