ファンドマネージャー・インタビュー : 投資信託の投信資料館

グローバル バランス オープンの運用について

このインタビューは、衛星放送ビジネスブレークスルーの「Meet the Fund Manager」において放送されたものです。今回のゲストは太陽投信委託株式会社外国株式運用部主任舘山純哉氏。収録日は1998年11月5日。

(番組の解説は財務コンサルタントの村藤功氏。)


 こんにちは。村藤功です。Meet the Fund managerでは毎回第一線でご活躍されていますファンドマネージャーをスタジオにお招きしてお話を伺って参ります。今日お越しいただいたのは太陽投信委託のファンドマネージャー館山純哉さんです。館山さん、どうぞよろしくお願いします。

 よろしくお願いします。

 

 太陽投資委託さんと言いますと日本でも指折りの投資信託会社ですが、館山さんはファンドマネージャーをされてからどれくらいになるんですか?

 私は92年からになりますので6年半になります。

 

 これまではだどのようなファンドを扱ってらしたんですか?

 はじめの1年は主に日本株の部署に在籍しておりまして、日本株中心、それに加え一部債券へも投資するファンドというものを運用してまいりました。その後1年ほどしまして、外国株運用部に転籍いたしまして欧米株やアジア株、株式のアクティブファンド、こちらの方を中心に運用してまいりました。

 

 どちらかというと株が中心でやっていらした?

 はい。

 

 債券は株とは違いますか?

 はい。やはりかなり違いますのでそちらの方は弊社内の外国債券課との連携を取りまして運用に当たっているという段階でございます。

 

 バランスファンドと言うことでなにをバランスしてるのかなあ、と思うんですが?これは株と債券ですか?

 はい。株式と債券の両方に投資することによって分散投資によるリスクの低減とあらゆるところからリターンを取る、というところのバランスを取るという意味でバランスファンドという名称になっておりますが。

 

 それからグローバルと付いているので世界中の株と債券に投資するというファンドだと思うのですけど、ほんとにどこでも買っていいということなんですか?

 運用方針としては先進国中心です。ファンドのコンセプトとしてクオリティの高いところへの投資を重視しようというものがございまして、債券で言いますと先進国中心で格付けも高いものを中心に選定しております。株式についても、先進国の代表的銘柄を中心にしてポートフォリオを構成しております。

 

 株と債券の他に使えばいろいろ、例えばディリバティブとかオプションとかフューチャーとかいろいろあり得ると思うんですけれどもそういう複雑なディリバティブなんかを使ってるんですか?

 今はやりのレバレッジと申しますかてこを効かせて大きく、少ない金額で取ろうといった形は考えておりません。現在使用しておりますのは株価指数、先物を一部使用しております。資産規模を考えてみますと現状で現物株式に投資しても思うような分散効果は得にくいというような意味合いから指数そのものを買うという発想に立ちまして先物に投資しています。あくまで現物の代替として使用しているわけです。

 

 株の先物をお使いだということですけども、株式市場は相当厳しい状況ですから先物を使って下がる局面で売って買って儲けようかというような考え方もあり得ると思うのですけども、その辺は下がるところで売って買いみたいなことをされているのですか?

 いや、そういう使い方はしておりません。あくまで現物株式の代替ですのであくまで買いから入って上昇したら売るということで利益を得ようと、いうコンセプトです。

 

 先ほどレバレッジを高めるようなことはされないとおっしゃいましたけれども、アメリカのヘッジファンドだとか、元手はほとんどないのにいろんなとこからお金を借りて、プライベート・インベスメント・パートナーシップですか、割と自由に資金を集めて運用しようというような事もあるみたいですけれども、このファンドの場合外から-例えば銀行借り入れをするとか-そういうことはあるのですか?

 ファンドによってはそのようなはやりのスタイルもあるかと思いますけれども、そういった方針は採用しておりません。あくまで投資家の皆さまに投資していただいた純資産をもとに運用しております。

 

 今投資されている資産構成のチャートを見てみましょうか。これをみますと資産構成の推移が出ているわけですけれども、97年の3月に始めたときにはコールが相当多いという状況ですね。98年の末にはほとんど外国債券というわけですね。これはどういう形でこのように変わってきたというふうに考えればよろしいのでしょうか?

 (97年)3月末はですね、設定が3月26日という事でございますので、投資した初期の段階で、ポートフォリオの構築中という段階ですのでまだコールの方が多い状況でした。その後徐々に外国債券から株式、といった形で本来考えております株式30%、債券70%という基本的な投資比率に合わせる形でやってまいりました。

 

 だいたい70%、30%という割合が基本方針なのですか?

 はい。

 

 資産構成は変わってきていますけれども、だいたいどういう感じで変わってきてるんですか?外国株式ですか?

