インタビュー

 

森本喜也氏(日本投信委託株式会社 運用第一部 主任)

「日本グロースオープン」の運用について

 

このインタビューは、衛星放送ビジネスブレークスルーの「Meet the Fund Manager」において放送されたものです。(収録日1998年11月12日)

 

(番組の司会はCFPの和泉昭子氏、解説は財務コンサルタントの村藤功氏。)


和泉: 今回のゲストは日本投信委託のファンドマネージャー森本喜也さんです。よろしくお願いいたします。

 

村藤: 森本さんはファンドマネージャーをされてからどれぐらいになるのですか?

森本: 私は92年の10月からですから、ちょうど6年になります。

 

村藤: 最初からファンドマネージャーをしてやろう、ということで入社したのですか?

森本: いえ、私はちょうど昭和63年に岡三証券に入社し、ファンドマネージャー研修生というような形になりまた。当時岡三証券がこれからお客様の資産を運用する投信や投資顧問という業務が非常に重要になるということで、プロのファンドマネージャーを育成しようと五年間の一貫したカリキュラムを作りました。その五年間の間にあらゆる商品知識でありますとか、幅広い知識を含めて、ファンドマネージャーを作りたいと、いうコースに私が入ったというわけです。

 

和泉: 入社して五年間というのは長いですよね。

村藤: 聞いたことないですよね。ふつうまあ長くても一年とか二年とか。

森本: そうですね。

 

村藤: 森本さんが一期目ですか?前からずっとあった?

森本: 私は三期目ということで実際には86年からスタートしておりました。

 

村藤: 五年というのはだいたいどういうことをおこなうのですか?

森本: そうですね、私の場合は岡三経済研究所に入りまして、企業調査や経済調査といった調査部門をメインに行いました。そのあとで岡三証券の商品本部のほうに行きまして、株式、債券、その他先物を含めたデリバティブなど、専門的な知識を研修しました。そのあとで支店に出ました。お客様にどういうニーズがあるのか、またお客様がどういう考えを持っているのかということが重要ですから、支店で実際に個人の方を中心に営業をおこないました。それからは外資系の投資顧問会社、海外の現地法人など実際にファンドを運用しているところに行って、そのなかで研修を行いました。

 

村藤: 海外はどの辺に行かれたのですか?

森本: 私はバーレーンに行ってまいりました。

 

村藤: バーレーンのほうにはどれくらい行ってらしたんですか?

森本: 半年ぐらいです。

 

和泉: そういったご経験をいろいろお積みになってそして今があるわけですけども、ご自身の運用哲学、といったものはどういったものをお持ちなんですか?

森本: 企業の成長があるところに株式の成長があると言うことが私の根本のポリシーです。ですから、やはり成長性、収益性も含めてその企業が今後伸びていくというところを目指すのが一番投資効率的にいいのではないかというのが私の考え方です。

 

村藤: 森本さんが運用なさっている、日本グロースオープンというファンドですけれども、このグロースというのはなんのグロースなんですか。

森本: はい。これはファンド自体がグロースしていく、成長して大きくなっていくという意味でネーミングしております。

 

村藤: 成長株をどんどん買っていこう、ということとは違うのですか?

森本: 成長株ももちろん投資対象に入っていますけれども、基本的には、成長株投資だけのファンドではありません。

 

和泉: このファンドは日本株を主要対象としているファンドですね。こういったファンドは日本にもたくさんありますけども、特にこの辺が特徴であると言ったところはどんなところなんですか?

森本: まず、私がこういうファンドを作りたいということで企画の段階から決めさせていただいてます。

 

村藤: 森本さんファンドというわけですね。

森本: バブル崩壊前まではどの企業を選んでも収益性もある程度確保でき、いわばインデックス型の運用が一番よかったわけです。しかし、バブルが崩壊してからは銘柄ひとつずつ動きが変わってきました。銘柄間の格差というものが非常に出てきた。その中では日本を網羅して買うよりもむしろひとつずつ銘柄を調べてそういうものを組み合わせていくのがよいということを提案し、今回この日本グロースオープンというものができあがり、これまでに2年半経過したというわけです。

 

村藤: 日本株全体としてみると相当厳しい状態がバブル崩壊以降続いており、全体にかけるというわけにもいかなくなってますね。そういう意味で、個別株でいいものを選んで投資しようという作戦ですね。

森本: はい、そういうことです。

 

和泉: そうするとだいぶ絞り込んで、これぞというものに投資しているわけですね。

森本: はい、(98年)10月末で38銘柄ですし、このファンドのスキーム自体が50銘柄程度に銘柄を絞り込みますとうたっています。基本的にはこのファンドはアクティブです、ということを表に出して作ったファンドです。

 

和泉: ということはほかのファンドと比べてだいぶ少ないんですか?

