投資信託ニュース

10月17日(木) PIMCO、「日本債券セミナー」を開催

ピムコ ジャパン リミテッドは、10月11日に、国内の年金運用関係者らを招いてPIMCO「日本債券セミナー」を開催した。

 

基調講演ではドイツ証券会社チーフストラテジストの水野温氏が「わが国の債券市場の課題」と題して講演を行った。この中で、水野氏は日本の債券市場の問題点として@国債以外の債券市場の流動性が乏しいこと、A普通社債市場の発行残高が国債市場の8分の1程度であること、Bモーゲージ債・ABS・CMBS市場が未発達な点などを挙げ、Fixed Income Products間でアセット・アロケーションができない現状を指摘した。また、水野氏は、日銀による実質ゼロ金利政策の結果ボラティリティが低い、また、長期的には債券相場急落が不可避である、伝統的なアクティブ運用やパッシブ運用では超過収益機会が乏しい点を挙げ、パッシブ運用が全盛となる中、期待投資リターンが益々低下している現状を説明した。更に、水野氏はこの他にも日本の債券市場の問題点として、超低金利政策の中、国債大量発行時代にもかかわらず、ファンドマネージャーはデュレーション・リスクをとった運用を迫られており、一方でクレジットスプレッドが発行体の信用力を反映していないことから、リスクに見合った運用収益を期待できず、このため、ストラテジストやファンドマネージャーの能力が欧米諸国に見劣りするとの懸念を表明した。

 

また、水野氏は日本の債券市場が「投資の時代」から「運用の時代」へ、アクティブ運用からパッシブ運用へ変化している点や、銀行のリスク許容度が低下、低金利による期待運用利回りの低下といった変化を指摘。更に、今後については、貸出債権流動化市場、証券化市場、投資適格社債市場、ハイイールド社債市場等が拡大し、国債以外の債券市場拡大を受けたボンド・インデックスの構成銘柄の大幅な見直しが行われ、債券運用の基本がアセット・アロケーションとなるとの将来像を披露した。

 

水野氏の基調講演に続き、PIMCOグローバル債券ポートフォリオ・マネージャーの正直知哉氏が「日本債券運用におけるコア・プラス・アプローチ」と題した講演を行った。正直氏はコア・プラス・アプローチとは、ベンチマークユニバース以外にも投資することでリターンを拡大する手法であり、米国の年金運用においては既に浸透していると説明。また、国内債券運用にコア・プラス運用が不可欠である理由として、@低いベンチマーク利回り、A限られた超過収益の源泉、Bヘッジ付き外債運用比較した場合にコア・プラスの方が付加価値の源泉が多岐に渡る点などを挙げ、コア・プラス運用が日本における債券運用の様々な問題に対して有効であることを指摘した。

 

PIMCOの旗艦ファンドである「ピムコ・トータル・リターン・ファンド」は、このコア・プラス・アプローチにより運用が行われている。同ファンドは1971年に設定された米国のミューチュアルファンドだが、2002年9月30日現在の運用残高が645億ドルと米国最大の債券ファンドとなっている。

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