インタビュー

田中利昭氏

NCG投信株式会社 シニアファンドマネージャー

 

「ガートモア・グローバル・エクイティ・オープンの運用について」

 

この対談は衛星放送チャンネル ビジネス・ブレークスルー「Meet the Fund Manager」で放送されたものです。撮影日は1999年1月8日。


和泉:こんにちは。和泉昭子です。Meet the Fund manager、この番組ではスタジオに毎回第一線でご活躍されているFund manager の方をスタジオにお招きしていろいろと話を伺ってまいります。私と一緒に番組を進行していきますのは財務コンサルタントの村藤功さんです。今週も解説をどうぞよろしくお願いします。

村藤:よろしくお願いします。

 

和泉:そして今週のゲストはNCG投信のシニアファンドマネージャー田中利昭さんです。田中さん、どうぞよろしくお願いします。

田中:よろしくお願いします。

 

村藤:田中さん、NCG投信と言いますとなんかアルファベットが最初に付いてますけれどこれは?

田中:皆さんよく分からないという印象をお持ちの方が多いんですが、実はNCG投信は日本の日債銀グループと英国のガートモア社が一緒になって作りました日本で初めての合弁の投信会社です。

 

村藤:いつ頃できたんですか?

田中:設立は96年の4月になります。

 

村藤:日債銀といいますと最近国有化の問題だとかが出てますけれど、NCG投信の資本構成というのはどうなってるんですか?

田中:ガートモア社が筆頭になってまして10%、日債銀投資顧問も10%、日債銀グループ全体では20%、ガートモア社の10%と日債銀グループの20%を併せて30%、これが母体となってましてあとは生保さん、証券さん、銀行さんが持っていただいてます。

 

村藤:ガートモア社というのはどちらの会社でしたっけ?

田中:ガートモア社は英国の年金を基本に運用しておりますビッグ4と呼ばれる大手運用会社の1社です。

 

村藤;他の3社はどこですか?

田中:シュローダー、マーキュリー、フィリップ・アンドリュー、この辺がだいたい私どものライバルになって来ると思います。

 

村藤;だいたい運用資産の規模というのはどのくらいになるんですか?

田中:98年の3月末で10兆円を超えております。

 

和泉:ガートモア社と連携することによってファンドの運用面では全体的にどのような影響があるんでしょうか?

田中:私ども基本的にはガートモア社と二人三脚で運用をやっているというようなイメージを持っておりまして、基本的には私どもファンドマネージャーはガートモア社で勉強を積んだ者が戻ってきております。日本人のファンドの手法ですとか、運用に関する考え方を私どもの方からガートモア社に伝えて、彼らの方から実際の運用に関する助言をもらいながらやっております。まあ基本的に彼らが工場であって、我々が指図をして運用をしていくといった側面もありますし、逆に彼らが先生になって我々がいろいろと教えてもらいながら運用していくといったイメージも持っております。

 

村藤:大手の金融機関との資本提携みたいなものはありますか?ガートモア社は。

田中:ガートモア社自体は、最初はブリティッシュ・コモン・ウェルズという資産会社の資産部門としてスタートしておりましてすでに80年近い歴史があります。実際に69年に資産運用会社として独立してスタートしまして、ナット・ウェストグループの傘下に入ったのが1996年だったというふうに記憶しております。

 

村藤:ナット・ウェストグループ会社の資産運用部門と?

田中:そうですね。100%傘下の運用会社です。

 

和泉:まあその中で田中さんはファンドマネージャーとしてご活躍なんですけれども、ご経歴はどんな感じになってますか?

田中:私がファンドマネージャーとしてスタートしましたのが87年ですから、あれこれ12年ぐらいになります。最初は銀行の自己勘定部門でいろんな勉強をさせてもらいまして、そのあと2年後ですかね、コンピューターが発達してきたのと、運用理論が次第に確立されてきましたのでそれを基に株で儲けようという考え方からコンピューターをつかったクオンツ運用を手がけるチームに入りました。そのあと実際にモデルを作りまして、それを海外に売っていくというのに携わりまして、それが世界の運用会社と私が知り合うきっかけになります。で、そのあと実際に本場で勉強をしてみないか、という話がありまして92年の6月からガートモア社のほうに3年半、ロンドンで運用の勉強、そして実際に年金を中心とした運用をしました。

 

