インタビュー

ジョン・アルカイヤ氏(モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信株式会社社長)

「グローバル・アグレッシブ・オープン」

 

このインタビューは、衛星放送ビジネスブレークスルーの「Meet the Fund Manager」において放送されたものです。(収録日1998年10月30日)

 

(番組の司会はCFPの和泉昭子氏、解説は財務コンサルタントの村藤功氏。)


和泉   モルガン・スタンレー・アセット・マネジメント投信の社長で東京オフィスのすべてのファンドの総責任者であるジョン・アルカイヤさんをお招きしています。

 

村藤   モルガン・スタンレーというとむかしからゴールドマン・サックスやCSファースト・ボストンとならんで法人業務でナンバーワンを争ってきた会社だと思うのですが、この前ディーン・ウィッターと合併されまし たよね。これはアセットマネジメント上ではどのような影響が出たのですか?

アルカイヤ    ご存知かもしれませんが、モルガン・スタンレーはアメリカから見て海外で比較的力があった会社です。実は合併の前は、モルガン・スタンレー・グループの全体の収入のうち約半分がアメリカの外からきていたのです。結構これは金融界では珍しいことだと思います。一方、ディーン・ウィッター証券はアメリカの国内だけで仕事をやってきた国内の証券会社で営業体が約1万800名ディーン・ウィッターでいます。ご存知のとおり、アメリカはこの十数年ミューチャルファンド・ブームが続いており、最近は、個人の金融資産のほとんどが投信に流れていっている状態です。ですからディーンウィッターの営業体はアセット・ギャザリングあるいはアセット・コレクションに非常に強いということです。モルガン・スタンレーのアセット・マネジメントそしてディーン・ウィッターのインター・キャピタルのアセットマネジメント会社の2つを合わせまして約50兆の運用規模ですから、このリテール部隊というのはアセットを集めるための大切な部隊だと考えていただきたいと思います。

 

村藤   アルカイヤさんは日本人と同じような日本語を話されますが、日本との関わりは?

アルカイヤ   日本に18歳の時までいまして、また、社会人としても十数年いますから、、、

 

村藤   お生まれも日本なのですか?

アルカイヤ   はい。神戸で生まれました。留学で大学、大学院を終えてモルガンスタンレーの本社のあるニューヨークに約5年、そして85年から現在まで東京勤務ということです。

 

村藤   モルガンスタンレーには何年ぐらいいるのですか?

アルカイヤ   今年で18年目です。同じ業界、同じ会社です。

 

和泉   主な担当分野は?

アルカイヤ   主に海外株、アメリカから見ると国内株ですが日本から見ると海外株ですね、それから日本株、先物、ワラントを担当し93年に投資顧問に移りまして、こちらの立ち上げからいます。

 

村藤 今日のグローバル・アグレッシブ・オープンというファンドなのですが、普通のファンドとくらべて一番の特徴というのは何ですか?

アルカイヤ   かなり明確な特徴があると思います。というのは、普通の投信ですと、どういったアセットクラスつまり資産に投資するかが明確にわかると思います。たとえば、日本株だとか海外の債券、海外の株式というようにわかれてます。ベンチマークも意外とはっきりしてると思います。ただこのファンドの場合は、海外、国内、マクロ、ミクロ、すべての動くものについて投資をしていくボラティリティがあるもの、変動性があるものに対してわれわれが強気か弱気かによって賭けをするというファンドです。

 

村藤   なんでもアリなのですね。

アルカイヤ   そうですね。ベンチマークも明確にしなければなりませんので、私どもは、お客様の一万円、これはファンド一万円の基準価格から半年ごとにスタートしますから、これがいちおう私たちのベンチマークと意識しています。みなさまの一万円を半年ごとにいかに伸ばしていけるかが最大のチャレンジです。

 

和泉   ベンチマークが一万円というのは珍しいですね。

村藤   これは一万円ではじめて、どんどん上がっていくのではないのですか?

