このようなシナリオ(シナリオC)は、日本経済にとって最悪のシナリオといえますが、現状はこのシナリオからかけ離れているとも言えないかもしれません。このようなシナリオが描ける環境では、高収益をあきらめてMMFや短期公社債投信など安全な商品に甘んじるか、為替リスクを覚悟のうえで海外市場へ投資するファンドにシフトするかしかないと考えがちです。
しかし、相場が下落すると儲かるファンドもあります。「そんなファンドがあるのですか?」と質問されそうですが、かつては考えられなかった新しいタイプの投資信託が規制緩和で続々と登場しているのです。
相場が下落しても儲かるファンドがある!
この日本株ベア型ファンドもそのひとつで、これまでタブーとされていた「空売り」スタイルの投資が投資信託の世界でも可能となったのです。代表的なものは、日経平均株価の動きに逆連動するように設計されたファンドです。
この日本株ベア型ファンドは、日経平均が下落すれば同じ比率でファンドするため、相場に弱気の投資家に新たな収益機会を与えてくれる商品として、注目を集めています。
たとえば、日経平均が5%下落すれば、ファンドは5%値上がりするというわけです。日本株ベア型ファンドは、レバレッジを効かせたものが主流であり、日経平均株価に対して1倍から2.5倍の倍率で連動する仕組みのものが大半です。例えば、2倍の逆連動倍率を持つファンドの場合、日経平均株価が5%下落すれば、基準価額が10%上昇することになります。小額の資金で大きな利益を獲得する機会を与えてくれるわけですが、その分、相場が反対にいった場合には大きな損失を被る可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンの商品であるとの認識が必要です。
日本株ベア型ファンドは、少ない証拠金で大きな投資ができる株価指数の先物取引を活用して運用されています。運用といっても、ファンドの運用者が先物相場でタイミングを見計らって売買を行っているわけではなく、あらかじめ決められた連動率を維持するために、先物の売り建て比率を微調整するという機械的な運用をしているのみで、運用者の相場観は入る余地はありません。投資家の相場観次第というわけです。
なお、ベア型ファンドには、日経平均を対象としているもの以外にも、東証株価指数や日経300などの株価指数を対象としているものもあります。ベア型ファンドは商品分類では「派生商品型」に分類されています。