 はい。この98年3月4月以降資産構成が非常に頻繁にぶれているという状況ですが、98年の3月にファンドの1年間のクローズ期間があけまして解約が可能になったという時点で、一旦解約対応ということで円資金としてコールを増やしております。4月にもそういった形で対応しておりまして、その後解約による資金流失が落ち着いてきたという事の判断に立ちまして、またポートフォリオを構築するというプロセスに立ちまして、延長上にそれまでと同様の状況に戻すようなことをやっております。

 

 98年3月、4月がコールに戻って、その後債券のポートフォリオを構築されたと。ちょっと債券のポートフォリオの中身を見てみましょうか。これで見ますと、グローバル債券、国別構成比率の推移ということが出ていますけれども、一番多いのはどこですか?

 やはりアメリカが中心でした。設定以来97年3月から今年(98年)の前半あたりまでかなりドルが堅調に推移してきたということもございましてかなり米国債券のリターンというものが期待できるといった判断から米国中心の運用を行ってまいりました。その後夏場あたりからですね、来年(99年)のユーロ発足に向けてユーロというものが注目される中、欧州通貨というものにも投資を振り向けてきまして、若干ドルが弱含んだ場面がございましたので相対的に欧州の方をオーバーウェイトにする形という戦略を採っております。

 

 今年(98年)の9月ぐらいまで、ヨーロッパの方の債券を増やしてきたという形ですね?

 はい。

 

 ヨーロッパの中でも多いのはどこのですか?

 ドイツを中心といたしまして、その他の国としてはイギリス、スウェーデンといったあたりで、ドイツを除きますと今後比較的金利収斂ということを見込みまして相対的に金利の高い国というところで金利収入を稼ごうと考えております。

 

 この国の選択でドイツ、イギリス、スウェーデンと。ヨーロッパの基本はドイツということですかね?

 そうですね。やはり債券の時価総額、流動性等を考えるとヨーロッパではドイツ債券というものは欠かすことの出来ない存在です。

 

 グローバルに債券にも株にも投資するファンドということで、相当難しいんじゃないですか。あらゆる国の株式市場ですとか金利市場ですとか為替の動きだとかを見ないとどこがいいのか言いにくいですよね?これは全部ご自分で研究されてるんしょうか?

 こちらに関しましてはファンドの特色の一つでもありますアドバイザーということでシティトラスト信託銀行から情報提供を受けております。シティトラスト信託銀行というのはシティバンクグループということで世界各地に拠点を設けておりましてこちらから情報収集を行うと。そのアドバイスをもとに我々の質問なり、疑問点なりにはすばやく対応していただけるということが可能となっておりますのでそちらの資料を参考にさせていただいている状況です。

 

 シティバンクのアセットマネジメントグループと考えていいわけですね?

 はい。結構です。

 

 情報提供というのはいわゆるリサーチレポートだけもらうと言うことではなくて、毎週とか毎日とかお話しされたりするのですか?

 ええ。このファンドに対する責任者がおりますので彼とは毎日のように電話で情報交換、そして情報の摺り合わせを行っておりまして、こういった情報をファンドの運用に生かしております。

 

 太陽投信の内部の運用体制では、どういう形でいろんなことを決めたり、実際これに投資してみようとということを決められているのでしょうか?

 運用部門は国内株、外国株式、そして国内債券、外国債券というように商品別に分かれていますが、このファンドの場合を含めて、この他にエコノミスト、アナリストを抱える運用企画調査室、こちらの方からの情報提供とバックアップを受ける形、そして先ほど債券の投資のところでも申し上げましたが外国債券のファンドマネージャーも協力する形でファンドを運用していくというかんじですね。

 

 アナリスト、と言っても株のアナリストですとか債券のアナリスト、日本株のアナリスト、外国株のアナリストといろいろいるわけですが、だいたい何人ぐらいいるのですか?

 アナリスト専任としてはいまのところ二名しかおりません。

 

 二名で全体をご覧になっていると?

 基本的には弊社の株式運用スタイルについてはボトムアップリサーチということでファンドマネージャー自身がアナリストの役目も果たして企業訪問を積極的に行っています。そこで得た情報は会議等で交換して運用するという体制になっておりますので、専業という形では人数は少ないですが総数としてはアナリスト体制は万全なものというふうに考えております。

 

 なるほど。ファンドマネージャーの方は今何人ぐらいいらっしゃるんですか?

 全部で20名強になるかと思います。

 

 それで全部合わせるとどれぐらいの資産を運用されているんですか?

 債券、株式投信両方合わせますと約1兆4000億円ぐらいの規模となります。

 

 1兆4000億円?大変な規模ですね。20人のファンドマネージャーと2人のアナリスト、ファンドマネージャー兼アナリストというわけですね。なるほど。先ほど債券投資の際にまあ割と格付けのいい債券にしか投資されないとおっしゃいましたけれども、投資適格以上しか投資されないとかなんかそういう基準はあるのですか?

