モーニングスター、信託報酬率の見える化指標「モーニングスター・フィー・レベル」公表開始


投資信託評価情報をはじめとした総合金融情報を提供するモーニングスター株式会社は、信託報酬率の見える化指標として「モーニングスター・フィー・レベル」の情報配信を、本日2017年8月22日から開始した。

モーニングスターでは、新指標公表の背景について次のように述べている。

投資信託の手数料を巡っては、金融庁が金融機関に顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)を求める中、投資家の長期の資産形成に資する商品を分かりやすく提供することが一段と重要となっており、投資信託のパフォーマンスに影響を与える信託報酬率の水準に対する注目度が一層高まっています。2018年1月から開始する「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」では、対象商品の要件としてアクティブ、パッシブファンドそれぞれ信託報酬率の水準が定められており、コストに配慮した商品選定が求められています。

また、パッシブファンドへの資金流入が加速するなどコスト意識が高い米国においては、モーニングスターがいち早く独自のフィー・レベルを算出開始しており、ファンド選びの主要な指標となっています。

このような背景の中、今回配信を開始する「モーニングスター・フィー・レベル」は、同社のWEBサイトでこれまで可能であった信託報酬率のカテゴリー平均との比較だけでなく、カテゴリー内での相対的な水準を5段階(安い・平均より安い・平均的・平均より高い、高い)で一目で分かるようにしており、コストの「見える化」を実現する。ファンドの比較はフィー・レベル用カテゴリーを別途設けることにより、ファンドの投資対象資産だけでなく、アクティブ、パッシブファンドの違いも考慮して行うことから、運用手法に応じたコスト比較が可能となる。

モーニングスター・フィー・レベルのメソドロジー

信託報酬率について、所属するフィーレベルカテゴリー内で%ランクを算出、20%ずつの5分位にてレーティング

0% < %ランク < = 20% (コストが)安い
20% < %ランク < = 40% (コストが)平均より安い
40% < %ランク < = 60% (コストが)平均的
60% < %ランク < = 80% (コストが)平均より高い
80% < %ランク < = 100% (コストが)高い

*フィーレベルカテゴリーとは、本指標のための独自カテゴリーでアクティブとパッシブファンドを区別した以下の30分類からなる。

国内株式大型・アクティブ/パッシブ
国内株式中型・アクティブ/パッシブ
国内株式小型・アクティブ/パッシブ
国内債券・アクティブ/パッシブ
国内REIT・アクティブ/パッシブ
先進国株式・アクティブ/パッシブ
新興国株式・アクティブ/パッシブ
先進国債券・アクティブ/パッシブ
新興国債券・アクティブ/パッシブ
その他国際債券・アクティブ/パッシブ
国際REIT・アクティブ/パッシブ
バランス・アクティブ/パッシブ
コモディティ・アクティブ/パッシブ
ヘッジファンド・アクティブ/パッシブ
特殊運用・アクティブ/パッシブ

(モーニングスター社WEBサイトでの掲載のイメージ)

モーニングスターでは次のようにコメントしている。

当社では、こうした中立的かつ客観的な情報を提供することが、金融機関のフィデューシャリー・デューティーの強力なサポートとなり、延いては投資家の適切な資産形成に大きく貢献できると確信しております。なお、新指標の公表開始が、当期の連結業績に与える影響は軽微であります。