2) トータルリターン
投資評価の基本は、
a) いくら投資して、
b) いくら回収したのか、
この2つが基本です。しかし、もう少し詳しく見ると、
c) いつ投資して、いつ回収したのか
という問題が含まれていることがわかります。次のような投資を考えましょう。100万円を投資して、1年後に20万円、2年後に110万円回収したとします。この収益を測るとき、単純に1年後に受け取った20万円を、2年後に受け取った110万円と合計しては、2年後だけに130万円を受け取ったケースと区別がつきません。そこで、1年後に受け取った20万円は、その時の価格で、元の資産に再投資したと仮定し、2年後には合計でいくらの資産になっているか、ということを考えます。単純化のために、1年後に20万円の分配金を支払った後、その資産の価格は100万円に戻っていたとすれば、それが更に1年後には110万円になったわけですから、1年後に受け取った20万円は2年後には20×(110÷100) = 22万円になっているはずです。したがって、2年後には合計110+22 = 132万円受け取っている計算になります。こうしておいて、2年後だけに130万円を受け取ったケースと比べれば、前者の方が2年後の資産額が2万円だけ大きく、よりよい投資であったといえそうです。こうした、投資期間中に発生したキャッシュフローを全て再投資していれば投資期間終了時に全額まとめていくらになっていたかでパフォーマンスを測る考え方を、トータルリターンといいます。トータルリターンは、同じ投資期間で、同じような投資対象同士を比べるときに便利な道具です。
また、投資期間が同じ投資対象同士ならば、収益額ではなく収益率で比較することも可能です。上記の前者のケースならば、トータルリターンは金額ベースで32万円、収益率ベースで32÷100 = 32%です。こうして、投資金額に対して何%の収益率であったかを考えることで、価格の違う資産同士の比較が簡単に行えます。例えば、1000円の株式が1100円になった場合と、100円の株式が160円になった場合を比べると、収益金額ベースでは前者の方が大きいですが、「同じだけの金額を投資していたらどうなったか」を考える場合、前者は10%、後者は60%、といった収益率で考えた方がよいでしょう。さらに、通常収益率は複利計算の年率で表示します。最初のケースに戻って、2年間で32%のトータルリターンを得たならば、複利年率の収益率は
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になります。
3) トータルリスクへ進む