消費税法の一部が改正されたことに伴い、平成16年4月1日から「総額表示」が義務付けられることになります。消費税総額表示とは、課税事業者が消費者に対して商品やサービスを販売する際に、あらかじめ、その取引価格を表示する場合には、消費税額(含む地方消費税額)を含めた価格を表示することを指します。
例えば、1000円の商品であれば、値札などに表示される価格は1050円とするということです。ただし、消費税額を含む支払総額が表示されていれば、併せて「消費税額」や「税抜価格」を表示することは認められています。従って、1000円の商品であれば、@1050円、A1050円(税込)、B1050円(本体価格1000円)、C1050円(うち消費税等50円)、D1050円(本体価格1000円、消費税等50円)のいずれの表示も可能です。
これに伴い、投資信託についても手数料等の表示が変更になります。購入の際に必要となる販売手数料、信託財産から差し引かれる信託報酬等について、手数料率に消費税率をプラスした表示になるわけです。既に、目論見書などにおいて総額表示を行っているファンドもあります。
例えば、手数料率が3%というファンドについては、3%とこの3%にかかる消費税5%をプラスした3.15%という表示になります。あるいは@3.15%、A3.15%(税込)、B3.15%(手数料3.0%)、C3.15%(うち消費税等0.15%)、D3.15%(手数料3.0%、消費税等0.15%)と表示される可能性もあります。
なぜいまさらこんな変更が必要なのでしょうか。政府は総額表示の義務付けは、消費者が商品を購入する場合に、最終的な支払総額が値札や広告を見ただけでわかるようにするものであると説明しています。また、現状では「税込表示」と「税抜表示」が混在していて紛らわしいため、総額表示にすることで、消費者の煩わしさを解消していくことが、国民の消費税に対する理解を深めていただくことにつながるとも考えているようです。しかし、一部では、外税方式が消費者に浸透していることなどを理由に総額表示に反対する声が地方の商工会議所などあがっています。また、将来の消費税の増税を視野に入れ、重税感を消費者に与えないようにする陰謀ではないかという声や、義務化の必要性が不透明という意見もあります。
欧州では、消費税率(付加価値税率)は国により異なり、また、商品により異なる税率を課している国が多いようですが、価格表示については、フランス、イギリス、ドイツ、フィンランド、デンマークなどを含め、総額表示のところが多いのが現状です。税法上の規制はないようですが、EC指令において、消費者保護の見地から、
小売価格の表示は税込みの最終価格とするよう、メンバー国に求めています。一方、米国では、州により税率が異なりますが、総額表示は義務付けられていません。
なお、投信資料館のファンドデータの中での表示については、これまで通り手数料率、信託報酬率のみの表示としています。総額表示の場合は(税込)と表示しています。