村藤:87年からそもそも始められたとおっしゃいましたっけ?日本の株がバブルでどんどん上がってた頃ですね。

田中:そうですね。そのころは何でも買えば上がる時代だったんで、最初はこんな事があってもいいのかなあというイメージで入りましたけれど、そのあといろいろと株の上げ下げがいろんな仕組みで変わるというのが分かってきまして、それをなんとか解読できないかというようなことからコンピューターで計算してみたりとかそういうことをはじめたんですね。

 

和泉:そうしたご経歴が生かされたファンドがガートモア・グローバル・エクイティ・オープンです。このファンドについて詳しくお聞かせ下さい。

村藤:これは国際株式一般型というものですけれど、日本株は、ぜんぜんやらないということですか?

田中:基本的には日本株の組み入れというのは今までやったことありませんし、これからも入れるつもりはありません。

 

村藤:株式型ということなんですけれど債券はどうなんですか?

田中:基本的には株中心なんですが相場に応じて、一部ヘッジ目的で、また資金を逃がしてやるという意味合いで、債券を買うということはありますし今後もそれを考えています。ただメインはあくまでも株でございます。

 

和泉:今お話のなかで日本株には投資しないということだったんですけれど、グローバルに分散投資していきますとうたっている投資信託のなかには日本株を含めているところもありますよね?なぜ日本株を入れない方針なんでしょうか?

田中:大概のグローバルファンドというのは日本株が入っていると思うんですが、基本的に日本株を入れないというのがこのファンドの、そして会社のポリシーなんですね。で、それは日本株に弱気ということではなくて、日本の方というのは日本の株、そして債券を直接買っている、もしくは生命保険に入ってらっしゃる、銀行預金を持ってらっしゃる。直接、間接あるにせよ日本のマーケットに影響を受けてますので、これからは日本の方も世界に広く分散していくことが必要だということで、私どもは日本のお客様に質のいい海外の分散投資の商品を提供していくというのが私どもの会社の一つのポリシーになっております。

 

村藤:国際株式一般型というのはどれくらいあるんですか?

田中:60本ぐらいあるんじゃないですかね。3分の2ぐらいが外資系の運用会社さんが運用されていると聞きます。

 

村藤:田中さんのファンドはその中ではなにか特徴みたいなものはありますか?

田中:私どものファンドは海外のグローバルのファンドとしては2本目にあたりまして、このグローバルファンドは97年10月にスタートしてるんですが、遡ること1年前に機関投資家向けの大口のファンドを作りました。それは当時個人のお客様にグローバルファンドがあまり人気がなかったからなんですね。で、私どもも今まで年金の運用などをやってきておりましたので、他のファンドマネージャーの方に質のいいグローバルファンドを入れてもらうというコンセプトで最初グローバルなファンドを出したんですね。そういったファンドだったんで、宣伝はしなかったんですけれど日経新聞には基準価格を出させてもらってたんですね。それが一年経って成績も良かったんで、個人のお客様から問い合わせが結構来たんですね。それでこのファンドを同じコンセプトで出そうということで、出しました。で、今おっしゃられていたように日本の株を入れてないということと、世界に広く分散、今全部でだいたい120銘柄、多いときですと180銘柄広く分散するということをコンセプトに年金をイメージさせるような運用をさせてもらっています。

 

和泉:年金をイメージするということは長期で持つということですか?

田中:はい。

 

和泉:先ほど多いときには180とおっしゃってましたけれど、180いうのは他と比べても多いんですか?

田中:私どものファンドが一番銘柄が多いと思いますね。

 

和泉:世界分散型でもだいたい100前後なんですか?

田中:ええ。少ないものだと50ぐらいじゃないですかね。

 

村藤:なんで多くされてるんですか?

田中:私どもは基本的には将来、個人のお客様が401k等を通じて自分でファンドを選んでいく時代が来ると思うんですね。そういうときにお客様がグローバルなファンドを選んだ場合にやはりグローバルなイメージを持った値動き、それから成績を上げて行かなくちゃいけないんじゃないかと思うんですね。例えば地域のファンドを買えばその地域のパフォーマンスを得られるわけですから、それを考えた場合に私がイメージするにグローバルというのはアメリカが中心にあって、そしてもう一方の核にこの前新しく生まれたユーロがあって、アジアがあって、新興国がある。そういうイメージを持っていますので、看板に偽りはないということで広く、そのような国が入るようなファンドの運用をさせていただいています。

