バンガード、バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)のベンチマーク移行完了


米国ザ・バンガード・グループ・インクが運用する運用資産総額590億ドルと世界最大の新興国ETFであるバンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF(VWO)が、米国東部時間2016年9月19日の取引より、最終的なインデックスであるFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックスへの連動を開始する。

2015年11月より、移行用インデックスであるFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ中国A株トランジション・インデックスへの連動を開始し、毎月一定の割合ずつ小型株と中国A株を組み入れてきた。VWOの新ベンチマークであるFTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックスは、新興国22ヵ国における小型株1,800銘柄と中国A株1,500銘柄を含む、およそ3,561銘柄の大・中・小型株で構成されている。1  VWO は大・中・小型株と中国A株で広範に分散された時価総額加重平均ベースの、初めての新興国ETFになる予定。2

22の新興国の大・中・小型株を網羅

新ベンチマークは小型株を11%含み、VWOはよりターゲットとする新興国市場全体の時価総額により近く、更にきめ細かい分散を実現している。

中国A株にも投資

加えて、新ベンチマークは中国A株を5%含む。中国A株は、上海証券取引所と深セン証券取引所に上場している、国内投資家向け中国本土企業の株式だが、バンガードは2015年に中国A株の割当枠を取得し、中国A株への投資が可能になった。中国A株にも投資出来ることで、中国市場への更なる分散投資が実現した。中国は、主要新興経済国の一つであり、時価総額で世界第2位の株式市場を擁す。また、中国のGDPは世界第2位の16%を占め、成長率は6.3%となっている。3 バンガードは、「この主要なマーケットに投資出来るようになったことで、長期的に投資家の利益に貢献出来ると考えています」とコメントしている。

最後のベンチマーク変更

今回VWOのベンチマークが移行完了したことに伴い、2015年6月に発表した4本のバンガードETFのベンチマークの一連の変更が完了した。バンガード・FTSE先進国市場(除く米国)ETF(VEA)バンガード・FTSE・ヨーロッパETF(VGK)バンガード・FTSE・パシフィックETF(VPL)は、2015年後半から2016年にかけて、小型株を含むオールキャップインデックスへの移行を完了している。

1 FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックスは、FTSEエマージング・オールキャップ・インデックスおよびFTSE中国A株オールキャップ・インデックスの大型・中型・小型株証券で構成されている。FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)インデックスに占めるFTSE中国A株オールキャップ・インデックスのウェイトは、海外投資家に割り当てられる投資枠に基づき調整される。
2 出所: ブルームバーグ、モーニングスター
3 出所:Quandl 2015年、IMF 2016年

運用資産残高は別途記載がない限り2016年8月末現在。