インタビュー

佐久間康郎氏 

第一勧業朝日投信投資顧問株式会社 投信運用第一部調査役)

 「朝日株式オープン」の運用について


このインタビューは、衛星放送ビジネスブレークスルーの「Meet the Fund Manager」において放送されたものです。(収録日1998年10月9日)

 

(番組の司会はCFPの和泉昭子氏、解説は財務コンサルタントの村藤功氏。)

 

和泉   この番組では毎回第一線でご活躍のファンドマネージャーをスタジオにお迎えして、ファンドについての詳しいお話を伺っております。今回は第一勧業朝日投信投資顧問のファンドマネージャー佐久間康郎さんをお迎えしております。

 

和泉   佐久間さんのファンドマネージャーとしての経歴はどのくらいになるのですか?

佐久間  7年近くになるのですが、その前3年間程、国内株式の調査をやっておりまして、その後、アメリカにトレーニー研修に行き、帰国後、ファンドマネージャーの職務に着いております。

 

村藤   アメリカはいかがでしたか?

佐久間  そうですね。今現在の水準で考えれば、それほど凄いとは思いませんが、当時のレベルでいいますと、やはり、日本の運用業界の運用手法・スタイルは全く確立されてないといってもいい状況でしたが、一方、アメリカは5,6年前の時点でも長い歴史があって、それぞれの会社で投資哲学・投資スタイルが確立されており、その時点では大変勉強になりました。

 

村藤   資産運用のスタイル、やり方、哲学などは日本とアメリカで違うのですか?

佐久間  今現在、日本の運用会社は投資スタイル・投資哲学を模索している段階にあると思います。一方、欧米の運用会社はその段階で確立されているので、その点で大きな違いがあると思います。

 

和泉   さて、今回は、佐久間さんが運用されている朝日株式オープンについてお話を伺っていきたいと思いますが、この朝日株式オープンはなかなか長い歴史がありますよね。

佐久間  昭和51年の9月からずっと続いているファンドで、そういう意味では二十数年ありまして当社の中でも最も古いファンドのひとつです。このファンドは、国内株式一般型ファンドのカテゴリーに入ってますが、投信業界全体の中でもかなり古い歴史のあるファンドです。

 

村藤   国内株式一般型の一般型というのはどういう意味ですか?

佐久間  特定なセクターとかテーマに焦点を絞ったファンドではなく、基本的には、国内株式全般の中からファンドマネージャーのスキルというか、それぞれのアイデアに基づいて運用するファンドで、よくあるハイテクとか小型株といった特定したファンドではありません。

 

村藤   特に業種で特定しているとか規模で大型株だとか中小型株だけやるという形ではないのですね。日本株が中心のように思えますが外国株も買っているのですか?

佐久間  このファンドでは純資産の30%まで外国株を組み入れることが可能で、ファンドは、国内の優良株式を中心に海外の株式にも投資して信託財産の長期的な成長をはかることを狙いとしてますので、現在も20%前後外国株式に投資してます。

 

村藤   社債とか国債とかはいかがですか?

佐久間  原則としてこのファンドは株式によって信託財産の成長を目指すファンドなので、株式の組み入れ比率は常時高水準と維持することを運用の基本方針としています。したがって、株式以外の部分は、CPとかコールローンなどの短期金融商品で運用しています。

 

村藤   大きな部分は国内株式ですね。だいたい何パーセントくらいが国内株式なのですか?

佐久間  現在は2/3である、65%から70%を国内株式に充てています。

 

村藤   アクティブ運用のファンドということですが、アクティブ運用とは何ですか?

佐久間  簡単に言えば、市場収益率を上回ることを目的としてファンドマネージャーが独自の戦略を立てて運用するやり方をアクティブ運用ということができますが、具体的な投資戦略は、ファンドマネージャーによって千差万別だと思いますが、たとえば、あるファンド・マネージャーは金利や経済指標を見ながら、ある時は景気敏感株、ある時は金利敏感株、ある時は安定成長株というように比重を上げたり下げたりする形でやるファンドマネージャーもいますし、別のファンドマネージャーは、PER、PBRなどのバリュエーションだけにフォーカスして、そのバリュエーションから見た割安な銘柄群だけを集中的に投資して市場の収益率を上回るリターンをあげようという手法もあります。私の場合は、成長性という観点から銘柄選択を行って市場収益率を上回るリターンをあげることを目標とするアクティブ運用を行っています。

 

村藤   景気敏感株とか金利敏感株という言葉が出ましたが、金利敏感株とはどういうことですか?