 

村藤:グローバルないろんな地域を代表するとなるとやはり百数十ぐらいにはなるということですね。

田中:そうですね。それともう一つ、年金的な長期投資の観点から分散するということが一番大切になってきますので、それによってある程度新興国なんかのリスクがあるところでも十分カバーできるというのも分散している大きな一つの意義になっております。

 

村藤:今ファンドのお金をどの地域に投資されてるかということをお伺いしたいんですけれど、ちょっとグラフを見てみましょうか。これで見ますと半分以上北米ということなんですけれど、これはグローバルというと半分以上北米なんですか?(笑)

田中:これはちょうど12月末のアセットアロケーションになっておりまして、北米のウェイトがかなり大胆になっています。基本的には北米のウェイトというのはファンドの中心にはなるんですが、たまたま12月末というのは私どもの判断からかなり多く取っています。まあ現在ですと少し減らしてますんで、この色は少し変わってきています。

 

村藤:北米というとアメリカだけではなくてカナダとかも入っているんですか?

田中:カナダも入ってますが、基本的にはアメリカが中心になっております。

 

村藤:ガートモアさんはイギリスとかではカナダが強かったりしますか?

田中:カナダに対しても相当ノウハウを持ってます。

 

村藤:ヨーロッパというのはヨーロッパ各国がまんべんなく入っているという感じなんですか?

田中:ヨーロッパがこのファンドのもう一つの核になってまして、一貫してこの一年間強気を保っているんですが組み入れで行きますとイギリス、ドイツ、フランス中心にはなってきます。あと北欧ですとかイタリア、スペインとかも買ってますんで、かなりまんべんなく買っているというイメージにはなってきますね。おもしろいのはアイルランドなんかも入れてます。

 

和泉:アジアや新興国についての考え方はどうなんですか?

田中:アジアと新興国については去年の夏ぐらいから相当ウェイトを絞ってきています。ただ今年はアジアがまたおもしろくなってくるかなあとは思いますが、今のところ北米やヨーロッパに比べて相対利回りでは見劣りするんで落としていますが、すこしずつこれから増やしていこうとは思っています。

 

村藤:シンガポールとかだけじゃなくて韓国だとか、インドネシアだとかどこでも結構、ちょこちょこ入ってるんですか?

田中:そうですね。これから韓国とかも大きく変わりつつありますのでおもしろいかなとは思ってますし、新興国の中には南アフリカ。

 

村藤:そんなとこまで入ってるんですか。

田中:はい。

 

和泉:本当にグローバルですね。さて、この大きなシェアを占めています北米なんですけれども、特にアメリカの株につきましては新年あけからも最高値を更新したりという時にいろいろな見方もありますよね。例えばバブルなんじゃないか、いやいやまだ一万ぐらいはなんて。このところを田中さんご自身はどう見ていますか?

田中:基本的にアメリカの景気、力自体は強いんで底流にあるのは強気なんですが、まあ私ども一つにアメリカのマーケットというのは受給相場という位置づけを持ってます。

 

村藤:ちょっとこのグラフを見てみましょうか。

田中:こちらのグラフはアメリカの人口に占めます45歳から54歳の割合をピンクのラインで示しております。黄色のラインはその人たちの資産の中に占める株式の部分を示しています。これをご覧になるとわかりますがアメリカの中の一番貯蓄、もしくは株を購入すると言われている人の割合というのが今も増えていますし、2008年まで増えていく。これが401k等を通じてアメリカの株式市場を根本的に支えていると思っています。ですから私どもは株価のウェイトを相場の水準に合わせてコントロールしていくというのが運用のスタンスになっています。

 

村藤:このグラフおもしろいですね。左側が45歳から54歳、まあ一番お金を持っていて株なんか買ったりする人口の比率ですよね。

田中:右の方が占める人口になりますので、人口がだいたい15%ぐらいまで上がっていくと、10%からその人たちが占める比率が15%ぐらいまで上がっていきますので、そうするとまだみち半ばかなあというイメージですね。

 

和泉:あれですか。いわゆるベビーブーマーが老後に備えて株などを中心に、まあ株式投信などという形で株を保有する、つまり需要があって伸びているものだから、バブルの現象ではないということですね。

田中:そうですね。これは株を買っていく余力を示しているんですが、こういう人たちは逆に消費も十分できる層になっていますので、これは逆にアメリカの景気も個人消費を中心に底支えされていくという考え方もできますし、実際にこういう人たちは株を自分の年金として買っていきますので、日本のバブルと違って借金をして株を買っているわけじゃないですから、実需に伴う株の購入層と考えてもいいんじゃないかと思うんですね。

 

村藤:株価収益率なんからいってもバブルと言われてますけれど、日本と比べればそんな大したことないですよね?

