インタビュー

今回は、HSBCアセット・マネジメント株式会社の営業企画部次長の早高克典氏と同じく営業企画部課長の伊谷典久氏に、同社の運用する「HSBCチャイナオープン」について話を聞いた。「HSBCチャイナオープン」は、中国株式を主要投資対象とする追加型株式投資信託で、2002年1月30日に設定された。インタビューは2003年6月17日(火)に実施。

 

HSBCグループのホームページ http://www.hsbc.co.jp/

 

インタビューのPDF版はこちらからどうぞ。


 

今回初めてHSBCアセット・マネジメントにお伺いしたのですが、ファンドの話をお聞きする前に、HSBCアセット・マネジメントについてお話頂けますでしょうか。  

当社はロンドンを本拠地としているHSBCグループの一員でして、このHSBCグループの歴史は1865年に上海と香港にグループの母体となる香港上海銀行を興した時まで遡ります。既に140年近い歴史を持っています。HSBCグループは現在では世界80の国と地域に9,500以上の拠点を持ち、約21万5,000人の従業員を擁する世界最大級の金融グループです。  

 

会社の歴史的に中国とは非常に結びつきの強い会社なのですね。  

そうですね。HSBCアセット・マネジメントは、このHSBCグループの中の運用会社でして、運用資産は16兆円ほどあります。現在、ロンドン、ニューヨーク、東京など世界13ヶ所に運用拠点を持っており、従業員は1650名いますが、この内約300名がファンドマネージャーやアナリストといった運用のプロフェッショナルです。  

 

運用拠点が世界13ヶ所というのはかなり多いですね。  

そうですね。世界的と言われる運用会社でも運用拠点を13ヶ所まで持っているところは少ないでしょう。当社は運用現地主義をとっていまして、運用する市場に拠点を置いて、実際の運用を現地で行っています。アジアでは香港を中心として上海にも事務所を持っていますし、インドのムンバイにも運用拠点を持っており、インドの株式運用においては連続して運用成績NO1となるファンドを持っています。  

 

すると、運用部門においても、強みはアジア株や中国株ということになりますか。  

確かに中国株については強みを持っていますが、実際には非常にグローバルな企業です。例えば、現在イギリスで最大の金融グループはHSBCグループです。ヨーロッパ全体で見ても、自己資本ではヨーロッパ最大の金融グループです。時価総額で見ると、世界全体でシティグループとバンクオブアメリカに次いで第3位に位置しています。また、ニューヨークで最も支店数の多い銀行はHSBCです。

 

会社の成り立ちからアジア・中国に強いというイメージを持っていましたが、それだけでは決してないということですね。  

ええ、そうです。例えば、2002年には、「The Banker」という銀行業界の雑誌で世界で最も優秀な銀行グループとして「Global Bank of the Year 」という賞(http://www.thebanker.com/awards/winners.html) を受賞しています。  

 

極めてインターナショナルな金融グループであり、その出生から中国・アジアにも強いということなのですね。  

そうですね。もちろん中国・アジアに強いのですが、欧州でも非常に強みを持っています。実際、運用資産16兆円くらいのうちの約半分くらいは欧州の資金です。欧州の株式運用においても高い評価を受けています。また、あまり知られてはいないのですが、中南米、中近東などにも広く拠点を持っています。HSBCは1992年にイギリスの四大銀行の一つであったミッドランド銀行を買収し、その後、2000年にフランス商業銀行を買収するなどして世界中のネットワークを更に拡大してきました。また、2001年には台湾最大の運用会社を買収して、アジアにおけるネットワークを強化しました。

 

アセットマネジメント(運用)部門の日本への進出はいつですか。  

1985年にワードレイ投資顧問を設立したところから始まります。当時、HSBCグループの資産運用部門の総称は「ワードレイ」と言っておりましたが、その後社名を変更しました。また、日本に進出した当初は日本の運用会社に対してアジア株の投資助言を主にやっていましたが、1998年に投資信託委託業の免許を取得し、現在に至っております。  

 

それでは、今度は「HSBCチャイナオープン」についてお伺いしたいと思います。ファンドの特徴をお聞かせ下さい。  

このファンドは、中国株を投資対象としたファンドです。台湾、シンガポール、マレーシアの中国系企業までを投資対象とするチャイナファンドとは異なり、あくまでも純粋な中国株を投資対象としています。具体的には、H株、レッドチップス、上海B株、深センB株、そして、中国市場から主に利益をあげる企業を投資対象としています。ですから、一部は、ニューヨークに上場している中国系企業なども投資対象となっています。