アルカイヤ   いや、下がるときもありますよ。配当金が出ませんが。2年間このファンド走ってますけど、だいたい年に2回われわれ努力しまして配当しまして、また基準価格を一万円に戻していくというのが基本的な考え方です。

 

村藤   なるほど。一万円からスターとして儲かった分を全部配当して、一万円にまた戻ってスタートということで投資家としては一万からどれだけ設けたか簡単にわかるというわけですね。儲かるものには何でも賭けるということですが、ある意味ではお金をもうけるためにはあたりまえという気もするのですが、こういうファンドは日本ではあまり聞かないですね。日本の証券会社は同じようなファンドやっているのですか?

アルカイヤ   私が知っている限りではこういうファンドはないと思います。逆に、なぜ投信を買うかというと、専門家に自分のできないようなことをやってもらうために投資するのだと思うのですが、後でどういう商いをやっているか説明しますが、個人のお客様でも、機関投資家さんでも、世界の総合力がないとやりにくいのではないかと思います。これはまた、個別株とか先物市場とか通貨、ボラティリティが高いものに投資していくことが特徴だと思います。

 

和泉   究極の投資信託ですよね。ほんとにプロにおまかせするということで、そのファンドマネージャーや会社にいろいろなこと託すということそのものですよね。

村藤   世界中のいろいろな市場の動きを把握していないとできないことなので、モルガンスタンレーならではという感じですね。外資系の金融機関でもこういうファンドはあまりないのですか?

アルカイヤ   私が知っている限りはないと思います。もちろんアセット・アロケーションのファンドはいくつかあると思います。株と債券の比率、株では世界の何十国の間の比率を変えながらアセット・アロケーションをやっていくというのはあると思いますが、それだけではなく、通貨、個別銘柄にしろ、たとえば、個別銘柄ではひとつの銘柄にファンド基準価格の一割まで投資できます。こういうことを実は何回もやってきまして、失敗した時もありますし、成功したときもあります。

 

村藤   今、世界の株式市場は上がる一方でもないという大変厳しい状況であると思うのですが、このファンドの場合は下がるときでも儲けられるというわけですか?

アルカイヤ   株式でも債券でもアセットクラスにはトレンドが出ることがあると思います。よく相場の3つの道があると言われてまして、上り坂、下り坂、そして先月の為替の”まさか”という3つの坂があると思います。私どもは、上り坂、下り坂には賭けますが、”まさか”というのには賭けません。

 

村藤   今のファンドの状況ですが、やはり株式市場が上がると儲かるほうに賭けられているのですか?

アルカイヤ   過去2ヶ月間は次々と”まさか”の世界が出てきました。ソ連の問題もありましたし、ヘッジファンドのレバレッジを減らす動きがあって為替もあらっぽい動きが続いてまして、ニューヨーク市場もかなりボラティリティが高まってます。こういうときには、あまり大きな賭けをしたくないというのが我々の考えです。一旦、安定すれば、またトレンドが見えると思いますので、結構大きな賭けはしていません。実は、おととい閉じたポジションで115円から円安にくると思いまして119円まで円安のベットを少しやりましたし、最近ではイギリス株が割安だという考えを持っていましたのでイギリス株の先物を少し買ったり、つい先週ですとNTTドコモが上場したときにファンドに組み入れまして基準価格で一割上昇した初日で全部売りました。あまり大きな賭けよりも、一塁打のヒットをやるようなかたちでファンドをやっています。

 

村藤   先日LTCMが破綻するとかヘッジファンドが問題になってますがアルカイヤさんのファンドの場合借り入れ、あるいは、レバレッジはどのへんまでしかいけないとかのきまりはあるのですか?

アルカイヤ   LTCMの場合は新聞にも出ていましたがレバレッジを100倍近くにあげてまして非常に特色があったと思いますが、私どもの場合は日本の規制の中でやっていかないといけませんので、大蔵省の場合は、キャピタルの4倍までというルールがあります。ですから、100億ファンドの基準価格なら400億までレバレッジをかけてできます。ただ、レバレッジをひとつのアセットクラスにかけると非常に危険ですので、我々はモルガンスタンレー・グループで独自に開発したVAR(バリュー・アット・リスク)というリスクをモニターするシステムがありまして、ひとつひとつのアセットクラスではどういうリスク、そして相関関係をあわせたらどういうリスクになるかというのを毎日モニターしながらレバレッジをかけます。今まで最大で約3.5倍くらいです。

 

村藤   投資されるオポテューニティなのですが、過去の例をお聞かせ願えますか?