田中:そうですね。アメリカの企業はまだまだ収益が伸びる余力が、特にインターネット関連を中心にありますので、日本と比べればまだまだ余力があるのかなあと思いますね。

 

村藤:二つ目のセクターとして大きいのはヨーロッパなんですけれども、ヨーロッパといえば今年の1月からユーロ導入ということになったと思うんですけれど、これはどういう影響を与えると思いますか?

田中:このファンドのもう一つの特徴としてヨーロッパのウェイトが高いんですが、まだユーロは1月からスタートしたばっかりで実際どうなっていくのかというのは、まだ難しい部分があると思うんですね。いくつかまだ乗り越えなきゃならない壁、例えば国ごとの税制が違うとか、景気のサイクルが違うんで金融の舵取りが難しいというのはこれから出てくると思います。ただ私の個人的な経験から株式投資をする上でユーロは一つの大きなキーになってると思っております。これは私がロンドンにいた時代にいろいろと企業訪問をさせていただいたんですが、例えばベンツに行って経営者とお会いした際に、実は日本車のことをずいぶん聞かれましてね。日本の高級車がヨーロッパで売り出されて人気になりまして、日本でも人気なのかとか、適正価格なのかというようなことを聞かれました。で、そのあとベンツは日本の脅威というものを感じてくるんですが、ユーロというのはヨーロッパ内だけの問題じゃなくて、日本やアジアがヨーロッパに対して経済的な脅威を与えたのでユーロを持ったというような考えを私は持っています。それはドイツのベンツの動きを見てましても計画を前倒しして高級車の販売に当たって、それがやはり失敗していくと。で、やはり根本的に変えていかないといけないということでリストラを進めていきます。航空部門とかを売却して自動車産業として世界的に力を付けていこうという動きになっています。

 

村藤:まあクライスラーと一緒になったりとか。

田中:そうです。そんなことも底流にはあるんだと思うんですね。そうするとユーロというのは一つのコストカットなんですよね。ということはユーロが成功するしないという問題よりも企業の経営スタンス自体が自分たちの通貨を捨ててユーロを持つんだという覚悟を持つまで、コストカットを進めて利益を上げるんだというようなという方向性が出てきたというのが一番のポイントだと思っているんですね。これはベンツ以外も他の会社も90年前半の不況を乗り越えるためにみんなリストラやって頑張ってきたとおもっています。

 

村藤:市場が国ごとじゃなくてヨーロッパ大となると、その国じゃなくてヨーロッパで1位にならないと勝ち残れないかもしれないという恐怖はありますよね。

田中:世界で一番じゃないと勝ち残れないというところまで行くんじゃないですかね。

 

村藤:今ヨーロッパの株、たとえばドイツの会社だとかフランスの会社っていうのはもうユーロでクオートされてるんですか?

田中:はい。1月1日以降決済はユーロでできるようになってます。

 

村藤:それはユーロ決済でも例えばドイツマルク決済でもいいっていうことなんですか?それともユーロ決済じゃないとだめなんですか?

田中:たぶんドイツマルクなんかでも個人投資家なんかはできると思うんですが、まだ通貨自体は使われてないですから。我々が実際の運用をしていく上では全部ユーロ決済にさせていただいてます。実際に管理しやすいですし、キャッシュにする方法とかも楽なんで。私どももメリットがあると思っております。

 

村藤:そうするとドイツ、フランスあたりの株を買うというのはユーロを、通貨部分では円とユーロがどうなってくるかという部分が反映されてくるということになりますよね?

田中:完全にユーロと円の関係になっていると思いますね。

 

村藤:今後どうですかね?とりあえずユーロ人気ありますけれど。今年の前半ぐらいの見通しは?

