フロア確保型ファンドとは?


フロア確保型ファンド

償還時および中途解約時といった換金時に当初元本の90%など一定の割合を確保する仕組みの投資信託をフロア確保型ファンドと呼びます。

フロアとは、ファンドが確保することを約束している元本の一定割合の金額のことで、最低保証価額とも呼ばれています。この割合はファンドにより異なります。また、フロア確保型ファンドには、償還時のみフロア価額が保証されるファンドと、償還時と中途解約時のいずれにおいてもフロア価額が保証されるファンドがあります。さらに、ファンドの基準価額が最高値を更新するごとに、償還時の確保額が引き上げられ、一度引き上げられた償還確保額は引き下げられることがないタイプのファンドもあります。

 

フロア確保型ファンドの仕組み

例えば、中途解約時にもフロア価額が保証される仕組みのファンドであれば、元本が1口=10,000円のファンドで、フロア価額が9,050円であれば、換金時のファンドの基準価額が9,050円を下回っていたとしても、最低保証価額である9,050円は確保されます。基準価額がフロア価額を上回っていた場合には、基準価額が解約価額となります。

フロア確保を可能としているのは、銀行による保証です。ファンドの基準価額がフロア価額を下回った場合には保証銀行が信託財産に不足額を支払う仕組みになっています。

 

国内初のフロア確保型ファンド

国内で最初に設定・販売されたフロア確保型ファンドは、エスジー山一アセットマネジメント(現、アムンディ・ジャパン株式会社)が2001年2月28日に設定した「フロア確保型日本株ファンド(愛称:Vogueボーグ)だと言われています。同ファンドは、日経平均株価のパフォーマンスを反映した収益の確保を目指し、「円建てマネーファンド」と「日経平均インデックスファンド」を組入れたファンド・オブ・ファンズで、フロアを確保しつつ、日経平均株価のパフォーマンスを反映した収益の確保を目指すファンドで、償還時のみならず中途換金時においてもフロア価額が確保されるというものでした。

なお、フロア確保型ファンドは、海外の投資信託に類似する商品においても見られる形態で、Guaranteed trust、capital protected fund などと呼ばれています。

 

フロア確保型ファンドの注意点

フロア確保型ファンドは、基準価額の下落リスクが限定されているものの、フロア価額の確保に関して支払う保証料を純資産総額の中から負担しており、また、ファンド・オブ・ファンズの形態をとっている場合には、投資対象ファンドレベルにおいても信託報酬がかかるなど、コストが割高である傾向にあります。