イベント・ドリブンは、ヘッジファンドの投資戦略の一つで、株価に大きな影響を与えるような出来事(イベント)を利用して、そのイベントが上手くいくか、失敗するかに賭けて大きくポジションをとる投資手法です。英語ではevent-drivenと書きます。ここで言うイベントとは、企業の合併、買収、業績の大幅修正、規制改正などによる業績への大きな影響などが含まれます。
例えば、企業が買収を発表した場合に、イベント・ドリブン戦略のヘッジファンドは、その買収が上手くいくという見通しを持った場合には、買収される企業の株式を購入し、買収する側の企業の株を空売りします。通常、買収の発表が行われた場合、買収価格(株価)は買収される側の企業のその時点での株価を上回っています。買収が発表され、それが上手くいけば、買収される側の企業の株価は上昇して、買収する側の企業の株価は下落し、両者の株価は互いに収斂する方向に向かいます。その結果、イベント・ドリブン戦略は大きな利益を獲得することになります。一方で、もし、市場が買収に難色を示し、合併が上手くいかなかった場合には、安心感などから買収を仕掛けた企業の株価が上昇し、ターゲットとなった企業の株価が下落し、イベント・ドリブン戦略のポジションに損失が生じる可能性もあります。あるいは、合併発表当初から合併が失敗すると予想すれば、逆のポジションをとることで、このイベントを利用します。一般的なファンドマネージャーは、合併後に生まれた会社の業績を予想して、より長期的な見通しから株式を購入するかどうかを決定しますが、イベント・ドリブンでは、合併発表から合併までの短い期間で、その成否のいずれかに大きく賭けることになります。
日本の投資信託は、このような運用手法は認められていませんが、規制の緩い海外で設定され、日本国内で販売されている外国籍の投資信託には、イベント・ドリブン戦略を採用しているファンドを投資対象としたファンド・オブ・ファンズもあります。