投資信託と金銭信託はどう違うの?


金銭信託とは

金銭信託は顧客が信託銀行等に金銭を信託し、信託銀行等がその金銭を管理・運用する金融商品です。信託銀行が販売します。金銭信託は運用方法や投資家資金の扱い方で、①指定金銭信託と②特定金銭信託に分かれます。このうち、一般の投資家の投資対象になるのは多くの場合は指定金銭信託で、そのなかでも合同運用指定金銭信託が代表的な商品です。

 

指定金銭信託

指定金銭信託は、委託者(顧客)が投資対象(有価証券、貸付等)を大まかに指定し、具体的な銘柄や条件など(貸し出し先、金利、価格等)を信託銀行が自らの判断で決め、運用を行うものです。

合同運用指定金銭信託は、複数の委託者の資金を一つにまとめて運用を行います。

信託銀行の代表的商品に「ヒット」や「スーパーヒット」(2020年4月現在、新規取扱は停止)がありますが、これらはこのカテゴリーに含まれます。ヒットやスーパーヒットは、元本が保証されておらず、預金保険の対象でもありませんが、同じくこのカテゴリーに含まれる「合同運用指定金銭信託一般口」は、信託銀行が元本を保証し、また預金保険の対象にもなります。

リターンは(マイナスにならない範囲で)実績に基づきますが、「予定配当率」という形で、予想リターンを事前に発表しています。これに対し、指定金銭信託のもう一つのカテゴリーである単独指定金銭信託は、委託者毎に分別して運用を行ないます。

特定金銭信託

特定金銭信託は、企業等が委託者(顧客)となって大口の金銭を信託銀行等に信託し、主に株式などの有価証券で運用する信託商品で、運用は、その企業等(または企業等から委任を受けた投資顧問会社)が信託銀行等に対して具体的に指図するものです。

 

投資信託

以上のような特徴を持つ金銭信託に対し、投資信託は、投資信託委託会社が運用し、信託財産の管理を信託銀行が行ないます。管理というのは、帳簿の管理や価格の計算、および有価証券などの保管・決済といった業務で、投資信託にとっての信託銀行はいわば倉庫番です。投資信託は、元本保証ではなく、また預金保険の対象にもなりません。儲かれば儲かった分だけ、損をすれば損をした分だけ、すべて顧客である投資家の取り分になります。

投資信託の基本