ファンドの愛称名称物語

ファンド名:ゴールドマン・サックス日本バランス・ファンド「聖徳太子」

既に2000円札を手にした方も多いと思いますが、日本で新たな単位の紙幣が発行されたのは、実に42年ぶりのこと。国内で最高額の紙幣、1万円札が発行された1958年以来です。旧1万円札は、ご存知、聖徳太子を表右側に配した絵柄で有名。当時の1万円は大卒の新入社員の初任給とほぼ同額だったとか。まだ“給料袋”が主流だったため、「給料袋が薄くなる!」という苦情が出るのを恐れ、大蔵省(当時)は企業に向けては1万円札を使わないよう呼びかけていたそう。

 

旧札の“顔”であった聖徳太子。彼は「一度に何人もの人の話を同時に聞くことができた」人物とされていますが、そのいわれは、どうやら彼の名前にあるようです。彼の本名は「上宮之厩戸豊聰八耳尊(うえのみやのうまやどのとよとやつみみのみこと)」。その字が表わすとおり、「一時に八の白言(まおすこと)を聞いてその理(ことわり)を弁す。また、を聞きて八を智(し)る。故に厩戸豊聰八耳皇子と号(もう)す」(学研「聖徳太子の本」引用)に由来するとか。人の話をよく聞き、一つの事柄から多くのことを推し量るイマジネーションと経験・知識持ち合わせた“聡明な耳”の持ち主であったということでしょう。

 

7世紀、叔母(母の姉)であり、義母でもあった推古天皇の時代に、摂政として実質的に国政を司る立場にあった聖徳太子。当時、強大な権力を有し現れた中国・隋の脅威に危機感を抱いていた彼が、自国の意思統一を図り、基盤を固めるために制定したのが憲法十七条です。第一条にある「和をもって貴(とうと)しとし」という条文はあまりにも有名。治世に何よりも調和を重視した彼の国家へのビジョンをうかがい知ることができます。


この、日本人なら誰もが知っている歴史上の人物をファンド名にしたのが、ゴールドマン・サックスの「聖徳太子」です。国内の株式と債券に概ね50%ずつ投資する国内バランス・ファンドで、株式と債券に分散投資することで収益性と安定性を追求。そのネーミングには、治世に調和を重んじた聖徳太子のように、日本の株式と債券にバランスよく投資する商品、という意味が込められているといいます。一度に何人もの人の話を聞き分けた“聡明な耳”の持ち主にちなみ、市場の発する様々な情報を収集し、運用に役立てていこうというもの。

 

同社によると「1万円札にもなったことから、お客様からは『“お金”とイメージが結びつきやすい』という声をいただくほか、『一度聞いたら忘れられない』とおっしゃるかたもいらっしゃいますね」とのこと。1万円札の顔が聖徳太子から福沢諭吉に代わって既に16年。しかし、聖徳太子は今でも私たち日本人にとってなじみの深い歴史上の人物であり、同社の代表的ファンド「ダ・ヴィンチ」と並び、印象的なファンド名となっています。

 

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