佐久間  一般的には、金利が下がる局面では金融株がメリットを受けると過去には言われましたし、そういった動きがあったと思います。ないしは、負債が多く、金利の支払いが多い企業は市場金利が下がることによりコスト負担が減るということでメリットを受ける、こういった銘柄が金利敏感株と捉えられると思います。

 

和泉   佐久間さんの場合は、成長株ということですが成長株は具体的にはどのようなものですか?

佐久間  私が捉えている成長株の概念ですが、2つありまして、ひとつは安定成長株で、もうひとつはアーニングズ・モーメンタムという形で見ています。

 

和泉   もう少し、やさしく言うとどういうことですか?

佐久間  安定成長株は、将来に渡って持続的に収益を伸ばしていける企業、これは、あまりマクロの景気変動に左右されず着実に利益を伸ばしていける、収益見通しの透明性が非常に高い企業、特に大型企業にこれが当てはまると思います。もうひとつのアーニグズ・モーメンタムですが、こちらは比較的、中小型サイズの企業、まだ参入しているビジネスの市場自体が若くてマーケット自体に非常に大きな成長率がある、したがってその企業も収益成長が加速度的に伸びていくような企業、こういったものをアーニングズ・モーメンタムと捉えておりまして、私の場合は安定成長株、アーニングズ・モーメンタム、この2つを成長株という概念で捉えています。

 

村藤   安定成長株とアーニングズ・モーメンタムという大型株と中小型株で成長しそうなところということですが、アクティブ運用とおっしゃった時に今みたいな株式市場の状況ですと、全体的に下がりそうなときもありますよね。そういう意味では株式指数をもって全体としては売っておくポジションを作りながら、優良株を買うというようなことはされてないのですか?

佐久間  このファンドとしては現物株式を組み入れることによって、その長期的な信託財産の成長を目的としているので指数を売って現物を買いで持つというやり方はとっていません。計算上は、どれだけ指数を売って、どれだけ現物を持つかという理論上の計算はできるかもしれませんが、ズレが出たときに過剰なリスクを取ることになりかねないと思いますので、本来のファンドの目的から、ややはずれると思いますので、そういった戦略はとっていません。

 

村藤   なるほど、あくまでも国内の株式で一番いいものを大型株と中小株で買っていくという本流を歩んでいらっしゃるようですね。

佐久間  そうですね。本流というか、別の言い方をするとかなりベーシックだと思いますが。

 

村藤   基本の考え方はそうなのだと思いますが、実際に個別銘柄を選択する場合に何か特に基準とかはありますか?

佐久間  はい、どの業種、どの銘柄、全てに共通する基準というのは無理があると思いますので、これ一本というものはないのですが、ほぼどの銘柄にも共通して言えるものとして売上高を比較的重要視しています。先ほど申し上げた成長安定株でいいますと着実に売上を伸ばしていける企業ですね。価格決定力を持っている、マーケットシェアが高い、こういったものがないと比較的成熟段階にある大型企業は売上を伸ばすことは難しいと思いますし、もうひとつのアーニングズ・モーメンタムの企業のほうも市場の拡大を通じて売上が伸びていきますから、共通して言えることだと思います。

 

村藤   銘柄を選択するにあたって他にご覧になる指標というのはありますか?

佐久間  財務指標などから得られる数量的な判断基準以外にも、経営改革やリストラクチャリングが進んでいるかというような形成的な面も非常に重視しています。

 

村藤   今の日本の企業をみると、ある意味では、皆、リストラクチャリングのようにも見えるのですが、具体的にはどういうところが経営改革、リストラクをしているから買おうかということになるのですか?

