インタビュー

 

上地明徳氏(日本インベスターズ証券株式会社企画部次長)

「日本初の投信専門証券会社の設立と今後について」

 

今回は、日本インベスターズ証券株式会社の企画部次長上地明徳氏に、日本インベスターズ証券設立の背景、今後の展開等について話を聞いた。日本インベスターズ証券株式会社は、日本初の投資信託専門証券会社として資本総額10億円で4月21日に設立。8月21日に営業を開始した。(取材日:8月21日)


 投資信託専門の証券会社を設立するに至った背景を説明していただけますか?

 設立のプランは3年前から弊社取締役社長である宮坂髞(元ジャーディン・フレミング投信代表取締役社長)の発案によります。当時、ジャーディンの運用する投信を日本の証券会社に販売を代行していただいたわけですが、一部に決してお行儀が良いとはいえない販売姿勢が見られたことから、日本の投信業界を良くするには系列を超えて販売を行う独立した販売会社を創らなくてはいけないと考えたわけです。

 

 その考えを実現させたわけですね。

 そうです。証券だけでなく海外投資事情や税務などの知識に精通したクォリティーの高い販売部隊が、顧客の立場に立って、資産運用に関するさまざまな相談にのりながら顧客に最も適した投資信託を組合わせてポートフォリオ販売するのが弊社の基本的営業姿勢です。

 

 会社の株主はジャーディン・フレミングと芙蓉グループから構成されており、独立系というイメージはないのですが。

 確かに芙蓉系の企業が多いことは事実ですが、弊社が系列を超えて販売商品を選定することをご理解いただいた株主の方々です。したがって当然でありますが、株主だからといってラインアップにのせるとは限りません。あくまでも商品次第です。

 

 商品ラインアップについて教えてください。

 個人投資家が理解しやすいように投資信託を国内株式型、海外株式型、債券型、複合商品型の4大カテゴリーに分類して、また、それぞれを18の小カテゴリーに細分化しました。その小カテゴリーの上に厳選したファンドを数本ずつのせていくわけです。今日現在14本のファンドを用意しておりますが、9月中に更に15本前後のファンドが追加の予定です。中には、弊社でしか購入できない独自のファンドも用意されています。

 

 現在、追加型投信だけで約1500本という数があるのですが、その中から30本を選ぶとなるとかなり大変だと思うのですが、どういう基準で選定するのですか?

 ファンドの評価分析には過去のパフォーマンスから分析する定量評価と運用会社の運用体制やファンドマネージャーの能力など質的な部分を分析する定性評価があります。日本の投信の場合、過去のトラックがないために定量を重視すると将来有望なファンドの芽を摘むことになりかねません。そこで、弊社は定性評価を重視して質的な観点を点数化することによって運用会社、およびファンドを選定させていただきました。

 

 個人投資家に代わって御社が専門家の目で数千本の中から数十本程度に絞り込むということは、それらがかなり過去のパフォーマンス、安定性などが優れており、かつ優秀な運用担当者が運用するファンドであり、自信を持って投資家に提案できるものだけであるということですね。

 もちろんです。ファンドの数は、将来的には100本程度になる予定です。

 

 商品の対象はあくまでも投資信託だけですか?

 当初は日本籍の国内外の投資信託だけですが、年明けにはオフショアの投資信託、ヘッジファンドを含めて、REIT,ベンチャー・キャピタル・ファンド、商品ファンド、そして保険などの金融商品も視野においております。

 

 投資信託専門の証券会社であるという点以外に御社の特徴はどういう点にあるのでしょうか。

 従来の証券会社のように支店店舗網の展開をはかるのではなく、地元に密着したファイナンシャル・プランナーを活用する点です。既に顧客との信頼関係が出来上がっている税理士や公認会計士を含めたFP網を構築していきたいと考えています。

 

 販売体制はどうなっているのでしょうか?

 営業開始当初はプロパーの10人程度でスタートしますが、この秋にも更に10数名が加わる予定です。したがって20数名のプロパーFPで先陣を切ります。年末に規制緩和で証券業に関する兼業の禁止規定が緩和されれば、前述の税理士や公認会計士、保険の代理店なども投信の販売が出来るようになります。兼業以外でも専属の契約FPも増やして全国展開していきたいと思います。

 

 社員でないFPの管理をどのようにおこなうのですか?

 基本的にはPCのオンラインですべて管理することになっています。顧客データ、商品データ、情報ベースがモバイルPC上で管理することが出来ることになっており、システム上は出社しなくても営業が出来る体制になっています。しかし、モラル、知識の維持向上という観点から定期的に本社に集合して研修を行う予定です。もちろん入社前に徹底的に金融や商品に関する勉強を行います。

 

 ということは、店舗は持たないのですね。

 はい、本店のみで営業支援を行います。

 

 その他に日本インベスターズ証券の特徴はありますか。

 経営理念の一つでありますが、顧客に対して相場を張らせるのではなく、長期的な資産形成を目的とします。そのために長期投資と分散投資の考え方を理解していただく必要があると考えております。モダン・ポートフォリオ理論という用語は使わないものの、基本となる考え方を分かりやすい言葉で説明する必要があると考えております。顧客に説明できるまでにはかなりのレベルが要求されますので、研修も非常に充実した中身で実施しております。さらに、モバイルPC上には顧客の資産や運用の目的、リスク許容度をインプットすると最適ポートフォリオが計算されるオプティマイザー機能のついた資産運用プランナーを搭載して、コンサルティング型の営業が特徴といえるでしょう。

 

 本日はどうもありがとうございました。


 


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