インデックスファンドは、どう選べばよいですか?


インデックスファンドの連動率

インデックスファンドを選択するにあたってのポイントは、対象となるインデックスに対しての連動率が高いか低いかがファンドの良し悪しを決定するということで、ファンドの性格上、過去の騰落率や分配金の額で判断することは無意味です。

過去1年間のインデックスとの連動率を見てみると、ほとんどのファンドがベンチマークとなる指数に対してほぼ100%の連動を示しているため、どのファンドを選んでも同じように見えます。

しかし、運用期間を過去5年間や設定来というより長い期間で見ると、連動率が低いファンドもあるので注意が必要です。

 

残高の推移

連動率に影響を与えている要因として残高の推移も見逃せません。インデックスファンドは、いつでも購入・解約ができる追加型投資信託ですから、運用資産を100%株式に投資せずに、予期せぬ解約に備えて常にある程度を現金で保有しています。資金の出入りが激しいインデックスファンドは、解約に備えてより多くの現金を用意しておく必要があるため、連動率が低下するわけです。

また、残高があまりに少ないインデックスファンドは、資金不足で銘柄の分散投資が困難となり、株価指数に連動するポートフォリオを作成できなくなるリスクを抱えています。純資産総額が10億円未満になると途中償還になるケースもあるので、購入の際には残高の多いファンドを選ぶことが賢明です。

なお、投資信託協会によると、株式投資信託全体の純資産総額は約80兆円で、ファンドの本数は5939本(2016年12月末現在)ですので、投資信託1本当たりの平均純資産総額(運用残高=規模)は約139億円です。

 

インデックスファンドのコスト

さらに、ファンドのパフォーマンスに影響を与えるのが、ファンドのコストです。これはインデックスファンドに限ったことではありませんが、インデックスファンドのメリットはアクティブ運用のファンドに比べてコスト(信託報酬等)が低いことにありますので、購入前にコストをきちんと確認することが大切です。

投資信託協会によると、2017年3月末現在、623本のインデックスファンド(ETFを含む)が運用されており、信託報酬の平均は0.49%(年・税抜)です。

 

なお、インデックスファンドは、運用目標が指数への連動と単純明快なため、相場上昇時には非常に有効な投資手段となります。反対に相場が軟調となった場合には、ファンドマネージャーが株式組入れ比率を下げて損失を回避するというような術が用意されていないため、基準価額は相場の下落にあわせてストレートに下がるので注意が必要です。