 

中国株市場というのは、H株やらA株、B株などがあって、わかりにくいのですが、各分類についてご説明ください。  

中国株は香港に上場しているものと、上海や深センといった中国本土に上場しているものがあります。香港に上場している中国株はH株とレッドチップスです。H株というのは香港に上場された中国籍の企業です。国営企業の多くがH株です。中国の伝統産業や重工業系の製造業が多いという特徴があります。レッドチップスというのは、中国資本により香港で設立されて、香港市場に上場された企業です。中国企業の香港子会社ですね。ただ、中国資本といっても、香港に設立されているため、中国本土に設立された企業よりも自由度が高いという特徴があります。業種としては、通信、サービス、IT企業が多くあります。  

 

香港に上場しているということは香港ドル建てで売買が行われるのですか。  

そうです。

 

上海B株と深センB株というのはどんな特徴がありますか。  

上海市場にはA株市場とB株市場という二種類の市場があります。A株は国内投資家向けの市場で、人民元建てで取引されています。B株は1992年に海外投資家向け専用の米ドル建て市場として設立された市場です。ただ、2001年から国内投資家にも開放されています。深セン市場も国内投資家向けに人民元建てで取引されているA株市場と海外投資家向けのB株市場があります。この深センB株も1992年に海外投資家向け専用の市場として設立されましたが、こちらは香港ドル建てで取引されています。また、深センB株も現在では国内投資家にも開放されています。  

 

上海に上場している企業と深センに上場している企業とでは特徴的な違いというのはあるのですか。  

特にありませんね。  

 

A株とB株というのは上場企業は同じですか。  

違います。A株の方が上場企業数が圧倒的に多いです。A株は1200銘柄程度ありますが、B株は100銘柄程度しかありません。

 

A株というのは海外投資家は買えない市場なのですね。  

いいえ、昨年の12月から制度(QFII)としては、海外投資家もA株を購入できるようになりました。しかし、様々な資本規制があるために自由な売買がまだ出来ない状態にあるので、実質的に海外投資家が売買しているのはB株のみです。

 

将来的には規制が緩和されれば、A株も投資対象となってくる可能性があるということですね。  

そうですね。当社が所属しているHSBCグループを含め、いくつかの金融機関がA株売買のための認可を中国政府に申請している状況です。ですから可能性はありますが、投資信託では、A株を売却した場合には、人民元を円に換える必要がありますが、この人民元の円転についての規制がありますから、そのへんが変わらないと難しいですね。加えて、A株とB株、H株の値段の違いもA株の購入が躊躇される要因です。  

 

値段の違いというのはどういう意味ですか。同じ銘柄が各市場に上場していて、それらの株価が異なるということですか。  

そうです。現状A株とB株あるいは、A株とH株で重複して上場している銘柄についてなんですが、A株というのはB株やH株に比べて高いのです。

どうしてそういうことが起こるのですか。  

中国人にとって購入できるのはA株しかありません。加えて、A株市場の99%は個人投資家です。そのため、A株市場に対する需要が非常に強く、プライスメカニズムが上手く機能していないのです。まだ、合理的な投資判断というのが行われておらず、需要が価格を押し上げてしまっている状態です。

 

一方で、B株やH株はより合理的な市場であるわけですね。  

そうです。こちらは外国人投資家が主体の市場ですから、極端に割高な銘柄は買われない。彼らは、中国株だけに投資しているわけではありませんから、欧米や他のアジア市場と比較した比較的合理的な投資判断を行っているわけです。

 

H株とレッドチップスは香港ドル建てということですが、中国に返還された今でも香港ドルについては資本規制等はないのですか。  

ありません。香港ドルは全く自由な取引が行われています。  

 

このファンドは為替ヘッジは行いますか。  

為替ヘッジは行いません。  

 

香港ドルの対円の動向はどうなっていますか。  

香港ドルは現在米ドル連動制を採っています。ファンドの設定来で見ると10%ほど円高香港ドル安になっていますので、ファンドの基準価額にとっては若干のマイナス要因となっています。

 

では、次に銘柄選択までのプロセスをお聞かせ下さい。  

当ファンドでは、トップダウンとボトムアップを組み合わせて銘柄を選定しています。

 

具体的には?  

