4. 保有債券の評価2: 残存1年以上の債券
b)やc)の、残存期間が1年を超える債券は、基本的に時価評価されますが、運用会社がこれを満期保有目的債券というカテゴリーに分類すると、売却が出来なくなる代わりに償却原価法によって評価がおこなわれます。各社のMMFが保有していたエンロン社債のうち、2003年償還のものは、この満期保有目的債券として保有されていたと思われます。満期保有債券やa)のように償還までの期間が短い債券は、償却原価法という時価を反映しない方法で評価するかわりに、運用会社は常に時価を入手し、それと簿価の差をチェックしていなければなりません。また、簿価と時価との差額が大きくなった場合、その原因を調査し、もしも償還や利払いが不確実になったことが原因であるという結論に至ったならば、上記の1年以内の債券同様、時価評価を行います。エンロンの債券はほとんどの債券同様、取引所などで取引されているわけではありません。また、そうした場合によく用いられる「証券業協会基準気配」、すなわち証券業協会が公表する参考価格も、エンロン債がユーロ円債であったために、公表されてはいませんでした。そこで投資信託会社各社は、そうした場合に用いる時価情報として、「価格ベンダー」や「その債券を買ったもとの証券会社」から時価情報を入手する、という方法を取りました。