森本: そうですね。純資産の多少に関わらず、基本的に50銘柄に絞り込むということになっておりますので。

 

和泉: ずいぶん潔いですね。大変ですね。

村藤: ふつうはもっと銘柄数を多く保有しているものなのですか?

森本: そうですね。やはり資産が大きくなればそれだけリスクが出てくるものですので、そのリスクをできるだけ分散させようと投信では考えるのですが、この日本グロースオープンに関してはむしろ絞り込む。ふつうのファンドですと70ですとか多い場合ですと80という銘柄数になるわけですから、かなり絞り込んでいると考えてもらって結構です。

 

村藤: 70、80が30、40に絞り込んでいるというわけですね。最近ファンドといいますとヘッジファンドが大活躍しておりますけど、たとえば海外のLTCMをはじめとしたヘッジファンドなどですと借り入れでレバレッジをあげるとか、あるいはデリバティブでオプションを使うとか、いろいろやっているみたいですけど、森本さんのファンドでは借り入れとかデリバティブでオプションなどを利用していますか。

森本: ファンドは基本的に個別銘柄を積み上げる形になっておりますが、やはりマーケット全体のリスクというのをヘッジする意味で純資産、株式資産ですね、その範囲でヘッジは行います。ただしそれを越えて、つまり100%を越えてだとか借り入れを行ってだとかはこのファンドはできなくなっています。

 

村藤: 純資産を上回った投資をすることはないのですね?

森本: はい、ございません。

 

和泉: 目標にしているものはありますか?ベンチマークみたいなものは?

森本: このファンドに関してはベンチマークというものはもうけてありません。

 

和泉: どういうことですか?

森本: これは、私自身のひとつの考え方でして、最近ベンチマークというものがいろんなファンドにつけられておりますが、お客様に認識されているかに疑問を持っています。例えばマーケットが全体に上昇したということで、そのなかでベンチマークをアウトパフォームしたというのでしたらお客様もわかりやすいと思います。しかし、もし下落した場合に、例えば、マーケットが15%下がりましたと、当ファンドは13%下がりました、というのが果たしてお客様に納得していただけるのかというのが私自身の考え方でございます。それであれば、やはりこのファンドは絶対基準価額水準というのをある程度意識して運用を行うということです。

 

和泉: 絶対基準価額水準というのは、基準価額をとにかく買っていただいたときよりも上げるように成長させていこうということですか?

森本: そうです。

 

和泉: わかりやすくていいですね。

村藤: そうですね。株の選別はだいたいご自分でされているのですか?

 

森本: はい、私が銘柄のほうを全て選ぶということになっております。

村藤: 運用委員会とかがだいたい決めてしまうのではなくて?

森本: そういうことはございません。

 

村藤: 森本さんが決めてるんですね。

森本: そうです。

 

村藤: じゃあ調査とかも森本さんが?

森本: はい。基本的にこのファンドもそうですし、ほかのファンドもそうですけど、一つ一つ会社訪問し、経営者などに会って直接話を伺うというのが一番自分自身信じられますし、一番いいと判断しておりますので、そういう形で行っております。

 

村藤: 投資先ですけれども、どういう業種を中心に投資されているのでしょうか?チャートがあるのでこちらをご覧ください。

森本: 主に電機セクター、化学セクター、薬品、サービスといったところに大きくウェイトをかけているといった状況です。

 

村藤: チャートでいいますと、赤い方が森本さんのファンドが投資しているほうで、青い方が東証一部の割合ですね。これで見ますと森本さんのファンドは電機の割合が大きいですね。三分の一ぐらいが電機ですが、これはどういう意味ですか?

森本: 依然として国内の景気がかなり悪い。外を見ますと欧州、米国、まあ若干景気減速したとはいえ、やはり景気の足元は強い。そういうなかでは電機というのはそれなりにポテンシャルがあるというのが一つです。このバブル以降の円高の時、電機株、まあ電機企業ですけども、円高に対する防衛ということで海外に出たり、コストを思い切って削減したりということでかなり先行してリストラをかけたとことで収益に盤石さは十分にあるということで電機にウェートをかけているということです。

 

村藤: 最近は電機の代表たる東芝、日立、NECだとか軒並みびっくりするほどやられてるといった状況ですが大丈夫ですか?

