3) トータルリスク
異なる種類の資産や投資のパフォーマンスを比較したり、また比較が可能な形でパフォーマンスを数量化するためには、前項で説明したa) 投資額、b) 回収額、c) 回収タイミングの3つに加え、d) どれぐらいのリスクを伴う投資であるかを考慮する必要があります。真剣に投資を考えるならば、誰でも高いリターンと低いリスクを好みます。リスクが低く、リターンが高い投資は誰の目にも明らかに良い投資ですが、リスクもリターンも低い投資と、リスクもリターンも高い投資を比較する必要がある場合には、2)で説明したようなトータルリターンの比較では不十分です。リスクが高ければより高いリターンでないと我々は満足しませんし、リスクが低い投資ならばリターンが低くでも満足できる場合があるからです。こうしたとき、トータルリターンを%で測り、「投資した金額当たりのトータルリターン」を考えたように、「取ったトータルリスク当たりのリターン」を考えれば良いでしょう。具体的には、シャープレシオと呼ばれる指標が良く用いられます。
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トータルリターンは前項で説明した複利年率のトータルリターン、リスクフリー金利とは、リスクがない投資のトータルリターンで、通常割引国債や短期金融商品の利回りなどが用いられます。また、取ったトータルリスクの大きさは、トータルリターンの標準偏差で測ります。
リスクフリー金利をトータルリターンから差し引くのは、あえてリスクを取らなくても、リスクフリー金利で運用すればいくらかのリターンが得られるからです。これを差し引くことで、あえてリスクを取ったことで、リスクを取らない場合に比べ、より高いリターンがどれだけ得られたかを計算していることになります。これを、「リスクフリー金利に対する超過収益率」と呼びます。この超過収益率をトータルリスクで割ることで、取ったリスク当たりの超過収益率が計算されています。シャープレシオは、1990年のノーベル賞受賞経済学者、ウィリアムシャープが提唱したパフォーマンス評価指標です。この指標は、保有している資産全体や、リスク資産全体のパフォーマンスを評価する場合に適切な指標です。シャープレシオが高いほど、より好ましいパフォーマンスであると言えます。
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