Treasury Inflation Protection Securities (TIPS)は米国財務省が発行する債券で、インフレに応じて元本と利息が調整される仕組みのものです。物価連動債券、インフレ連動債とも呼ばれています。日本の物価連動国債と同様の性格の債券です。
TIPSでも、他の財務省証券や債券と同様に、6ヶ月ごとに利息が支払われ、満期になれば元本が返済されますが、TIPSの利息と元本はインフレに連動して変化します。したがって、投資家にとってはインフレリスクをヘッジできる投資対象です。1997年に始めて登場して以来、発行額は増加傾向にあります。インフレの測定については、CPI(消費者物価指数)が使用され、CPIを基に毎月インデックス・レシオ(index ratio)が発表され、このインデックス・レシオを利用して、利息と元本額が調整されます。
通常の債券では、償還時にはあらかじめ決められた元本額が払い戻されますが、TIPSでは、CPIを基本として元本額が調整され、このインフレ調整後元本と発行時の元本とを比較して、より大きいほうの金額で償還されます。したがって、デフレになった場合でも、償還額が当初の元本を下回ることはありません。
TIPSでも、利息の支払時には、他の債券と同様に固定利率で利息が支払われますが、これは当初元本に対する固定利率ではなく、インフレ調整後の元本に対する固定利率で計算されます。したがって、インフレにより元本部分が増加すれば、その増加した元本に対する固定利率となりますので、利息も増加します。デフレになった場合は、インフレ調整後の元本は減少しますので、それに応じて利息は減少します。
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