佐久間  今の段階では大きい企業も小さい企業も日本中のあらゆる企業がリストラはやらなければならない状況にあるので、当然、やっているとは思うのですが、この段階におよぶまでに、経営改革やリストラクチャリングができているかどうかが非常に重要なことだと思っています。逆に、悪い例をあげれば、ある大手総合電機の会社にいたっては先日大幅な最終赤字を発表しているのですが、経営改革、リストラクチャリングが遅れた結果、その企業の最も重要であるテクノロジーのR&D、研究開発投資とか、必要な戦略的な設備投資、将来の成長にむけるための投資をここ削減せざるを得ないというとこに手がつけられますと、将来の成長性に大きなマイナスになると思います。こういったところが、今、悪い例をあげましたが、経営改革やリストラクチャリングが進んでいる企業はこういった不況化でも戦略的な投資ができるということでその辺を非常に重視すべきだと考えています。

 

村藤   なるほど、いち早く経営改革やリストラに取り組んだかどうかで、今ごろ遅ればせながらとやっているところは、ちょっと危険だと。昔からやっていて、今相当進んだというところが買いだということですね。先ほど、売上の成長とおっしゃいましたが、営業利益だとか、経常利益だとか、当期利益だとか、利益のあたりではどのへんを一番重視していますか?

佐久間  マージンという意味では、営業利益率、グロスマージンつまり売上高総利益率ですね、これをかなり重視しています。一般的に、サービス業など販管費がコストとして高い企業については営業利益率の水準そして傾向ですね、そして製造業、直接ものを作っている企業についてはグロスマージン(売上高総利益率)の水準と傾向を重視しています。

 

藤村   製造業についてはグロスマージンつまり売上高総利益率ということで売上から各製造コストをひいたものを見ているとのことですが、その後に販売管理に関わる費用がかかるわけで、どっちみち営業利益になってしまうとかにならないでしょうか?

佐久間  製造業の場合には、競争力、もっと厳密な言い方をすると価格決定力、これがはっきり現れてくるのはグロスマージンだと思うのですが、付加価値の低いコモディティものだと簡単に価格が下がってしまう。そうすると、すぐにグロスマージンの悪化として現れてきますので、そうでなくより付加価値が高く競争力の高い製品を作って売っている企業については高い水準でグロスマージンが維持できるし、さらによい場合にはグロスマージンがより高い水準に改善していくという傾向が見られると思います。

 

藤村   来期から会計基準が変わりまして連結決算が日本企業としてもメインになるということで連結キャッシュフローというようなものもみんな開示しなければならないと思いますが、キャッシュフローについてはどう見てますか?

佐久間  重視しています。

 

藤村   今まで見えなかった部分がグループとして見えるということで、このへんはぜひ見たいというところはありますか?

佐久間  そうですね、財務基盤がバランスシート上から一見して弱いところに関しては、よく言われますが、黒字で配当を出しながら倒産してしまうということを避けるためには、キャッシュフローの動きをよく見ておかなければならないと思いますし、一般的によく言われることですが、キャッシュフローこそが企業価値を決めるという言い方もよくされますし、市場自体がキャッシュフローを重視する以上、まったく見逃すわけにはいかないとおもいます。

 

藤村   資産配分の現状なのですが、今、業界別にはどのへんを中心に投資していますか?

佐久間  成長株という観点で投資しているという事情もありますが、日本のテクノロジーという業界に属する銘柄について、ファンド全体の26%程度をテクノロジー株に投資しています。サービス娯楽セクターに15%程度、医薬品をはじめとしたヘルスケア・セクターに6%程度と、この3業種で全体の5割程度投資しているという形になっています。それから外国株については20%強の組み入れ比率です。

 

藤村   昨今話題の金融セクターはいかがですか?

佐久間  金融セクターですが、1年ほど前には僅かに銀行株を保有してました。その当時は金融株を含めて、ある程度の分散投資という観点から保有する必要があると思ったのですが、この夏、僅かに残っていた金融株を売却しました。これは、分散投資から来るメリットより保有していることによるデメリットのほうが非常に大きくなると考えまして、今現在は金融株は保有していません。

 

藤村   なるほど、前期末で金融セクターは何パーセント程度だったのですか?

佐久間  10%程度だったと思います。

 

藤村   そうですか、10%でしたか。なかなか厳しい状況ですね。

和泉   いま日本株のことを伺ってきましたが外国についても20%くらい現在、保有しているということで、これはほとんどが米国株ですか?

佐久間  そうです。

 

和泉  これはどうしてですか?ずうっと順調だったからですか?

