現在の企業年金制度では、あらかじめ将来の給付額が決まっている確定給付型しか認められていません。しかし、バブル崩壊後のこの低金利時代、思ったような運用収益はあげられず、企業はその差額の埋め合わせで会社経営を圧迫させています。実際、企業年金を解散する企業は1996年から相次いで発生しています。よく知られるもので、1997年のヤオハンの年金解散がありました。
日本経済新聞社が1999年6月に主要65社を対象に実施した調査によると、年金退職金の積み立て不足は6兆2000億円に達するということです。これは2001年3月期から導入される退職給付会計に沿って試算された数字で、会計基準変更時に表面化する不足分は15年以内で処理することが必要となるため、この不足は長期にわたって企業を圧迫する可能性が高まってきています。
また、解散にまでは追い込まれてはいませんが、大手企業では予定利率を引き下げるなどの企業年金改革が相次いでいます。現在の預金金利は大口の定期預金で期間が10年でも0.6~0.7%ほどなのに、年金の予定利率は約5.5%と現実離れしています。もちろん年金は大口定期で運用されてはいませんが、高利回りでの運用が難しくなってきています。
確定給付という年金制度によって一人ひとりがあらかじめ決まっている金額を受給することを維持するためには、企業が積立て部分を補填するか、現役世代の負担を増やすかになります。しかしこのような方法では資金不足の解消には限界があり、最終的には給付額が引き下げられるか、給付開始年齢の引き上げなどで対応せざるを得なくなります。そして、企業の倒産やリストラ等による雇用体系の変化により、終身雇用というこれまでの考え方も大きく変わってきています。現在の年金制度のままだと企業年金の受給資格を得るまでには長い期間同じ企業に勤務することが必要であり、短い期間での転職は加入者にとって不利になります。これでは雇用流動化には対応できません。このようなことからも日本版の確定拠出型年金401kの導入が待ち望まれていたのです。
⇒1999年の年金改革