プライベートバンカー資格とは
プライベートバンカーというと、富裕な個人や家族に対して特別な資産運用・財産管理サービスを提供するスイスの銀行を思い浮かべますが、日本においても、プライベートバンカーと呼ばれる資格制度があります。
日本のプライベートバンカー資格(PB)は、富裕層を対象に、ファミリーの資産保全・事業承継・相続を支援するために、包括的な金融サービスを提案・実行支援する専門家のことです。この専門家を養成するために、公益社団法人日本証券アナリスト協会が教育プログラムを提供し、資格試験を実施しています。この資格試験に合格した人に与えられるのが「プライベートバンカー」資格です。資格制度は2013年に開始されました。
プライベートバンカー資格の種類
プライベートバンカー資格は初級の「PBコーディネーター」、中級の「プライマリーPB」、上級の「シニアPB」の3段階から成り立っています。2017年6月現在、初級の合格者は574名、中級は1061名、上級は253名となっています。受講者の多くは銀行や証券会社に勤務する人やIFAです。また、資格取得後も、一定の継続学習が必要とされています。
プライベートバンカー教育で学ぶ内容
日本証券アナリスト協会のプライベートバンカー教育では、次の内容を学習します。
- リレーションシップ・マネジメント・・・顧客との信頼関係を構築するために必須のノウハウ。
- ウェルスマネジメント・・・企業・市場分析、資産運用・管理、相続・事業継承について。
- 不動産・・・不動産取引の留意点と不動産投資、関連税制、法令制限、不動産の相続や贈与、海外不動産、不動産を取り巻く経済環境など。
- 税金・・・日本の税法体系、個人の税法体系、法人の税法体系、消費税、個人および法人の国際税務、相続・贈与に関する日米の事例、タックスプランニングなど。
- 信託・エステートプラニング・・・信託の活用、成年後見制度、エステートプランニング、富裕層へのリーガルサービスなど富裕層の資産を安定的に運用し、次世代への円滑な承継を支援する方法について。
- マス富裕層・・・従来のプライベートバンクでは十分にサポートされなかった富裕層に準ずる顧客層へのサービス強化について。
- 職業倫理・・・強い自己抑制・顧客への最善を自発的に尽くすことについて。