アルカイヤ   ファンドの出足で最大の失敗があったことから話しましょう。2年間、当時、日本の長期国債の利回りが2.2、3%の時ですが、これこそ”まさか”ではないですが、こういう低金利水準は全世界の歴史の中でも低い水準で、そのうえ日本の経済も少し戻るのではという意見もありましたので、日本の債券のショート・ポジションを取りましてファンド基準価格にマイナスの影響を与えました。

 

村藤   日本の経済は思ったよりも悪かったということで金利が”まさか”で、さらに下がったというわけですね。

アルカイヤ   1%をきるような状況で、私ども、それこそ、他の世界の金利状況とか比較してみてますと、ほんとにこの金利水準は低すぎると考えてましたので、それが一番の失敗かもしれません。

 

村藤   他にも失敗例はあるのですか?

アルカイヤ   もうひとつの失敗は、ギリシャの銀行に投資しまして少し失敗しました。ヨーロッパ連合が今年の終わりにありますので、ヨーロッパの国々の通貨とか、特に金融関係に銀行とかはメリットを受けるはずなのです。そこで、判断ミスがありました。もちろん、すぐにポジションを閉じましたのでファンドには大きなマイナスの影響はなかったです。逆に成功例としますと、アメリカの金利が逆に下がると我々は考えていましたので約半年前くらいからアメリカの長期債30年物の先物を買って金利低下を待つ、その当時、長期国債の利回りが5%を割るというコンセンサスは出てなかったと思います。で、ご存知のとおり5%を割りましたので、これはひとつの成功例かもしれません。マクロをいろいろと見てきましたので、この半年間で一番重要だったアセット・アロケーションは株から減らして債券にシフトしたことで、これは大正解だったかもしれません。

 

村藤   この2年間で一番儲けたことは?

アルカイヤ   去年の10月から12月にかけて安田信託銀行株を買いました。160円くらいから買い始めて、80円を切ったときにもう一度買い増してファンドの一割までいきました。それを230円から250円で売りましたので、倍まではいきませんでしたが、2,3ヶ月の投資ではかなり良かったのではないでしょうか。

 

村藤   何か見通しがあったのですか?

アルカイヤ   見通しというか、安田信託の財務状況を知っていたというつもりでしたし、特に去年の12月山一さんがこうなったあと金融株が下げましたので、80円や90円の水準でしたら日本株の1月、2月での戻りへの期待感もありましたので、建設株や銀行株が戻るのではということで、買いました。

 

村藤   グローバルなファンドですが日本株で儲けたのですね、、、

アルカイヤ   実は、日本語ではなんと言うかわからないですが、ファンドのアットリビューション・アナラシスをやってみますと日本株で結構儲けました。個別銘柄では野村證券を去年の5月くらいに1300円で買って1600円で売ったとか、日産自動車、アマダとか短期で1割とか一割五部とか儲けたことがあります。

 

和泉   プロにお任せするとそれだけうまく行くということなのですね。素人が見ますとずっと下げトレンドだけのようにみえますが、、、

村藤   アルカイヤさんのファンドだと下げるときも儲けられることがあるということですよね。

アルカイヤ   そうです。

 

村藤   そうすると投資家さんとしては株式市場が上がったといって喜んでいいのか、下がったといって喜んでいいのか、ちょっとわからないというふうにみえますが、、、

アルカイヤ   おっしゃるとおりだと思います。

 

村藤   そのへんで、どういう時に、喜んだり、悲しんだりするのでしょうか?

