ヘルスケア型のファンドは主に医薬品・医療機器、介護関連事業、健康産 業といった、国内および海外のヘルスケア関連企業の銘柄を中心に投資する ファンドで、投資対象にバイオテクノロジー関連事業を含むものも多く設定 されています。
この業界で最も注目すべき点は高齢化社会です。高齢者の増加にともない、老人医療費が膨張して国民医療費の増加が続き、これを国民が負担できる範囲内にいかに抑えるかが大きな課題となっています。医療保険制度は近年何度か改正されていますが、いずれも抜本的改革には程遠く、高齢者の自己負担や薬価差益の解消などによる医療費の抑制効果も未だ不透明な部分が多い
のが現状です。こうした背景の中で、高齢者が寝たきりなどの状態になったときに介護サービスを提供する公的介護保険制度が2000年4月からスタートしました。40歳以上の国民から保険料が徴収され(40歳以上と65歳以上の保険料と徴収方法は異なります)、要介護認定を受けた高齢者に受給されます。
要介護度は「要支援」と5段階の「要介護」に区分され、段階に応じて介護サ ービスの利用上限額が決まります。平均寿命が伸びたことで、介護の必要な高齢者は急速に増加し、厚生労働省(旧厚生省)の推計では、2000年度の280万人から2025年には520万人と、ほぼ倍増する見通しです。
こうした高齢化にともなって整備されている体制に、柔軟に対応が求めら れるのが医薬品・医療機器関連企業、および介護サービス関連企業です。医薬品に関しては、医療制度、特に薬価基準改定に左右されるため、製薬会社 はより一層新薬の研究開発に力をいれなければなりません。高齢者が増加す れば当然病気にかかる人口は増えるため、製薬会社同様、医療機器メーカー も医療機関と患者のニーズに応えていく必要があります。また、介護保険制 度は始まったものの、サービス自体の供給不足が現状と言われています。こ うした中、民間の介護サービス事業が高齢者の利用希望に対してどれだけサ ービスを提供できるかも重要です。医薬品業界は常に医療行政と密接な関係もっており、今後の医療行政は高齢化社会を踏まえて進路をとると思われま す。いずれの業種も超高齢化社会に向けてのビジネスの拡大が、成長の鍵を握ると言えそうです。
もうひとつ、ヘルスケア型のファンドに多いのがバイオテクノロジー関連 企業銘柄に投資するファンドです。バイオテクノロジーをはじめとする先端技術産業は急激に技術革新が進んでいる分野です。遺伝子を解析して効果的 な新薬や治療法を開発するゲノム研究はもちろん、こうした研究を支えるDNA 解読装置やDNAチップなどの開発、遺伝子組換作物などのさまざまな研究が世界各国ですすめられています。日本だけでなく、世界各国の製薬会社、医療機器メーカー、食品会社、バイオベンチャー企業が乗り出しているため、開発競争も激しく、成長が見込まれる分野です。景気が低迷すると研究開発費への投資も上限があるため、ファンドの投資対象が国内か海外かも重要になってきます。着実に成果をあげている企業を中心に投資しているかどうか、 運用報告書などをもとにチェックすることをお勧めします。