リキッド・アセットとは


リキッド・アセット

リキッド・アセットとは、流動性が高く、流動性リスクの低い資産のことです。流動性が高いというのは、市場規模が大きく、市場参加者が多く、資産の売却・換金がしやすい、買いたい時にその時の市場価格で買えて、売却したい時に売却できる、すぐに現金化できるということです。

つまり、現金や現金化しやすい資産です。リキッド・アセットのリキッドは英語のliquidのことで、流動性が高いという意味です。アセットは英語のassetで、資産を意味します。

リキッドでない資産

一方で、流動性が低い資産とは、取引高が少ない、市場参加者が少ない、売りたい時に売れない、買いたい時に買えない、買えても、実際の価値よりも高い値段でなければ買えない、現金化するのに時間がかかる資産です。

投資信託の投資対象には、流動性の極めて高い資産もあれば、流動性の低い資産もあります。

リキッド・アセットの例

では、具体的にはどういう資産がリキッド・アセットでしょうか。

最もリキッドなのは現金

最もリキッドである資産は現金です。投資信託は、解約や新しい資産の購入に備えて一定の現金を保有しています。次いで、普通預金、当座預金、短期金融資産などです。普通預金や当座預金は最も換金しやすい資産ですが、投資信託の投資対象ではありません。短期金融資産は、商品の満期までの期間が1年以内の資産で、コールローン債券現先、CP(コマーシャル・ペーパー)などがあります。これらは投資信託の投資対象として一般的に利用されていて、多くの投資信託が組み入れています。

なお、リキッド・アセットは流動性が高く換金しやすいというメリットがある一方で、リターンが低いという特徴があります。したがってリスクが低く、リターンの低い資産として位置づけられています。

次に流動性が高いのは先進国の有価証券

次に流動性の高い資産には、先進国の株式や国債、投資信託(一部を除く)が挙げられます。ただし、小型株やほとんど取引の成立しない一部のETFなどは、流動性が低く、リキッドな資産とは言えません。

リキッドでない資産の例

では、リキッドでない資産とはどのような資産でしょうか。

最も流動性が低いのは不動産

不動産がその代表格です。ただし、不動産投資信託リート)を除くと、一般の投資信託は不動産には直接投資しません。

新興諸国の資産

また、新興諸国の中でも株式市場が未成熟な市場に上場している株式等は先進国に比べて流動性は低くなります。同様に、新興諸国の債券市場も、先進国の債券市場に比べると未成熟で取引が活発でないため流動性は低い状態にあります。

米国の法律での流動性リスクによる資産の分類

上記は、リキッド・アセットの概要ですが、より厳格にリキッド・アセットを定義しているケースもあります。その一つが米国の流動性リスク管理規制における分類です。

米国の法律「1940年投資会社法」の規則22e-4では、投資信託が保有する資産について、流動性リスクの観点から、現金化できるまでの日数により、資産を次の4つに分類・定義しています。分類4の非流動性投資の構成比率を15%未満に制限することが求められています。

 

分類名 定義
分類1 Highly liquid(HLI)

高流動性投資

現在の市場状況において、投資の市場価値を著しく変動させることなく、3営業日以内に現金化できると合理的に予測できる。
分類2 Moderately liquid(MLI)

適度な流動性投資

現在の市場状況において、投資の市場価値を著しく変動させることなく、3-7暦日以内に現金化できると合理的に予測できる。
分類3 Less liquid(LLI)

低流動性投資

現在の市場状況において、投資の市場価値を著しく変動させることなく、7暦日以内に売却又は処分可能だが、それらの決済の完了には7暦日以上かかると合理的に予測される。
分類4 Illiquid(II)

非流動性投資

現在の市場状況において、投資の市場価値を著しく変動させることなく7日以内に売却又は処分できるとは合理的に予測できない。

(SEC rule 22e-4 https://www.sec.gov/rules/final/2016/33-10233.pdfより投信資料館訳)

 

リキッド・アセット・ファンドとは

リキッド・アセットに的を絞って投資する投資信託のことをリキッド・アセット・ファンド、あるいはリキッド・ファンドと呼びます。一般的には短期金融資産を主な投資対象とするファンドを指します。例えば、2018年10月に償還した三菱UFJ国際投信が運用していた「リキッド・アセット・ファンドLAF」があります。同ファンドでは、円建ての公社債及び短期金融資産を主要投資対象としていました。