ヘルスケアリートとは?


ヘルスケアリートとは

ヘルスケアリートとは、ヘルスケア施設に的を絞って投資する不動産投資信託(リート)のことです。ここでいうヘルスケア施設とは、「サービス付き高齢者向け住宅」、「有料老人ホーム」、「認知症高齢者グループホーム」のことで、これらの施設に的を絞って投資する不動産投資信託をヘルスケアリートと呼びます。

なお、日本国内のヘルスケアリートにおいて、サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条に規定されるものです。また、有料老人ホームは老人福祉法(昭和38年法律第133号)第29条に規定され、認知症高齢者グループホームは老人福祉法第5条の2第6項に基づくものとされています。

 

ヘルスケアリートの上場の背景

ヘルスケアリートの上場に関しては、国土交通省に設置された「ヘルスケア施設供給促進のための不動産証券化手法の活用及び安定利用の確保に関する検討委員会」や関連する業界団体等において、その実現に向けた協議が重ねられてきました。

また、2013年12月5日に閣議決定された「好循環実現のための経済対策」において、競争力強化に資する設備投資等の促進として、ヘルスケア施設向けの資金供給を強化するための環境整備を行なうことが盛り込まれました。

これらを受け、法改正、東京証券取引所における準備等が行なわれ、2014年にヘルスケアリートの上場が実現するに至りました。

 

東京証券取引所に上場しているヘルスケアリート

日本におけるヘルスケアリートの第1号ファンドは、2014年11月5日に上場した「日本ヘルスケア投資法人」(銘柄コード:3308)です。その後、2015年3月19日には「ヘルスケア&メディカル投資法人」(銘柄コード3455)が上場しています。

 

米国のヘルスケアリート

一方、リート先進国である米国では、最初のヘルスケアリートとなった「Health Care Fund」は1970年6月に組成されました。同ファンドは、1985年に商号を「Health Care REIT, Inc.」に変更しました。ニューヨーク証券取引所に上場しており、ティッカーコードはHCN、時価総額は約3.2兆円(2015年3月末現在)です。Health Care REIT, Inc.は、米国、カナダ、英国において1,328もの高齢者住居及びヘルスケア関連施設などに投資しています(2014年12月末現在)。

 

米国のヘルスケアリートの例