 基準としては、基本的にはAAAということを考えております。一部AAというところまで入れています、ポートフォリオで考えますとスペインですね。先ほど債券の国別構成比率でも数%入っておりますけれどもスペイン一国がAAということでございましてその他の債券については全てS&P社のAAA格付の国債という投資対象になっております。

 

 格付け機関はS&Pで見られているわけですね?

 S&Pを参考にしております。

 

 だいたい国債ということで社債のほうは買われてないのですか?

 これまで一年半の運用期間を通じて一度ポートフォリオの5%ですが、AA格の社債を組み入れたことがございますが、それ以外は全て国債で運用しております。

 

 国債と言っても発展途上国のロシアだとかラテンアメリカだとかアジアだとかで世界の金融機関が損しているところもありますけれど、この辺のエマージングの方はあまり買われない?

 ええ。投資する予定はございません。

 

 設定以来投資されたことはない?

 はい。一貫した方針でございます。

 

 外債に投資される場合ですけれども、当然日本円から始めれば為替が問題になってくると思いますけれども、ヘッジはどのように考えているんですか?

 こちらは対応としては機動的にヘッジするということで局面によってはヘッジします。基本的には中長期的な為替見通しを立てまして、そちらに沿った運用・投資を行いますけれども仮に中長期的にドル高を見込んだ場合でも短期的には局面によって買われ過ぎの状況になるという場合もございますので、そういった場合には機動的にヘッジを行うというような運用をしております。

 

 株もそうかもわかりませんけれども債券というと名目金利だけでなくてインフレなどを考えた実質金利がどうかと、為替はどうかと、いうようなことを考えなくてはいけないということで、そういう意味ではGDPがどうなんだろうとか失業率とか経済的な見通しまである程度考えなくてはいけないと思うのですけれども、その当たりは如何ですか。

 こちらに関しては細かくチェックするようにしております。情報提供も先ほど申し上げましたとおりシティ信託銀行など各拠点からの情報を参考にして判断するという作業を行っております。

 

 シティさんからはそういったグローバルな主要国の経済の見通しというのもだいたいこんなもんかなとか、ドイツは上がるとか下がるとかいう話はあるのですか?

 そういう話もございます。

 

 情報開示の話ですけれども、投資家の皆さんに対してはどのように情報開示されてますか?

 情報開示についてはこのファンドは非常に力を入れている点でございまして法定であります年二回の決算報告書、こちらのほうはご投資家の皆さまに配布するのはもちろんのこと、マンスリーベースや週ベースという形でそれまでの運用概要、そして今後の見通しとにつきましては逐一、ペーパーという形でお伝えできるようになっております。このファンドは先ほどの資産構成の動きにもありましたけれども、こういった形を気にされるお客様もいらっしゃることですから、資産を動かした際には細かい点は除いてですけれども大きな資産のアセットアロケーションの変更といった場合には即座に販売先を通じてお客様にご報告できるような体制で、ニュースとしてお流ししております。

 

 他に、最近ホームページで見ることができるというところも多いですけれど?

 週次で開示しております運用レポートなどは弊社太陽投信のホームページでご覧いただけます。

 

 さて、一番投資家さんの皆さんが気になるパフォーマンスについてお話をしてみたいと思うのですけれども、チャートを見てみましょうか。これは基準価格の推移というチャートですけれどもこれはどういうふうに見ればよろしいんでしょうか?

 左端が設定時でございますけど、一万円からスタートしましてちょうど真ん中あたりの98年3月25日、こちらの方で第一期決算を迎えました。そのおりに分配金として1500円分配させていただいております。

 

 1500円ですから15%も分配されたと?

 はい。

 

 これは分配された後は一万円に戻ったということですかね?

 一万円ちょうどというわけではないのですが、ほぼ一万円ぐらいまで分配させていただいております。

 

 これは儲けた分は一期ごとに払おうというポリシーなわけですか?

 ええ。そういう形を取っております。

 

 一万円に戻ってからまた儲けていって、一年経ったら儲けた分を出すと?分かり易くていいですね。で、ファンドのパフォーマンスということになりますとなにがベンチマークかというのが問題となるわけですけれども、通常の日本株だけとか、あるいはアメリカ株だけとかだと楽なのですけどこのファンドのように世界中の株式もやるしまたは債券もやると、いうことですと一体なにをベンチマークとしてお考えなんですか?

 考えているのは世界株式インデックスを30%、で世界国債インデックスを70%。この合成のインデックスをベンチマークとして採用しております。

 

 この国債インデックスというのは公社債などではなくて国債だけの?

 そうです。

 

 なるほど。これを比べると設定以来勝ったか負けたかというのはいかがですか?

