グローバル・エクイティ・ファンドとは?


グローバル・エクイティ・ファンド

グローバル・エクイティ・ファンドとは、世界中の株式市場へ最適に資産を配分し、運用する投資信託のことです。一言でそのようにいっても、ピンとこない人も多いと思います。このタイプは、運用会社の世界中の調査分析体制・能力を反映した英知の集大成を、運用に生かしたファンドともいえます。

投資信託の基本

 

資産配分の決定

世界中への資産配分がどのように決定されるかを、一般的な例で説明しましょう。運用会社は通常世界中に調査拠点を持ち、世界規模での調査体制を敷いています。各拠点にはエコノミストやアナリストがいて、担当する国や地域の経済成長、金利、為替、政治など債券・株式・金融市場に影響を与えるあらゆる側面を絶えずモニターし、分析・予測しています。エコノミストの多くは大学院などで高度な専門の学問を修め、経験を積んだプロフェッショナルです。

事実、世界的に有名な運用会社のエコノミストというのは非常に高額の報酬を得ています。優秀なエコノミスト獲得競争は、世界中の金融機関の間で繰り広げられ、単に本を書いているとか、マスコミに頻繁に顔を出していて有名というのではなく、あくまでも優れた経済予測・分析能力がある人材が求められています。

そして、この各拠点に配置されたエコノミストにより分析された結果が集められ、運用会議を定期的に開催し、各国のデータをもとに世界規模での最も有効な資産配分が決定されます。つまり、米国の株式に何%、日本に何%、ドイツに何%、オーストラリアに何%・・・というように国別の資産配分を決定するわけです。もし予期せぬ出来事が世界のどこかで発生すれば、担当エコノミストを中心として即座にこの資産配分の見直し・修正が行われ、絶えず最適な資産配分になるように調整されます。

各国毎の資産配分が決定されると、次にアナリストの出番となります。アナリストというのは国毎に配置され、通常、自分の専門業種を担当しています。建設セクター、金融セクター、電機セクターなどで、セクターアナリストとも呼ばれ、自分の担当するセクターの企業を絶えず訪問・調査・分析します。ファンドマネージャーは最適な国別資産配分と各国のアナリストの調査をもとに、個別ファンドの運用目的などを勘案して、ファンドの国別資産配分や具体的な組み入れ銘柄を決定します。個別ファンドの実際的な運用はファンドマネージャーの裁量にかかってきます。

世界規模での資産配分モデルの決定は、優秀なエコノミスト、アナリスト、ファンドマネージャーによる世界的なネットワークが整い、はじめて可能となるわけです。グローバル・エクイティ・ファンドは多くの世界的な運用会社が運用しています。グローバル・ファンドに投資するということは、運用をプロにまかせるという投資信託の最大の目的にかなった行為ということになります。