HSBCにはグローバルな世界経済、金融市場等の見方を決定するグローバル・ストラテジー・インベストメント・グループ(GISG)という機関があります。これは、世界13ヶ所の運用拠点のCIO(最高投資責任者)を統括するグローバルCIOと、為替、債券の専門家、加えて、リサーチや計量分析の専門家などによって構成されています。このGISGが月に一回会議を開催して、HSBCアセット・マネジメントとしてのマーケットの見方を策定します。その中において、現在、世界のどの市場は魅力的である、あるいは魅力的ではないといったことを分析して、市場の順位付けを行います。

加えて、世界のセクター(業種)についての分析を行います。現在、世界の主な産業というのはグローバル化が進んでおり、一国のある業種だけを分析しても、分析は完結しません。例えば、韓国の半導体メーカーの三星電子の業績を考える時、韓国国内の状況だけでなく、欧米や日本におけるパソコンの売れ行きを調査する必要があります。日本の東京エレクトロンを考える場合には、競合企業は国内にあるのではなく、米国のアプライド・マテリアル社であり、この会社の業績等を調べる必要がある。そして、これらの企業の顧客は台湾や韓国の企業であったりする。つまり、世界的規模で関連性が強い業種においては、世界的なセクター分析が不可欠なわけです。

 

具体的にはどういうセクターを対象としているのですか。  

IT、消費、資源、金融です。この4業種については、各運用拠点の担当者から構成されるグローバル・セクター・チームが、月に1回情報交換を行っています。  

 

このセクター分析までがGISGの仕事ということですか。  

そうです。その結果、国別、セクター別の優位性が明らかとなり、それぞれへの資産配分が決定されます。グローバルに見た場合に、通信をオーバーウェイトとするとか、消費関連をアンダーウェイトとするというようなことが決定されます。  

 

この結果が、どうHSBCチャイナオープンに生かされるのですか。  

GISGの結果を受けて、今度は、香港にいる中国株の運用チームが、もう一度セクターごとの調査・分析を行います。グローバルな決定があっても、中国には中国の特殊性がありますから、それを加味した上で、このファンドのためのセクター配分を決定します。

 

セクター配分が決まると、次はどういうプロセスになりますか。  

次にボトムアップの銘柄選択が行われます。ボトムアップの段階では、中国のセクターごとにアナリストがいますので、アナリストが組み入れる銘柄を選択します。この段階で中国株に投資するファンドとしてのモデルポートフォリオが出来上がります。そこから更に、このHSBCチャイナオープン向けの調整が行われて、ファンドのポートフォリオが出来上がるわけです。

 

ボトムアップで銘柄を選択する際には、バリュー指向のファンド、あるいはグロース指向のファンドによって、スクリーニングにおいて重視する指標などが異なってくると思いますが、このファンドはスタイルでいうと、バリューとグロースのどちらですか。  

当ファンドはグロース、あるいはバリューという指向はありません。決め打ちはしていません。市場の動向によって、バリューがよい時とグロースがよい時があります。それは、市場の状況をよって、結果として異なってきます。例えば、昨年のケースを見ると、我々はバリュー指向でした。いわゆる高配当銘柄をオーバーウェイトとして、テクノロジーなどのハイテク銘柄についてはアンダーウェイトとしていました。  

 

現在もバリュー指向型のファンドとなっているのですか。  

いいえ、現在、見直しを行っていまして、景気敏感型、どちらかと言えばグロース型のポートフォリオに移行しつつあります。  

 

では、アナリストが組み入れる銘柄を決定する際には、どんな点を重視しているのですか。  

業種内での優位性ということになります。特定のこの指標を重視しているというものではありません。市場シェアや成長率の高さなどトータルで見て、そのセクターにおける優位性の高い銘柄を選択しています。この場合でも、国内における優位性だけでなく、他の国の競合企業と比較した優位性も重視しています。  

 

その結果として、現在のポートフォリオの構成銘柄数はいくつですか。  

45銘柄です。これまでも概ね50銘柄前後で推移してきました。

 

ところで、中国株に投資するファンドというのは、他の国の株式に投資するファンドと比較して独自のリスクがあるのではないかと思うのですが、如何でしょうか。例えば、中国当局の政策の変更とか・・・。  