アルカイヤ   このファンドはハイリスク、ハイリターンのファンドです。これは間違いありません。ファンドと他のアセットクラスとの相関関係を見ていただければおわかりになると思いますが、このファンドと世界の株式、日本の株式、アジアの株式、を見てみますと、ほとんどマイナスの相関なのです。つまり、このファンドと持つことによって他のアセットクラスの逆にヘッジになる。

 

和泉   逆の動きをするということですね

アルカイヤ   そうです。ですからこのファンドには2つのお客さんの種類がいると思います。ひとつは、他のものを持っててこのファンドを持つことによって、他のものに対するリスクが下がるということです。もうひとつは、これは不思議なのですが、相場が好きな人い売れてると思うのです。実は販売証券会社さんは国際証券でありまして、毎日12時に国際さんに我々のファンドの中身・明細を教えているのです。そして国際証券さんの投信窓口がこれを全店に流して営業の方が聞いて、毎日、ファンドがどういう投資をして、どういうものを持っているか、どういう考えを持っているかをご説明しています。

 

村藤   お客さんとしてもわかるわけですね。

アルカイヤ   国際の営業の方に聞けばわかるはずです。

 

村藤   モルガンスタンレーが今グローバルでどんな投資をしているかが国際証券さんに聞くとすべてわかってしまうわけですね。

アルカイヤ   正しい判断かどうかは別といたしまして、わたしどもの会長でありますバートン・ヴィックスは11月で67歳になる大ベテランの会長でこの道四十数年ですが、私どもといっしょにコミッティーにはいっておりまして、歳のこともあるのでしょうが非常に逆バリがすきなのです。投資哲学はいろいろあると思いますが、一番儲かるのは「麦藁帽を冬に買う」ということですね。真夏でみんながほしい時は値段もそれなりに付いているのですが、みんなが見てないとき、バーゲンセールになっているときが買い得だということです。

 

村藤   これはなかなか日本人はできないのことですね。上がるとみんな買いたくなってしまい、下がると売りたくなってしまう。

アルカイヤ   それは万国共通だと思います。ただいろいろなマクロ、ミクロ、個別銘柄Rの投資をしてますので世界の中でどれが一番今から動くか、上に動くか下に動くかは別にして、見えるのではないかと思います。

 

村藤   だいたい同時にいくつぐらいのオプチュニティに賭けられているのですか?

アルカイヤ   ひとつのオポチュニティにキャピタルの2倍まで賭けるときは相当自信があるときですね。JGBの先物をショートしたときはそれくらい賭けまして、同じように通貨が円安になると去年からおもってまして、、、、ご質問にお答えしますと、ひとつのアセットクラスで現時点から何パーセント上がるか下がるか、だいたい我々一割から2割のリターンが期待できなければ投資をしません。それをひとつではなく、平均で、5つから10個の投資にわけています。アメリカではことわざがありまして「Don't Put Your Eggs in One Basket.」といいますが、このファンドの特徴は「Put Your eggs in a few Baskets, and Watch those Baskets Carefully.」ですからアメリカ株にだけどんと入れるのではなく日本株だけにどんといれるのではなくいくつかの明確なバスケットにわけてそれを慎重に見るということです。

 

和泉   「ひとつの籠にたまごを盛るな」ということわざがわるが、そうではなくいくつかの籠にわけて、さらに、注意深く見ていなさい、というわけですね。

村藤   だいたい5から10個ということですが、持っている期間というのはどのくらいですか?一週間、2週間でぐるぐる行くのか1年間もっているのか?

アルカイヤ   投資する前に期待リターンを考えます。その期待リターンを達成するか、よっぽどファンダメンタルの変化がなければ売りません。ですから先ほどのNTTではないですが、一日で我々のターゲットリターンを取りましたので一日で売ることもあります。一番長く持ってたのは為替の円が安くなるというベットで3ヶ月とか4ヶ月とかポジションを持って、ポジションを調整しながら最初から最後まで持っていました。

 

村藤   グローバルで何にでもいいものには投資しようということですが、グローバル全体の市場を見ていくことは非常に大変なことだと思います。モルガンスタンレーさんの知識をもってしてできることだと思うのですが、運用体制というのは東京では何人くらいいるのですか?