 設定以来で考えますとプラスで5%程度、まあアウトパフォームというかたちで推移しております。

 

 アウトパフォームということは勝ったということですよね。もう一つのパフォーマンスチャートをみたいと思うのですけれど、これはどういうふうに見ればいいんですか?

 こちらは投資信託協会のほうから発表されております過去一年間のバランス型のファンドの騰落率を集めたものです。まあ平均値と弊社のグローバルバランスのパフォーマンスを比較していただきたいと思い、こちらの方をご提供させていただきました。月次で表しておりまして、こちらの真ん中のピンクの折れ線グラフがバランス型ファンドの平均値の推移となっておりまして、まあ直近に一番右端になりますけれども9月末でバランス型全体では-0.7%、過去一年間の騰落率が-0.7%と。これに対しまして青の折れ線グラフがグローバルバランスのパフォーマンスでございましてこちらは9月末で23.5%ということになっております。で、下の四角の表ですがこちらはバランス型全体のトータルの本数でございます。この全体の中でグローバルバランスは一体何位なのかを示しておりまして、7月、8月、9月というところで三ヶ月連続で一位ということになっております。

 

 すばらしいですね。だいたい日本に90ぐらいのバランス型ファンドがあると。月ごとに数が違うのはファンドが新しく出来たり償還が来たりということですね。これで見ると過去3ヶ月連続でトップということですね。この秘訣はなんですかね?

 こちらはですね、やはりクオリティーの高いものに投資したということで、この春先から質への逃避ということが叫ばれておりますけれども、その流れにうまく乗れたということと、それと株式がある程度上昇して割高感が出てきたというところで思い切って組み入れ比率をゼロにしたという点ではその後の株式の下落によるマイナスを受けなかったということがパフォーマンスに貢献していると考えております。

 

 一年で今時15%の配当をもらえればみんなハッピーだとおもいますが、これの内訳っていうとだいたいどこで儲けたのでしょうか。外国の株ですとか債券に投資しているわけですから債券で儲けた部分だとか株で儲かった部分、そして実は為替で儲けた部分と結構あったりすると思うのですがだいたいイメージ的に行くとどれがどれくらいの割合だと?

 そうですね全体を100と考えますと、為替でだいたい半分の50、債券が35、でのこりの15ぐらいが株式で得たリターンというイメージでよろしいかと思います。

 

 債券が35ぐらい、100のうちの35ぐらいということですけども、債券というのはインカム部分、金利部分と金利変動で債券の値段が上がったり下がったりというキャピタルゲインの部分があると思うのですけどもこれは債券で儲けたのは金利部分とキャピタル部分はどれくらいの割合ですかね?

 債券部分で35としますとだいたいその半分強が金利で得た部分と、残りがキャピタルゲインの部分というイメージです。

 

 なるほど。為替が結構大きいですね?

 今期と言いますか前期ですね。この15%稼いだ中では為替による要因が大きかったと、波に乗る形でヘッジをしないで成功したということだと思います。

 

 ちなみに純資産額というのはどれくらいの感じで推移しているのですか?

 設定時が約170億、その後ファンドの値上がりで200億強までピーク時では上昇いたしました。その後クローズド期間があけまして、解約等がございまして現状では30億ということになっております。

 

 結構減少していますね。これだけ儲けて過去三ヶ月一番だというのになんで皆さん解約するのでしょうね?

 まあここら辺期中での株式市場の変動ですとか為替市場の変動ということがございましたので、このあたりで早めに利益がある内に確定してしまおうというお考えの投資家の皆さんもいらっしゃったと思いますので、特にこのファンド自体でパフォーマンスなりですね、悪くてやめてしまおうと考えた方は少ないんじゃないかと思っています。

 

 このファンドはどこで買えるのかというものをちょっと見てもらいましょうか。これを見ますとお申し込み場所と出ていますけれども新日本証券とシティコープ証券、太陽投資信託ですね。シティコープ証券東京支店というのはどこにあるのですか。

 こちら天王洲アイルにございます。

 

 太陽投資信託さんから直接買わせていただくと販売手数料がただになるとかいうのはないのですか?

 残念ながら皆さん共通で手数料をいただいております。

 

 手数料はだいたいどれくらいですか?

 基準価格に対しまして2%です。

 

 それに信託報酬がちょっとあるということですね。最後に何か投資家さんにメッセージみたいなものはありますか?

 こちらのファンド、先ほど再三申し上げましたがクオリティーの高い投資ということで債券もAAA、そして株式の方も主要国の代表銘柄ということで特に質を重視しておりまして、わからないところへの投資、まあエマージングですとかハイイールドといったところへの投資は行っておりません。そういった質への投資ということを全面に掲げております。

 

 どうもありがとうございました。