たしかに、そういうリスクはありますが、これは中国株に投資する場合だけでなく、他の新興諸国に投資するファンドにも必ず付随するリスクであって、中国株だからというものではないと思います。逆に、そういうリスクを背負っているからこそ、高いリターンが期待できるわけです。そういうリスクがないと見られている欧米や日本の市場では、成長率は高くないわけですが、中国では高い成長が期待できます。完成されていない市場ですので、リスクは伴いますが、その裏側には期待できるものがあるわけです。

 

高い成長ということですが、現在どのくらいの経済成長を遂げているのですか。  

4月の経済成長率(GDP)は前年同月比+8.9%でした。5月については、輸出は前年同月比+37.3%、工業生産高も前年同月比+13.7%と国内成長の好調が続いています。  

 

SARSの影響は特になかったのですか。  

個人消費の伸びが若干鈍った以外、大きな影響はほとんど見られませんでした。株式市場も一時的に下落しましたが、SARSの影響があまり無いという見方が広がるに連れ、大きく上昇しています。  

 

今後もこういった高い成長が期待されているのですか。  

そうです。それを支えているのが海外からの高い直接投資、政府による投資、そして国内消費ですね。現在、中国では都市部を中心に所得水準が上昇しています。特に上海などの生活水準はかなり高く、人々は欧米人のような生活を送っています。そしてこれが徐々に周辺部に拡大してゆくでしょう。中国の人口は約13億です。沿岸部の人口が3億人程度ですから、今後の沿岸部以外の地域の経済発展はかなり期待できますね。輸出も重要ですが、内需がかなり期待できます。だからこそ、多くの日本企業が中国国内の企業と提携を推し進めているわけです。日本企業は当初はコストの安さから中国に進出していましたが、昨年の日本経済新聞の記事によると、今では中国の内需期待というのが進出の第一の理由となっています。また、オリンピックと万博が予定されており、それに向けて政府は投資を続けています。これが成長率を年間0.4%から0.5%程度押し上げる効果が期待されています。

 

では、パフォーマンスについてお聞かせ頂きたいと思います。ファンドは2002年1月に設定されましたが、設定来のパフォーマンスはどうなっていますか。  

6月13日現在、設定来では6.5%上昇しています。  

 

このファンドにはベンチマークはありませんが、この6.5%はどういう数字であると解釈すればよいですか。  

ベンチマークはありませんが、参考指標としてCLSAチャイナワールド指数と比較できます。CLSA(クレディ・リヨネ・セキュリティーズ・アジア)チャイナワールドは米ドルベースで同期間に約4%下落しています。

 

参考指標と比較してかなりよいパフォーマンスですね。この要因はどこにあったのですか。  

銘柄選択が功を奏したということです。また、ファンドの設定時の着眼点がよかったことも挙げられます。  

 

どういう意味ですか。  

中国は世界の輸出工場になっているという現状ですので、ハイテク企業などの目立つ企業に投資しがちになりますが、実際には、中国のGDPに占める輸出の割合というのは23%程度しかありません。つまり内需の影響が高いということです。ハイテクを中心とした輸出企業というのは世界経済の影響を強く受けます。輸出先である欧米の先進国の景気が悪くなれば、輸出は落ち込みます。一方で、内需は強い。しかも、ファンドの設定時は2001年9月11日の米国テロ事件から半年程度が経過していた時期で、世界経済の見通しが非常に不透明でした。そこで、当ファンドのファンドマネージャーはファンドの設定時から、一貫して内需関連企業に着目すべきだと判断したのです。例えば、中国では高速道路が上場しているのですが、そういう有料高速道路会社や電力会社などです。  

 

それが上手くファンドのパフォーマンスに結びついたのですね。  

そうです。加えて、昨年からH株の組み入れを増やしたこともプラス要因でした。今は多くのファンドマネージャーがH株が割安であることに気づき始めていますが、当ファンドのファンドマネージャーは半年程度前からはH株が割安におかれているという判断から、H株の組み入れを増やし、H株の値上がりもファンドに貢献しました。  

 

確かにH株は昨年の11月くらいから上昇していますが、この理由は何だったのですか。  

QDII(国内適格機関投資家制度)が導入されるという思惑ですね。

 

QDIIについてもう少し詳しくお聞かせ下さい。  

中国の個人投資家はA株しか購入できませんでしたが、QDIIというのは指定金融機関が個人のお金を集めて、海外などに投資を行ってもよいという制度です。

 

