毎月決算を行い、分配を行うタイプのファンドを毎月決算型ファンドと呼びます。毎月決算型のファンドには、分配金を毎月受益者に支払うタイプと分配金を課税後に決算日の基準価額で再投資するタイプがあり、中でも前者を一般に毎月分配型ファンドと呼んでいます。
毎月決算型のファンドは、その多くが外国の債券を主な投資対象としており、債券投資から得られた配当金をファンドの分配金として払い出す仕組みとなっています。国内最大ファンドであるグローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型で分配金受取コースと再投資コースの両者あり)の純資産残高が2003年4月末現在で1.6兆円に達するなど、毎月決算型ファンドの人気は高く、2002年以降、多くの毎月決算型(含む毎月分配型ファンド)が設定されています。
2002年以降に設定された毎月決算型の追加型株式投資信託
ファンド名 |
設定日 |
| ソロモン毎月分配型ファンド | 2002/2/28 |
| アセットバック証券オープン(毎月分配型)Cコース | 2002/3/1 |
| アセットバック証券オープン(毎月分配型)Dコース | 2002/3/1 |
| 毎月分配ハイクオリティユーロ債券ファンド | 2002/6/7 |
| シティ・ユーロ毎月分配型ファンド | 2002/6/18 |
| GS毎月分配債券ファンド | 2002/6/28 |
| GS世界債券オープンCコース(毎月分配型/限定為替ヘッジ) | 2002/6/28 |
| GS世界債券オープンDコース(毎月分配型/為替ヘッジなし) | 2002/6/28 |
| グローバル・ボンド・ポート(毎月決算型) | 2002/7/19 |
| 東京三菱外国債券オープン(毎月分配型) | 2002/8/29 |
| ピクテ・ユーロ最高格付国債ファンド(毎月決算型) | 2002/9/25 |
| ダイワ高格付ユーロ債オープン(毎月分配型) | 2002/9/27 |
| 損保ジャパン-TCW・MBSファンド(毎月分配型) | 2002/9/27 |
| ダイワ高格付豪ドル債オープン(毎月分配型) | 2002/10/31 |
| インベスコユーロ債券ファンド(毎月決算型) | 2002/10/31 |
| 明治ドレスナー外国債券オープン(毎月分配型) | 2002/11/18 |
| JPMFユーロ公社債ファンド(為替ヘッジなし/毎月決算型) | 2002/12/10 |
| 東京三菱ユーロ債券オープン(毎月分配型) | 2003/1/10 |
| UFJパートナーズUSボンドファンド(毎月分配型) | 2003/1/14 |
| UFJパートナーズユーロボンドファンド(毎月分配型) | 2003/1/14 |
| DKA欧州債券ファンド(毎月分配型) | 2003/1/28 |
| グローバル・ボンド・ポート(毎月決算型)2 | 2003/1/29 |
| DKA豪ドル債券ファンド(毎月分配型) | 2003/2/7 |
| インベスコオーストラリア債券ファンド(毎月分配型) | 2003/2/28 |
| 住信ヨーロッパ国債ファンド(毎月決算型) | 2003/2/28 |
| 住信外国債券オープン(毎月決算型) | 2003/3/27 |
| 日興・GS世界ソブリンファンド(毎月分配型) | 2003/3/28 |
| 短期豪ドル債オープン(毎月分配型) | 2003/4/18 |
| フィデリティ米国投資適格債ファンド(毎月決算型) | 2003/4/30 |
グローバル・ソブリン・オープンの純資産総額が1.6兆円を超えたこともあり、毎月決算型のファンドに注目が集まっていますが、米国の債券ファンドを見ると、毎月決算型が主流であり、特に新しい形式のファンドというわけではありません。実際、米国最大のファンドも毎月決算型の債券ファンドのピムコ・トータル・リターン・ファンド(日本国内では日興コーディアル証券が販売)で、これで日米における最大ファンドはいずれも毎月決算型の債券ファンドとなったわけです。