田中:ユーロ自体は上げ下げがあると思うんですよね。ただ、強くなると私ども為替部分で勝てますし、弱含んでも欧州の企業自体が今度は輸出競争力が出てきますんで、多少の上げ下げでも先ほどお話ししたような企業の競争力、価値が高まっていくということを考えれば株式投資は十分投資冥利があると思ってます。

 

村藤:イギリスは参加しないみたいですけれど、将来は参加の方向ですかね?

田中:イギリスは日本と同じように島国的な考えがあって私もイギリスにいた時には通貨をユーロに合わせる必然性というのがわかんなかったんですね。ただ、ロンドンにいたときにガートモア社のフランスのアナリストからユーロを理解するためには大陸に行って自分で経験してこいと言われまして、実際に夏に車でオランダに入ってベルギー、フランスを高速道路を通って実際にレストランとかそういうところで使ってみたんですね。やはりその国ごとに両替したりしないといけなかったんで、これはユーロがあれば便利だなというのを実感しましたね。

 

村藤:ちっちゃい地域に沢山の国がありますよね。ヨーロッパは。

田中:地図で見ると大きいんですけれど実際に車で行くとかなり回れちゃうんですよね。おらんだなんか日本の一つの県の大きさぐらいしかないのかもしれませんし、これだけ交通網だとか情報網が発達してきますと通貨というのは一つの方が便利なんじゃないでしょうかね。

 

村藤:田中さんのファンドなんですけれど、先ほどから地域別の株式投資のお話を伺ってきたんですけれど、グローバルの株のファンドということになると業界的にも分散投資されているということなんですか?

田中:業種的にもかなり分散はしてます。このファンドを理解していただくためには一番この業種別の表を見ていただくと分かると思うんですね。このグラフを見ていただくと通信ですとかヘルスケア、こういったところが上位にきてます。このファンド自体が先ほども申しましたが、中長期を考えておりますので成長産業といったものが多くなっております。この通信というのは地域を問わず一番の中心になってきています。通信分野というのは一番の成長分野であるというふうに思っております。2番目にきているヘルスケア、これは医薬ですとかも含まれてきますが、これは欧米中心に多くなってます。一番最後に来てますビジネス公共サービス、これはちょっとわかりにくいんですが、これは中身はコンピューターのソフトウェアなんてものが入ってきます。マイクロソフトですとかがこのファンドはかなり多く入ってまして、アメリカなんかではこのビジネス公共サービスなんかは非常に多く入ってきてます。ですからこのファンドはこういった成長分野を多く、意図的に持たせてます。逆にシクリカルな部分、鉄鋼ですとか化学、こういった基礎産業というような部分はウェイトを落とさせていただいてます。

 

村藤:それから日本株ファンドなんかだとよく入ってる自動車だとか電気があまりないですよね?

田中:ええ。自動車とかはとくにウェイトを落とさせていただいております。

 

和泉:割と目に見える、いわゆるメーカーものなんかは入ってないと?

田中:ええ。そうかもしれませんね。

 

和泉:これは田中さんがコンピューターでいろいろ組んでというお話がご経歴の中にありましたけれど、こういうのはもともとシステム的に配分を決めているんですか?それともなにか積み上げている方式なんでしょうか?

田中:これはガートモアのアナリストチーム、それからファンドマネージャーチーム、これは130名以上いるんですが、この人たちが企業を訪問してその中で推薦リストみたいなものを作ってきて、それの個別銘柄の積み上げがこういった結果になってきます。

 

和泉:でも日本企業とかじゃなくて、世界中の企業を回って積み上げてるわけですか?

田中:ガートモアのファンドマネージャーは年に6回から7回、これは基本的にはロンドンにファンドマネージャーがいるんですが、彼らが実際にその国に行って実際に話して、肌で感じたものを積み上げていくといったことをやっております。ガートモア自体が10兆円ちかい資産がありますので経営者がガートモア社に来てミーティングをやるなんて事もあります。

 

村藤:アナリストなんかもグローバルに他のところにもいらっしゃるんですか?それともロンドンに集中してるんですか?

