インベスタブル指数
インベスタブル指数とは、指数を構成する銘柄の全てに流動性があり、指数構築のメソドロジー(方法論)やルールブック等、指数を模倣する場合に利用できる定量的なルールが存在し、ファンドマネージャーなどの海外投資家が、実際に構成銘柄に投資しようとした場合に、投資できる銘柄で構成されていて、それらのルールに基づいてポートフォリオを構築できる指数のことをいいます。Investable(インベスタブル)は「投資可能な」を意味する英語です。
ただし、各構成銘柄がインベスタブル(投資可能)かどうかの判断や流動性の基準等は、指数の算出会社により異なります。
インベスタブル指数は、海外の投資家が利用することを前提としているため、国内の投資家と海外の投資家で異なる投資ルールが適用されていたり、海外の投資家に対して規制が課せられていたりする国や地域の証券市場を対象として算出されます。
インベスタブル指数の例
例えば、「日経アジア300指数」と「日経アジア300インベスタブル指数」を例に考えてみましょう。
両指数とも、アジアを代表する企業300社で構成される株価指数で、日本経済新聞社が算出していますが、「日経アジア300指数」はインベスタブルではなく、一方、「日経アジア300インベスタブル指数」はインベスタブルです。
「日経アジア指数」は、中国、香港、台湾、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム、インドの計11 カ国・地域の有力企業を対象に日本経済新聞社が選んだ約300 社の有力上場企業群「Asia300」をベースにした浮動株時価総額型の株価指数です。
一方、「日経アジアインヘスタブル指数」は、同じく日本経済新聞社が選んだ約300 社の有力上場企業群「Asia300」をベースにした株価指数ですが、中国、香港、台湾、韓国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、インドの10カ国・地域から300 銘柄を選定しています。国では、ベトナムが除外されています(2020年2月末現在)。また、中国株については、QFII(適格国外機関投資家制度)で認可された国外の機関投資家を除き、基本的には中国人しか投資できない人民元建ての株式である中国A 株も除かれています。
同様にS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出している湾岸協力会議( " class="glossaryLink ">GCC)に加盟する6カ国(サウジアラビア、カタール、UAE、クウェート、バーレーン、オマーン)を対象とする株価指数についても、「S&P GCC Composite指数」は、インベスタブルではなく、2020年2月末現在245銘柄で構成されていますが、同指数と同じGCC6カ国を対象としている「S&P GCC Investable指数」は、海外の投資家が利用できるインベスタブル指数で、215銘柄で構成されています。