毎月決算型ファンドは、投資対象としている債券の信用によりおおまかに二つに分類することができます。一つは、比較的格付けの高い債券を投資対象とするファンド、もう一つは、ハイイールド債券を主要投資対象とするファンドです。ただし、前者の中でも実際のファンドの平均格付を見るとAAAからAまでとかなりの格差があります。また、毎月決算型ファンドと言っても、対象とする債券の種類、組入銘柄、組入銘柄数、組入比率やデュレーションについても、ファンドによりかなりの差が見られます。また、投資対象とする債券の通貨についても、ユーロ建て、米ドル建て、豪ドル建てを中心とするものがあります。つまり、同じ毎月決算型ファンドと言っても、リスク特性はファンドにより大きく異なっているわけです。
毎月決算型ファンドの魅力と注意点
毎月決算型のファンドに注目が集まっていますが、毎月決算型ファンドのメリットとデメリットについては議論が分かれるところです。議論を整理すると概ね以下のようになります。しかし、重要なことは、各ファンドの仕組みと組入債券の違いによるリスク特性等を投資家が充分に理解した上で、各自の運用のニーズにあっているファンドを選択することであり、毎月分配型の一つの側面だけを取り上げて毎月決算型ファンドの是非を論ずることはあまり意味を持たないのではないかと思います。
議論@毎月分配という仕組みについて
毎月決算型の魅力としては毎月分配を受け取ることができて、その利率が預貯金、MMF、CDなど他のインカムゲインを目的とした商品と比較して高いことが挙げられます。このため、退職者など定期的な収入源を必要としている投資家には人気があるようです。一方で、毎月分配を行うと分配金には20%の税金が源泉徴収され、残りの部分が投資家の受取分、あるいは再投資分になりますが、この時、再投資を前提にするのであれば分配金を出さないファンドの方が、課税されずに元本に組入れたまま運用できるので、税金面で有利であるという議論があります。しかし、毎月の分配受取を目的として毎月分配型ファンドを購入しているのであれば、こういう議論は該当しません。ただ、他のインカムゲインを目的とした商品より高いゲインを得られることは、それだけ高いリスクをとっていることを理解する必要があります。
議論A収益性について
毎月分配型ファンドについては元本の収益性がよくわからなくなるという問題点があります。毎月分配型のファンドを保有していると、毎月の分配に気をとられ基準価額には目が向かなくなってしまいます。しかし、一部の運用会社では、短期的に人気を集めるためにかなり無理に分配金を払いつづけ、結果元本部分が減ってしまっていることがあります。いわゆる「タコハイ」です。いくら毎月分配を受け取りたいとはいえ、元本の減少が分配を上回るようでは意味がありません。ただ、全ての毎月分配型ファンドがタコハイを行っているわけでもありません。収益性については、ファンドのトータルリターンがどのような状況になっているかをチェックすることが重要となります。
議論B為替リスクについて
毎月決算型のファンドのほとんどが外国債券に投資するファンドであるため、外国為替の変動を受けやすい特徴があります。しかし、一方で、毎月分配を実現するためには、今のような超低金利状況にある日本の債券を投資対象としていては実現できませんので、外国の債券に投資するからこそ可能な仕組みのファンドであるといえます。また、為替ヘッジの方針についてもファンドにより異なります。為替リスクをとりたくない場合には、為替ヘッジが実施されているファンドを選択すればよいわけです。
議論C信用リスクについて
先述のように、毎月決算型ファンドの投資対象は平均格付がAAAのものから、BBといったハイイールド債券を中心とするものまで様々です。つまり信用リスクはファンドにより大きく異なるわけです。過去において1997年から1998年の新興市場危機の際には、新興諸国市場のハイイールド債券を組入れていた毎月分配型のファンドが大きな打撃を受け、それ以降、毎月分配型=ハイイールド債投資=高リスクといった誤ったイメージが生まれてしまいました。ハイイールド債券への投資は高リスクではありますが、毎月決算型の全てがハイイールド債を投資対象としているわけではありません。先進国の国債といった信用リスクの最も低い債券を主な投資対象としているファンドもあります。また、リスクをとってでも高い水準の毎月分配を期待したいという投資家にとっては、ハイイールドを中心とした毎月決算型も選択肢の一つです。
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