森本: ええ。私の場合は今非常に東芝にウェートを置いているのですけれども、この東芝を見ますと、一つは半導体の技術ということでNEC、また韓国のサムソンと比べても遜色のないくらいの設備をすでに持っている。しかも次世代の128メガに対してかなりのポテンシャルを握っているということです。それに加えてこの東芝というのは一部の子会社ですけども売却したり、ここにきてあの大きな東芝が動き出したと捉えますと東芝は将来的には大きく変化していくと捉えています。

 

村藤: 二つ目、三つ目としまして、医薬品、化学が相当多いようですけども、これはどういう理由なのでしょう?

森本: ここで化学と出してしまいますと比較的総合化学のイメージが強いのですけれども、そうではなくてここに入っていますのはユニチャームであるとか非常にディフェンシブ、かつ今国際的にどんどん展開を始めている企業というところが多い。医薬品に関してはやはり一つは国内のマーケットオフェンシブというのもありますけども、もう一つは、武田にしてもそうですけどもアメリカの中で積極的に展開して、それがここに来て大きく伸びている。なおかつ事業提携したような新しい技術が規制緩和で簡単に日本に持ってこれる状況になっており非常におもしろい、ということでウェートを上げております。

 

和泉: 実際の組入れ銘柄の一覧を見ていただきましょう。そうしますと今お話に出てきました東芝ですとかユニチャームですとかがずいぶん高い比率で入っているのがわかりますね。

村藤: そうですね。東芝、富士通が入っていて日立、NECが抜けていると。これはどういうわけですかね?

森本: 日立の場合は動きを見ているとつい最近までは重電機三社として日立、東芝、三菱という形でよく言われていたのですけが、ここへ来てこれだけ経営環境が変わってきますと、それぞれのちょっとした動きが大きなギアリングをきかして出てきます。そのなかで日立は比較的この対応が遅かったのかなと・・。そのなかで東芝が先に走ればどんどん格差が開いていくということで日立をはずしています。NECにしてもたとえばパッカード・ベル、米国のパッカード・ベルですけれども、ここがどんどん投資をしてもキャッシュをくっていってしまうというような状況であれば、富士通のアムダールに対する投資の仕方と全く違った結果を生むということで私は日立ではなく東芝、NECではなく富士通という形で銘柄を格差として捉えて投資をしております。

 

村藤: なるほど。イビデンさんとホシデンさんと、これはどういう要素ですか?

森本: イビデン、これに関しては会社が大きく変わったと。会社としては完全にハイテク会社に変貌している。ICパッケージの部分で非常に高い技術力と競争力と、インテル等から信頼されるくらい高い技術力を持っておりますし、生産能力もありますので成長ポテンシャルが高い。ホシデンも技術的には非常に優れいて、なおかつLCD、液晶部門をある程度きれいにもうこれ以上投資しませんという形で明確なストラテジーを出しているということでホシデンもまだ大丈夫というふうに思ってます。

 

村藤: 銀行銘柄は割と少な目なんですか?

森本: そうです。

 

村藤: 住友銀行だけ入っていますが?

森本: はい、そうですね。銀行に関しましては、最近ようやく動き出したということで、公的資金の問題も出ましていくつかの銀行が手を挙げたわけですけども、これが本当にテクニカル的にはある程度公的資金を受けることで変わると。ただ、もう一方で考えますといろいろ事業の提携ということで外銀ですとか国内の銀行同士がタイアップするような形になっていますけども、どうも見てると戦術だけが先行している。そのタイアップの中で次にどう進めていくのかという戦略の部分がまだ見えてこない。そういう意味では銀行についてはまだ投資意欲にまだ欠けるな、ということです。

 

和泉: 本当に38に絞り込んでいるからこそ一目でわかっていいですね。ただ、先ほどの業種別構成のグラフとかを見ますと、投資しているものはかなり高く、東証一部などと比べてもうんと高目なっていますけども、ないところは徹底してないのですね。

森本: ないです。銀行の話が出ましたけれど、素材というふうに捉えますと鉄鋼等は徹底して落としています。いい銘柄を厳選して投資するわけですから、いいものがなければ、ないと。メリハリはきっちりつけると、いうのがこのファンドの特徴でもあります。

 

村藤: 日本株だけで外国株はないようですけれども、このファンドは日本株にしか投資をしてこなかったのでしょうか?

