この「シナリオD」のように、アジア株に対して明るい見通しを持っている投資家のニーズを満たしてくれる投資信託は、アジア・オセアニア型ファンドです。アジア・オセアニア型ファンドは99年9月末現在43本が運用されており(設定後6カ月未満のファンド、純資産総額が10億円未満のファンドを除く)、北米型の16本を大きく上回っています。地理的な親近感、情報が豊富である点に加え、アジア地域の将来的な発展に対する期待の強さが運用本数に反映されているといえるでしょう。
アジア・オセアニア型のファンドは97年から98年にかけてのアジア通貨危機の影響を直接受けたため、一時は過去1年間の騰落率が二桁台のマイナスとなった時期がありました。しかし、アジア各国の株式市場が99年に入ってから大きく回復したために、99年9月末現在の過去1年の平均騰落率は+35.1%となっています。
■アジア・オセアニア型ファンドの騰落率表はこちら。
アジアを得意とする英系運用会社
アジア・オセアニア型ファンドには外資系、特に英系の運用会社によって運用されているものが多く、J.P.モルガン・フレミング・アセット・マネジメント・ジャパンやシュローダー投信投資顧問など、元英国領であった香港を長年にわたってアジアの拠点としている会社のものが目立ちます。
一般的に英系の運用会社は香港を拠点として、アジア地域に密着した調査能力をセールスポイントとし、アジア投資に強いといわれています。同じアジア・オセアニア型に属するファンドであっても、運用方針や各国への投資比率はファンドごとに異なっていますので、選択する際には、運用報告書などでチェックすることが賢明です。
なお、アジア全域を対象とした株価指数は確立されたものがないことや、各国の先物市場が未整備であることから、この地域を対象としたインデックス型のファンドは、香港のハンセン指数を対象としたものを除いて設定されていません。
為替リスク
また、ファンドによって為替リスクへの対応は異なります。為替ヘッジを行わない方針のファンドもありますし、為替ヘッジを行って、為替リスクを軽減しているものもあります。ただし、アジア諸国の通貨を個別にヘッジすることは困難なため、全体を米ドルでクロスヘッジしているものがほとんどで、完全に為替リスクを回避するまでには至っていません。
■為替ヘッジについてはFAQもお読みください
FAQ4. 為替ヘッジを行わないファンドのメリットとデメリットは何ですか?
FAQ31. 為替ヘッジとはどういうことですか?