アルカイヤ   東京でこのファンドに直接関係あるメンバーは4人います。アナリストが2名、私が最高責任者で、もうひとり辰巳というものがファンドマネージャーをやっておりまして、外出とか休みとかがあっても、だれか一人は東京にこのファンドを知っている人がいますし、今のポートフォリオの考え方を知っている人がいます。ニューヨークにはアセット・アロケーションコミッティ、先ほどご紹介した会長がチェアマンをやっていますが、そこでは6,7名のメンバーが、東京、シンガポール、インド、ロンドン、そしてエマージングのほうから情報をすべてアセットアロケーション・コミティで吸い上げてアセット・アロケーション商品のアセット・アロケーションを行います。そこからもアイディアが生まれてきます。ですから多いときですと、記録に残るためe−mailでやっていますが、もちろん議論があるときには電話でやるのですが、e-mailで一日に4,5回東京時間でアイディアの交換をやりますのでニューヨークでこのファンドにはりついているメンバーは夜中の一時とか2時とかにおきている方もいます。

 

村藤   投資家にとっては儲かっているかどうかが気になるところですが、過去2年のパフォーマンスのほうはいかがですか?

アルカイヤ   過去1年間、9月30日現在で遡りますと32%、過去半年で遡りますと約15%。現在の基準価格をあわせまして過去2年間通してみますと約2割となります。

 

村藤   ここ1年間で好調な理由は、先ほどここでも少し述べられましたが、、、

アルカイヤ   今年は、儲けたというよりも損を減らしたという見方が正しいのではと思います。最初の出だしで先物の件がありましたので9月に入る前にこのファンドのレバレッジを大きく減らしました。3つ理由がありまして、ひとつは夏休みにはいるので大きなポジションを取ると流動性の問題もあります、ロシアの問題がある前からニューヨークの相場も少しおかしかったので全ポジションを減らそうということになりました。で、夏休みもありました。春からけっこう順調に動いてましたのでお客様に配当金をなるべく多めに出したいと考えてましたので、9月15日の配当に備えてファンドのレバレッジを下げたということですから、特に8月、9月は非常に難しい投資環境だったのですが、それを避けたということが逆に儲けたというよりも損を減らすことができた原因かもしれません。

 

村藤   配当は過去1年どのように出されたのですか?

アルカイヤ   最初の1年目はほぼ出なかったです。今年に入りまして3月と9月に2度、約1700円です。

 

村藤   一万円に対してですから17,8%ということですか。

和泉   最初にお話がありましたが、配当金を出してまた1万円に戻るということですね。

アルカイヤ   そうです。こういう特徴のファンドですから、明確にベンチマーク、つまり、われわれが良くやったかというのはわかりにくいですよ。日本株だったらトピックスだとかありますけど、このファンドのものさしはお客様の一万円です。一万円をなんぼ伸ばせるかということです。

 

和泉   ベンチマークに勝っていなければと投資家としては思いますが、一万円に対して分配金がいくら帰ってきたかという点では、わかりやすいですよね。

村藤   ファンドの純資産額はどのくらいですか?

アルカイヤ   41億円で、そんなに大きくありません。私どもは投信の仕事を短期の仕事と思っていませんし、それこそマゼランファンドも一時何十億の時もあったことですから、お客様にこのファンドの内容を理解していただいて実績をあげればアセットも自然に伸びると思います。

 

村藤   モルガン・スタンレーのニューヨークにもグローバルのいいところに投資しようというファンドもあると思うのですが、、、、

アルカイヤ   こういうファンドはありません。国内の投信でもこういったものはないし、アメリカの場合でも投信の法律みたいなものがありまして、純資産の30%くらいしかパブリック・オファリングのファンドではレバレッジをかけることができないのです。モルガンスタンレーとしてはアセットアロケーションの商品はいくつか持ってますが、このようにレバレッジをかけるものはありません。

 

村藤   これは日本だけですか?ロンドンとか香港にもないのですか?

アルカイヤ   まさしく日本だけです。

 

村藤   それはすごいですね。これはアルカイヤさんのアイデアですか?