森本: このファンドのスキーム上は30%まで外国株を組み込めます。現状は0です。実際ファンドを設定してから二年半たちますけれども、その間に外国株にも投資しております。

 

村藤: たとえばどの辺の株を買われたのですか?

森本: 一応外国株式に関しては自分なりの銘柄投資のポイントというのを持っております。一つはこれだけグローバル化が進んだわけですから、例えば本田とトヨタを海外のダイムラー・クライスラー、ルノーとか世界に展開している企業と比較して海外銘柄の方が安ければそちらも買う。インターネット銘柄もそうです。日本でまだ事業として上場・公開されている銘柄が少ない。それに対してアメリカでは非常に進んいてヤフー中心にものすごく数がある。もしそのマーケットにポテンシャルがあるのだったら、外国に投資してでもそのポテンシャルの部分をリターンとして取りたいというふうに考えています。

 

村藤: その安い、高いというのはどうやって決めるのですか?

森本: 定量的なものや、様々な財務指標を分析してもそうなんですけど、最近になりますといろんな、EBITDAなどもそうですけれど、国際比較をしやすいようにはなってきているのですが、実際に私が安いと判断するのはむしろ、このファンドは成長性と収益性の両建ですから成長性の面でほんとにいいのかどうかというのをはかって、さらにその中からじゃあルノーなのか、本田なのかということを把握したいということでやっております。

 

村藤: EBITDAてなんだか知っています?

和泉: いいえ。

 

村藤: EBIT、というのが営業利益ですね。Earning Before Interest and Taxと。で、DAというのが、Depreciation and Amortisation と。(EBITDA=支払い利息・税金・減価償却・償却控除前利益)

和泉: よけいわからなくなりましたけれども日本語では?

 

村藤: EBITDAというのは営業利益に原価を足し戻したもので、経常の営業キャッシュフローを見るといった指標ですね。これで見ますと若干ですけども比較しやすくなる。会計基準は各国で違いますから比較しにくい。比較的キャッシュフローのほうが会計的な利益より隠しにくいということが言えます。

 

和泉: そうやってグローバルに見て比較的安いものと、そして日本にはないもの、といいますとでも先ほどインターネット銘柄の話が出ましたけれども、資源など、先ほどバーレーンにいらしたということをききましたけれども、そういったものも日本にはないですよね?

森本: 海外の資源株というのは、石油であれば採掘権であるとか石油自体をもっているという会社が多くてしかもグローバルに展開している。日本の企業にはそういう企業はありませんから、魅力は非常に大きいというふうに思ってます。

 

和泉: そういう魅力的なものがあれば積極的に、30%の範囲内で組み入れていくということですね。

森本: そうです。

 

村藤: 今回もう完全に0にしたと、いうのはどういう理由ですか?

森本: 海外の状況を見ますとかなり割高になってきたということもあり、ちょうど(98年)10月末になる前にある程度売却していきました。そういうことで現状0と。相対的に見て少し割高感が強すぎると思って売却しました。

 

村藤: ファンドの純資産額の推移ですけれども、ここでちょっとチャートを見てもらいましょう。これを見ていますとピークで148億円ですか?

森本: そうですね。平成9年8月になります。

 

村藤: 今がだいたい80億円ぐらい。減ってきたのはやはり日本の株式市場の不振と関係あるのですか?

森本: もちろん、ないわけではない、というのが本音でございます(笑い)。ただこのファンドは32億6千万円で平成8年3月に設立いたしました。当時、マーケットの二極化がまだ注目されていない状況にありましたが、このファンドが格差を重視していく中で、それがだんだん認められるにつれて純資産総額が増えていった。その後、マーケットの動向で減少していったということです。

 

村藤: 設定時32億から148億に増えたというのはすごいですね。ただ株式市場の状況を考えると設定されてからの、つまり96年半ばから今までというのはどちらかというと下げ基調という状況ですね。そういった大変な時代に運用されてった訳ですけれども、(98年)4月くらいから相当市場は下げていますけどもこれはどういうような対応をしたんですか?

森本: これに関しましてはやはり先物である程度ヘッジを行うということで対応はしております。また、先ほどの組み入れ銘柄もそうですけども、企業収益の問題もありましたのでかなり絞り込んで対応しました。

 

村藤: パフォーマンスのところを少し見せていただきたいのですけれども。ちょっとこのチャートを見てみましょう。これを見ると黒い方が森本さんの日本グロースオープンということでトピックスや日経225と比べると大変勝っているという状況です。日経225平均はベンチマークではないとおっしゃいましたけれども、これについてはいかがでしょう?