田中:アナリストとファンドマネージャーは基本的にはロンドンにいます。これはいろんな考え方があって、運用会社によっては地域にそれぞれ置いてるところもあるんですが、私たちの考え方としては情報を一カ所に集めて常にディスカッションできるような体制を取っておりますので、今ロンドン集中でおります。もう一つガートモア社でおもしろいのはグローバル担当のアナリストなんかがおりまして、自動車なんかですとグローバルな世界での競争になってきますので、それぞれの国だけを見るのではなくて国際的な横比較で企業を見ていけるような、そういった面も持っております。

 

村藤:そういった意味でファンドで沢山買われている通信だとか、銀行、ヘルスケアなんかはまさにグローバルな分野ですよね。

田中:これは銀行なんかはかなり再編みたいなイメージで持っておりまして、日本では銀行なんかは弱いんですが、ユーロ導入でドイツの銀行がイタリアの銀行を買っていくといったことになってきますと、銀行の再編期待で株価が上がるといった、日本とは逆の傾向が起こってますね。

 

村藤:地域的に見ると相当分散されているというお話でしたけれど、業種別の組み入れを見ると割と成長セクターに絞っていると。いわゆる成長ファンドということですかね?

田中:成長という概念が、日本で成長株と言いますと小型の会社が中心になるんですが、私どもの成長というのは、もちろん利益というのが一つのポイントになるんですが、安定した成長ができれば、それは成長株という概念を持っておりまして、小さな会社というくくりではないんですね。

 

和泉:安定した成長率というのは例えば何%ぐらいとかあるんですか?

田中:基本的に株を買うときに一番注目するのが一株あたりの利益の成長性でして、これは1年から2年、3年ぐらいまでの予想を立ててます。もう一つ特徴なのは安定した成長、なおかつマーケットが予想してないような、まあアーニング・サプライズと呼んでいるんですが、そういった企業を中心に買っていくような、これは逆に言えばガートモアのリサーチがマーケットが予想してなかったような部分もきちっと正確に予想できるということの自信の現れだと思います。

 

和泉:そういって世界中の銘柄を組み入れてきているわけですが、パフォーマンスは?

村藤:一番気になるパフォーマンスは、ちょっとこのグラフを見てみましょう。これで見ますと8月ぐらいまでは順調に上がってきてますね。

田中:設定から順調に上がっていきまして一時は40%以上の値上がりを記録していたんですが、そのあと夏にロシア危機等があって株価の下げとともに基準価格も下がったと。で10月の頭に円が急騰するあたりでもう一回基準価格が下がっております。今現在は基準価格は1万2千円ぐらいにまで戻ってきています。まあ上昇傾向に戻ってきております。で、私どもはこういったグローバルの株価の上昇率というものを毎年計算してみますと80年以降、2年間投資すると現地通貨ベースではマイナスにはなってないんですね。ですから私どもはお客様に長いタームで、まあ2年間くらいのタームで見て下さいと説明しております。

 

村藤:パフォーマンスを見るときになんかベンチマークみたいなものは考えてますか?

田中:基本的には絶対利回りを重視しておりますので、特にベンチマークはおいてないんですが、共通言語として、これはガートモア社とやりとりするときに必要となって来るんですがMACIのコクサイ・インデックスを一つの目安として運用させていただいてます。

 

村藤:でも絶対基準でいって1万投資して1万2千になればこれはハッピーですね。

和泉:たしかにハッピーですね。こういうふうに影響を受けているなかで為替についてはどうなっているのでしょうか?

田中:為替については、基本的に分散投資ということから原則しておりません。配当を支払うとかそういったこともありますので、そういったときには為替ヘッジをつけております。

 

和泉:パフォーマンスの推移とかを見ていたときに、これはクローズドの期間との影響もあるんですか?

田中:クローズドあけ後の資金の流出入が激しいんですけれど、その分についてはできるだけ影響がないように先物を使ったり、かなり細かいキャッシュの管理をさせていただいてますので、実質的には影響はほとんどないというふうに考えていいかと思います。

 

村藤:純資産総額の推移というのはどんな感じなんですか?

田中:設定時は100億強ではじまりまして、一時ピークでは270億ぐらいありまして、パフォーマンスがいいということもありまして結構解約が来て今は20億強ということになってます。

 

和泉:利益を確定されている方たちが多いということですね。ただ最初のお話にもありましたようにこのファンドは年金を意識しているということでスタンスとしては長期に保有するということですよね?

田中:ええ。長期をできるだけ進めたいですね。

 

和泉:そういった長期のスタンスで投資家も接してほしいということでしょうか。今回はNCG投信のシニアファンドマネージャー、田中利昭さんをスタジオにお招きしてガートモア・グローバル・エクイティ・オープンについて話を伺いました。田中さん、本当にありがとうございました。

田中:ありがとうございました。

 


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