中国の個人投資家の海外投資が解禁されるということですか。  

そうですね。詳細は発表されていないのではっきりとした事は言えませんが、中国国内投資家による投資対象として最初に浮かぶのが香港市場です。また、香港市場に上場している株式の中でも、中国の個人投資家に最も身近な銘柄がH株ということです。H株に上場している銘柄はA株として国内市場にも上場しており、しかもH株はA株よりも安いわけです。実際に同じ企業の株式でも、A株の方がH株より数倍も高いケースがあります。そこで、QDIIが導入されるとなると、中国の個人投資家がH株を購入するという思惑が広まったのです。  

 

QDIIはまだ導入されていないのですか。  

まだです。ただ、近い将来導入されるのではないかという思惑がこのところのH株の上昇に理由となっています。  

 

その他にもファンドのパフォーマンスが好調だった理由はありますか。  

昨年来、世界経済が低迷する中、中国企業の業績は内需に支えられて堅調だった。それがH株の値上がりに貢献し、ファンドにとってもプラスになったことがあります。世界的に、欧米の株式市場から引き上げられた資金が一部H株に流入してきましたね。  

 

先ほど、中国経済にとってSARSの影響はあまりなかったと伺いましたが、ファンドにとっても影響はなかったのですか。  

中国政府がSARSの患者数を上方修正した際に、一時的に基準価額が落ち込みましたが、その後は情報公開の透明性の改善や政府の対応が好感されたため、基準価額も直ぐに回復に転じ、以来ほとんど影響はありません。また、個別企業の業績への影響についても、第一四半期の決算発表の後に、ファンドマネージャーが会社訪問を行っていますが、旅行業界などは例外として、ほとんどの企業の経営者は第二四半期においてもSARSの影響はなく、第一四半期と同様に好調な業績が期待できると話していますね。  

 

意外な感じですね。  

日本におけるマスコミ報道がSARSの影響についてあまりにマイナス面を強調しすぎたこともあるでしょうね。現地からの話と日本のマスコミ報道の間にはかなりの温度差がありました。

 

現在のファンドの業種別の組入比率はどういう状況ですか。  

月報にあるように、5月末現在で、エネルギーが19.1%、通信が14.6%、電力・ガスが12.6%、次いで鉄鋼、化学、食品・日用品と続きます。

 

今年3月末の構成比と比較すると、3月末に第一位業種であった複合企業の比率がずいぶん下がっていますね。  

不動産に重点を置く複合産業企業などは、割高感から組み入れを下げてきています。それと、複合産業の中に旅行・エンターテイメント系の複合産業が入っており、SARSの影響で、それらの組み入れを引き下げた影響もあります。  

 

エネルギーについては、組入比率が増加していますが・・・。  

エネルギーについては強気の見方をしており、引き上げ傾向です。内需の堅調もありエネルギー消費量が増えており、これを反映して関連企業の業績は好調ですし、日本が火力発電を始めていることもあり、石炭の輸出も増えています。先ほども申し上げましたように、全体としてより景気敏感型のポートフォリオに移行させつつあります。ただ、上位組み入れ銘柄で見ると、それほど大きな変化はありません。  

 

純資産総額は6月現在で約31億円ですね。設定から増加傾向にあったものの、昨年9月をピークに減少傾向ですがこれはどういう要因ですか。

基準価額の下落がその要因です。加えて、最近は基準価額が急激に回復してきたために利益確定の解約も純資産総額の減少の一因となっています。  

 

このファンドのファンドマネージャーはどんな人ですか。  

担当ファンドマネージャーは4人で、香港を拠点としています。彼らは全員チャイニーズですが、欧米の大学、大学院で教育を受けています。つまり、中国文化を知り、語学も出来る、その上で海外で最新の投資理論を身に着けているのです。  

 

そういう人材でなければ、中国株の運用は難しいのでしょうね。  

そうです。中国には独自の文化や風習等があります。当然運用にあたっては、それらの事を十分理解する必要があります。また現地で運用しているので、レポートやマスコミに掲載されている情報以外の現地情報を直接入手できる強みもあります。また、当社は香港最大の運用会社ですから、中国の大企業のトップや政府の担当者に直接会って話しを聞くチャンスもあります。中国の文化は多角的であり、日本人や欧米人では気づかない面が多くあります。だからこそ、信頼できる運用会社のファンドを選択してほしいと思いますね。  

 

販売会社はどこですか。  

SMBCフレンド証券、コスモ証券、高木証券、のぞみ証券、いちよし証券、キャピタル・パートナーズ証券、マネックス証券です。  

 

本日はありがとうございました。


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