佐久間  外国株については、日本株をコアとして、追加的にリターンを得る、まあ補完的な役割で考えているのですが、外国株式部分については、たとえば、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、こういったところの地域に投資するという考え方ではなく、あくまでも成長性の高い個別銘柄に投資するという観点から投資しているわけなのですが、そういったアプローチをした場合、ヨーロッパ企業やアジア企業よりもアメリカ企業のほうがより成長性が高く投資魅力が高い銘柄が多かった、その結果、大半がアメリカ企業、アメリカ株となっています。

 

和泉   10月にはいってヘッジファンドの影響もあってか為替が荒っぽい動きとなっていますが、こういった中で外貨建てのものを運用していくのは大変難しいのではないかと思うのですが?

佐久間  為替については、ある程度ヘッジをしています。10月中旬にヘッジを開始しまして、現在は外貨建て部分の6割強をヘッジしている状況なのですが、私自身の円ドル相場の見とおしは、数ヶ月前に日米協調介入があったわけですが、そのときの相場は140円台半ばだったと思いますが、そのあたりが円が売られすぎたというか、日本の将来に対する悲観論が相当先まで織り込まれて行ったわけで、逆にアメリカは国内景気がファンダメンタルが相当良かったわけで楽観論が強く、その格差があったと思います。ただし、アジア、ロシア、中南米、こういったところの影響で、アメリカのファンダメンタルズについても悪化がみえてきてえ、この格差が、日本についても悪いのですが、アメリカの楽観論も下向きになってきている。こういったことからすれば150円を抜けるというのは行き過ぎだなあと考えています。

 

藤村   NY株式市場の見とおしはどうですか?そろそろ調整局面では?

佐久間  一ヶ月前までは調整局面だという考え方を取っていたのですが、これはただの調整ではないな、かなり長引きそうだと思っています。というのは、アメリカ株の中でも金融株の下がり方が普通ではない、非常に大きな下げ方をしています。マネーセンター・バンク、証券会社の株式が非常に大きな下げ方をしてます。アメリカ国内、今現在は景気が良くても銀行のバランスシートが悪化してくることによって、信用収縮が起こりかねないというように思います。一国のマーケットの中で金融株が非常に悪いパフォーマンスをしているなかで、マーケットが逆行高といいますか、金融株だけを取り残してマーケット全体が上がっていくというのは非常に不自然な動きだと思いますので、そういったところからアメリカ株についても非常にコーシャスな見方をしています。

 

藤村   金融株がアメリカの銀行を中心として相当売られたというのは、LTCMをはじめとしてロシアやラテンアメリカ、あのへんがやられたせいだということで、短期的なものではないかという説もありますが相当長期に伸びそうだというふうにみているわけですね。

佐久間  ヘッジファンドに対するエクスポージャーは各銀行が発表していますが正確なところはわからないというのが、やはりあると思います。一部の銀行については配当利回りが7%水準もあるというにもかかわらず、株価が下げ止まらない。これは、まさに、アメリカの金融機関についてはジャンク債の利回りと同じ感覚で配当利回りが付けられているのではないかと思います。

 

藤村   アメリカの株がそろそろあぶなそうだということで、何かファンドとしての対応はとられましたか?

佐久間  従来までアメリカ株20%強組み入れていたのですが、10%強までかなり大幅に組み入れ比率を引き下げました。

 

藤村   アメリカ株を売って日本株にまわしたということですか?

佐久間  現在はキャッシュで運用しています。つまり短期金融商品で運用しています。日本株についても一向に改善する兆しが見えてこないということと、短期的にいっても外国人中心に売り圧力が強いですから、ただちに買いに入るタイミングではないと考えています。

 

和泉   先ほど、地域に投資しているのではない、個別の企業の力を見ているのだとおっしゃっていましたが、しろうとからみると、アメリカの次はヨーロッパに行くのかなと思いまして、30%以内であれば外国の株式組み入れられるわけですよね。そのあたり、アメリカからヨーロッパにスイッチするとかヨーロッパ企業の力とかはどのようにごらんになっているのですか?

佐久間  これまで外国株式の部分の大半をアメリカ企業に投資してきたのは個々の企業の競争力を見た場合にヨーロッパの企業よりもアメリカの企業のほうが非常に成長力が高く、そして、すそのも非常に広いと考えています。たとえば、成長力の最も典型的なテクノロジーのセクターでいいますと、ヨーロッパでグローバルベースで競争力の高い企業と言いますと、片手程度ではないかと私は思っているのですが、一方、アメリカのテクノロジーの企業で世界的な競争力を持った会社は非常にたくさんあると思います。そういった観点から、アメリカ株中心に投資してきました。

 

藤村   ヨーロッパの片手というとどんなところですか?

