投資信託の信託期間の延長とは


信託期間の延長とは

投資信託信託期間の延長とは、予め決められている運用期間の終了日を先延ばしすることです。例えば、信託期間が2018年1月10日までのファンドの信託期間の終了日を、5年先の2023年1月10日までにするという措置です。

 

信託期間とは

投資信託は設定された時に、運用をいつまで行うかという「信託期間」が定められています。信託期間は投資信託により異なります。特に信託期間を定めない投資信託では、目論見書には「無期限」と記載されています。かつては信託期間が無期限の投資信託が多く設定・運用されていましたが、最近は、多くの投資信託の信託期間は10年程度となっています。この予め定められている信託期間の終了日を、運用途中において、延長することを信託期間の延長と呼びます。

 

信託期間の延長の例

例えば、2017年に入ってからは、野村アセットマネジメントが、ワールド・ゲノム・テクノロジー・オープンAコースとBコースの信託期間の終了日を平成 30 年 11 月 18 日から平成 35 年 11 月 20 日 に延長しました。また、アジア オープンの信託期間終了日は、平成 30 年 10 月 26 日から平成 35 年 10 月 26 日に 変更されました。ほかの運用会社においても、信託期間の延長はよく行われます。

 

投資信託の延長の影響

信託期間の短縮(繰上償還)とは異なり、信託期間の延長は受益者にとって、特にマイナスの影響はありません。基準価額が元本を下回っている状況においては、信託期間が終了すると損失が確定してしまいますが、信託期間が延長されることで損失を回復する機会が生まれる可能性もあるため、投資家にとってはメリットがあるケースもあります(ただし、その反対に延長された期間に基準価額が下落し、利益が失われたり、損失が拡大するリスクも存在します)。

 

運用会社が信託延長する理由

運用会社が信託期間を延長する理由には、いくつかあります。最近の延長の動向を見ると、該当する投資信託に対して投資家からの需要があることがその理由として挙げられています。運用成績がよく、投資家からの需要があるファンドにおいて、運用会社は信託期間の延長が受益者の利益に資すると判断する傾向にあるようです。

 

一方、バブルが崩壊した1990年台前半には、この反対の理由から信託期間の延長が相次ぎました。当時、バブル経済が崩壊し、株式市場は低迷していました。そのため、日本の株式で運用していた投資信託の多くが元本割れ状態に陥り、これら元本割れした投資信託について、信託約款を変更して信託期間を延長する措置が講じられました。信託期間を延長することで、将来的に市場が回復すれば、元本割れ状態から脱することができると期待されてのことです。救済的な信託期間の延長とも言える措置でした。

 

投資信託の約款変更

信託期間の延長は、信託約款の変更が必要とされています。ただ、信託期間終了までの間の解約が制限されていない投資信託については、信託期間の延長は、商品としての基本的な性格を変更させるものではなく、受益者の利益に資する投資信託約款の変更であると認められているため、受益者による書面決議は必要とされておらず、運用会社の判断で約款変更が行われます。