森本: そうですね。やはり設定当初のお客様というのは1万円で保有していただいているわけですから、これが結果的に日経平均より20%下げ率が低かったからといって決して満足していただけないと思ってます。

 

村藤: 今基準価格はどれぐらいですか?

森本: (98年)11月11日の段階ですけれども9300円ぐらいですね。

 

村藤: なるほど。トピックス、日経225には相当勝ったけれども1万からは少し下がったということですね。まあ全体の市場環境がずっと下げ続けているので勝つのは相当大変だと思うのですけれども、トピックス等に勝てた理由というのはなんなんですかね?

森本: それはこのチャートのほうで見ると非常にわかりやすいのですけれども、このファンド自体は二極化の中で、格差の中で勝ち組を求めて行きましょうと、いうような形で始めています。当初マーケットの影響自体はそれほどなかったのですが96年の終わりから97年にかけて二極化、というのが非常に取り上げられ始めまして、マーケットもほんとに二極化が始まった。ここで大きくアウトパフォームして設定時から考えますと日経平均なり、トピックスなり、マーケット全体が乱調の中で、基準価格のほうは上がっていった。ここで非常な格差が付いたというわけです。

 

村藤: このチャートで見ますとどこになります?97年の始めあたりと97年の夏ぐらいに結構差が開いていますね?

森本: そうですね。

 

村藤: ただ今年(98年)の7月以降、これは日経225もトピックスと同様に下がってしまった。日本グロースオープンも逃げきれなかったと。

森本: ええ。これに関しましてはヘッジファンドもそうなのですけれど、ここに来て外国人投資家がかなり売ってきた。先ほどの銘柄をご覧になるとおわかりになると思うのですけど、世界のトップ企業に肩を並べるくらいの技術力だとかマーケティング力だとかをもっているということで選んでいるのですが、それがむしろ外国人投資家の売りを浴びて、ある程度対応はしたのですが下げを止めきれなかった、というのがこの局面です。

 

村藤: 二極化、いいものと悪いものに分かれた段階で買ったと。最近日本企業の株を見ますといいものは残るのかといった危機感さえ覚えるのですけれどどうですか、その辺は?

森本: 私は残ると思いますし、もちろんマーケットと実体経済のトレンドは若干違いがあると思います。マーケットの場合はこの二極化の中で勝ったところというのは常にあるわけですし、これからも二極化はまだ続くだろうと。二極化は言い換えれば今よく言われている企業淘汰の時代ですから、遅れたところ、リストラが対応しきれなかったところなどはやはりどんどん差が開いていく。日本経済全体の流れがそっちに行っているというふうに捉えています。

 

村藤: 情報開示という点ではどういう仕組みになっているのか教えていただけませんか?

森本: 情報開示に関しましては当社は非常に力を入れておりまして、このファンドに関しましてもそうですが、月に2回、15日と月末にこのファンドをどういうふうに運用してきたのか、どういうふうに運用するのか、どういう銘柄が入っているのか、といったものをすべて販売会社をとおしてお客様に届くように、また当社のホームページ( http://www.iijnet.or.jp/JIT/ )の中では常に更新してお客様が、またそれ以外の方々も見ていただけるようになっております。

 

村藤: ホームページを見ると運用資産の内訳を見ることができるのですか?

森本: はい。上位20銘柄ぐらいしか今の枠内では入りきれませんのでまあ20銘柄ですけれども、なんの銘柄に何%投資したかを全て出しております。

 

和泉: この番組の趣旨でもあるのですけどファンドマネージャーの顔が見える、そして哲学がちゃんと伝わってくる、また細かい情報まで投資家がわかって投資ができるというのを目指しているのですね。最後に投資家さんに向けて今後の投資姿勢などおありでしたら話していただけますか?

森本: そうですね。中長期的に見ていただければと思います。ファンドと言っても株式によって変動しますので、そのなかでは中長期的に見ていただいて、中身を調べていただいて、本当にその銘柄がどれだけ入っていているかを突き詰めていただいて中長期的に考えていただきたい。

 

和泉: どうもありがとうございました。今回は日本投信委託のファンドマネージャー森本喜也さんをお迎えして日本グロースオープンについて語っていただきました。森本さんどうもありがとうございました。

 


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