今回は、日本ユニコム株式会社のオルタナティブ投資商品開発部部長である増田丞美(ますだ・すけみ)氏に、同氏が運用を統轄管理する商品ファンド「オプション・マスター」について話を聞いた。「オプション・マスター」は2004年6月に運用が開始された。商品ファンド協会(社団法人日本商品投資販売業協会)の分類では積極運用型に分類される追加型の商品ファンド。
増田氏は1985年に米コロンビア大学大学院を卒業後、野村証券会社、米国の投資銀行であるモルガンスタンレー(ロンドン現地法人)を経て、海外ヘッジファンドでデリバティブによる資産運用に携わる。現在、日本ユニコム株式会社にてオルタナティブ投資の開発・運用に従事。著書に『オプション売買入門』、『オプション売買の実践』、訳書に『カプランのオプション売買戦略』など多数あるオプションの第一人者である。
日本ユニコム株式会社のホームページ http://www.unicom.co.jp/
インタビューのPDF版
「オプション・マスター」とはどのようなファンドかお聞かせ下さい。
これは商品ファンドです。いわゆるオルタナティブ投資のファンドです。商品ファンドの中にはリスクの高いもの、リスクをコントロールしたものなど様々なファンドがあります。「オプション・マスター」の生命線は後者にあります。つまり、投資家が大切な虎の子を預けても大丈夫なように安全に運用することに主眼を置いたファンドです。もちろん元本が保証されたファンドではありません。投資のリスクは存在しますが、ハイリスク・ハイリターンのファンドではないのです。
「オプション・マスター」というファンド名ですから、主にオプションで運用するファンドなのですよね。
そうです。オプションで運用するファンドですが、オプション売買には売りと買いがあります。「オプション・マスター」は、オプションの売りを中心としたファンドです。売り戦略のファンドです。オプション買いを中心的な戦略とすることはありません。買いを入れる場合には、買い戻すか、ないしは、売りに対してあらかじめヘッジとして売りを入れておく、これらのケースを除くと買いは行いません。基本はあくまでもオプションの売りです。
オプションの売りですか。
売り戦略の基本的な投資哲学は、保険会社の仕組に似ています。
保険会社ですか?
オプションを保険だと考えてみて下さい。そして保険の加入者は、保険の払い戻しを受ける人は、死亡するか、事故や病気になった人です。そして、こういう払い戻しを受ける人は全加入者のわずかでしかないということです。同じことがオプションでも言えるのです。
それで、厳密な計算に基づいて通常、ありえないであろうという所でポジションをとっているのです。
これが市場なのです。マーケットが非常に高くなっているとき、ここでは買わないだろうと思うような水準でも買う人がいる。マーケットが下がっていて、ここでは売らないだろうというところでも売る人がいる。マーケットはいろんな人がいるということです。これをTheory of More Foolishといいます。私は馬鹿だけれども、私より馬鹿がいるので、私は利益をあげることができる。そしてもっと馬鹿な人がいるので、私より馬鹿な人も利益をあげることができる・・・という考え方です。市場は本当におもしろいのです。こんなところでは誰も買わないだろうと思うような水準で買う人がいるのです。
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