アルカイヤ   そうです。

 

村藤   その趣旨は、日本の投資家のみなさまにもグローバルなオポチュニティを提供してあげようかというものですか?

アルカイヤ   そうですね。投信は日本国内で6千本近くかそれ以上あると思いますが、恐らくほとんどが似たような物だと思います。最近、グローバルものが人気ありましたし、つい最近までは円安の時代ですから外物はなにを買っても儲かった時代があったとは思いますが、やはり一時的な現象が落ち着いてきたら、お客さんとしては、ファンドの選択をする際に、特徴があるファンド、実績があるファンド、プロセスが明確なファンドに目を向けると思います。最近、第三者の視点でファンドを見る会社がでてきていますが、かなり高い評価をいただいています。

 

和泉   モーニングスターさんの評価でも5つ星をもらっており最高の星ということですね。

村藤   これはどこで買えるのでしたっけ?

アルカイヤ   いまのところ国際証券さんだけです。

 

村藤   モルガンスタンレーさんから直接買うということはできないのですか?

アルカイヤ   あにく私ども日本では個人のお客様の仕事をやっていませんので、日本では卸の仕事ですから、証券会社さん銀行さんにお願いしています。

 

村藤   一口いくらから買えるのですか?

アルカイヤ   一口1万円で最低10口ですから、10万円から買えます。10万円で世界が買えるということです。

 

村藤   手数料は高いでしょうね?

アルカイヤ   証券会社さんがいただく手数料が3.5%、私ども運用会社がいただく手数料である顧問料は1.5%。恐らく販売手数料が高い理由はいろいろあるでしょうが、今債券もののファンドでも3.5%取るところもあるようですが、私どもは国際さんとも相談したのですが、このファンドを販売していただく証券会社の営業のかたはかなりレベルの高い方、そして結構勉強しないとお客様に明確に説明できないと思うのです。

 

村藤   世界中のことを説明するのは並大抵なことではないですよね。

アルカイヤ   MMFとかリスクが低い商品ですと説明がそう大変ではないと思いますが、リスクが多くて、いろいろな投資をしている場合、結構知識が高くなければいけない。それにも営業の方の勉強の時間とかコストがかかると思いますね。私どもがいただく顧問料についても、1.5%は高いほうなのですが、ここまで全世界のモルガンスタンレー・ディーンウィッターの組織の総力をあげてやっているわけですから、その上リスクコントロールとかコストが結構かかるものですから、このくらいいただいているわけです。

 

和泉   アルカイヤさんの自信が垣間見られるという感じがするのですが、確かに、お話を伺ってますと、私たちポートフォリオを組もうとしますと、投資信託は似たようなものが多くて世界株が多くて、あとは少し日本株を入れてみようか、ヨーロッパこれからいいかもしれないとか、程度の買い方で、あとは少し丁寧なファンドを入れるくらいしか選択肢がないと思っていたのですが、このようなユニークなものを入れることによって、またべつの値動きを楽しむことができるというわけですね。

村藤   今のところ投資家さんは機関投資家と個人の比率はどのくらいなのですか?

アルカイヤ   私が知っている限りすべてが個人のお客様です。

 

村藤   結構、個人として買うにはハイリスクではということは?

アルカイヤ   どうでしょうか、日経平均のファンド買っていらっしゃる方もいらっしゃるから、、、、

 

和泉   スタンスとしては長期保有で

アルカイヤ   そうです。ファンドの買い方でいちばんよくないのはスポット型で、今相場がいいから、今タイミングがいいからという買い方、これはよくないと思います。

 

和泉   いっぺんに、たくさんのお金をつぎ込んでしまうということですね。

アルカイヤ   これはよくない買い方です。この投信に限らず、よくドル平均法といわれますが、四半期ごととか毎月ですとか同じ金額で買っていきますと、平均のコストも下がるし長期保有にもなると思います。一般論ですが、、、

 

和泉   究極の投資信託ということでアルカイヤさんを信じて託すというわけですね。

アルカイヤ   私ということでなく、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッターという組織に託すと考えていただきたいと思います。

 

和泉   どうもありがとうございました。

 


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