元本確保型国債ファンド(日興AMのエッグス)は、どのように元本が確保できるのですか?


元本確保型国債ファンド

日興アセットマネジメントが2000年頃に運用していた元本確保型国債ファンドの「エッグス(EGGS)」というファンドは、元利払いが非常に高い確率で行われる日本の国債や、その日本の国債と同じぐらい高い確率で元利払いが行なわれる債券に投資するファンドです。また、5年間の間、毎年元本の1/5ずつを償還していきます。

 

元本確保型国債ファンドの仕組み

エッグスは元本確保型ファンドと呼ばれています。これは、信託財産を1/5ずつに分け、それぞれを1年物、2年物、3年物、4年物、5年物の債券に全額投資することによって、債券がディフォルトをおこさない限り、必ず投資金額+金利がそれぞれの年に得られるようなポートフォリオを組んでいるからです。つまり、1年後に支払う元本の1/5には1年後に償還になる債券の元利払いを当て、2年後に支払う元本の1/5には2年後に償還になる債券の元利払いを当て、というようにすれば、投資した債券があらかじめ決めた通りに元利払いを支払う限りは、エッグスも受益者に、あらかじめ決めた通りのスケジュールで償還金を支払うことができます。

 

キャッシュフローマッチング

こうした、支払予定にぴったり(あるはほぼぴったり)合った元利払いを行なう、信用力の高い債券に投資する投資戦略を、キャッシュフローマッチングといいます。キャッシュフローマッチングは、債券を購入することのできる投資家ならばだれでも自分でできますし、また将来一定金額を必ず払わなければならない予定があり、それまで手持ちのお金をどうしておいたらいいか、というような場合には非常に便利な投資戦略です。

しかし、特に小口のお金では債券の価格はあまり有利な値段になりません。機関投資家間で取引されている債券の価格は、小口の投資家が自分で証券会社や銀行や郵便局で買える価格よりも大分有利です。また取引できる債券の種類も、機関投資家の方がはるかに多くあります。エッグスはこうした機関投資家間の取引のメリットと機関投資家の投資戦略の一つを、小口の投資家にも提供しようという商品です。