佐久間  たとえば、ソフトウエアのSAPとか、携帯電話のノキア、エリクソン、こういった企業に限定されるのではと思いますが。

 

藤村   ファンドの大きさは?

佐久間  純資産ベースで40億円程度です。

 

藤村   ピークはどのくらいあったのですか?

佐久間  過去3年から5年のところで300億円程度の規模がありましたが、もっと古いバブル崩壊前にさかのぼれば、もっと大きいかったこともありました。

 

藤村   減った原因は日本の株式市場の調子が悪いということですか?

佐久間  そこに一番大きな原因があると思います。

 

藤村   ファンドの実績はいかがなものでしょうか?

佐久間  グラフを見ていただきたいのですが、青の線が基準価格で赤の線が東証株価指数、これを過去5年間指数化したグラフなのですが、93年の8月を100として直近の98年8月までで、基準価格が東証株価指数をかなり大幅にアウトパフォームしていることが言えます。

 

藤村   特に最近ファンドのパフォーマンスがTOPIXを上回っているようなのですが、佐久間さんがファンドマネージャーをはじめられたのはいつ頃なのですか?

佐久間  97年の4月からこのファンドを担当しています。

 

藤村   ちょうど、ファンドのパフォーマンスがTOPIXを上回ったころですね。数字で言うとどのくらいになりますか?

佐久間  基準価格の騰落率ランキングで証券投資信託協会から毎月発表されているものですが国内株式投資型ファンドの中で、過去5年、過去3年、過去1年、過去6ヶ月のランキングを示しています。過去5年では対象ファンド99本中3位、過去3年では132本中2位、過去1年では198本中1位、という結果になっています。

 

藤村   過去6ヶ月の10.7%で一位ですばらしいというのはよくわかるのですが、過去1年でマイナス0.2%で一位。投資家からすれば200もファンドがあってすごいなと思うのですが、しかし、銀行預金、郵便貯金ならプラスだ。このマイナスというのはどういうふうに考えたらいいのか?

佐久間  現実に投信を保有されているお客様の多くが求められているのは、現実問題としてはプラスのリターン、特に、銀行預金とか郵便貯金を上回るリターンを狙っていると思いますので、そういう意味でランキングがトップとはいってもマイナスのリターンであってはお客様にとっては必ずしも満足ではなかったかと思います。

 

藤村   佐久間さんがいかによく運用されても、ある意味では相当の部分が今後の国内株式市場の見とおしにかかってくると思うのですが、日本株の見とおしはどうなのですか?

佐久間  日経平均で1万2千円だとか1万3千円まで下がったら割安だとか、時間的には6ヶ月以内にボトムを打てば割安だとか、具体的なことが言えればいいのですが、現在の不況というのはサイクルによるものというよりは構造的な不況ですから金利と株価の関係でフェア・バリューというものがなかなか求めつらいと思います。したがって、いくらまで下がったら株価が割安であるとか、どれくらいになったら在庫調整が終わって景気が上向いてくるとかは非常に予測が不可能なので当分今言えることは、厳しい状況が続くとしか申し上げられないと思います。

 

和泉   そういった厳しい環境の中で、佐久間さんとしては日本株一般型のなかで勝負していくわけですが、最後に、どんな戦略で対処されてゆくのか教えていただければと思うのですが。

佐久間  常々、会社訪問とかアナリスト・ミーティングに積極的に参加して、銘柄の発掘を行っているのですが、今現在の財務諸表を見るだけでは、それから足元の業績をみるだけでは、ほぼ全てが悪いと行っても過言ではないという状況なので、こういった不況下でも戦略的な投資とか経営改革・リストラクチュアリングはどこがすすんでいるかなどに注目していって、景気全体が上向いてきたときに、そういった銘柄の株価上昇が大きく期待できるのではと思いまして、そういった銘柄を地道に拾っていくという戦略で投資していきます。

 

藤村   ちなみに、佐久間さんのファンドはどこで買えるのですか?

佐久間  勧角証券と山種証券を通じて販売しておりますし、私どもの会社でも直接販売を行っています。

 

藤村   全体としては相当日本の株式市場の見とおしが暗いなか、佐久間さん、大変なご苦労をされていると思いますが、その中で、ぜひ柔軟な感覚を生かしてよい銘柄を発掘していただいて、よいパフォーマンスを保っていただきたいと思います。

 


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