ESGファイナンス・アワード #
ESGファイナンス・アワード(環境大臣賞)は、2019年に日本政府(環境省)が、ESG金融の普及・拡大に向けて創設した賞です。
ESG金融やグリーンプロジェクトに積極的に取り組み、環境・社会に優れたインパクトを与えた投資家・金融機関等、また環境関連の重要な機会とリスクを企業価値向上に向け経営戦略に取り込み、企業価値と環境へインパクトを生み出している企業の取組を評価・表彰し社会で共有することを目的としています。
第一回目の表彰は2020年2月に行われ、以降、毎年実施されています。
ESGファイナンス・アワードの対象 #
ESGファイナンス・アワードの対象は、投資家、銀行等、保険会社、証券会社、諸団体、グリーンボンドの発行体・ストラクチャリングエージェント・外部レビュー機関及び環境要素を経営戦略に取り込み、企業価値及び環境への正の効果を生み出している企業です。評価は4部門(投資家部門、融資部門、金融サービス部門、ボンド部門)で行われ、それぞれ評価・表彰されます。
投資信託の運用会社が関わる部門は投資家部門です。投資家部門では、表彰対象は、投資家(アセットオーナー、アセット・マネージャー)とされており、ESG要素に考慮した投資(ESG投資)を積極的に行なっている機関・団体の取り組みが表彰されます。ESG投資の対象は、すべてのアセットクラスとされています。選定においては、ESG投資の規模だけでなく、ESG要素を考慮したプロセス、企業へのエンゲージメント、想定されるインパクト等を重視し、選定が行われます。
審査項目 #
ESGファイナンス・アワードでは、環境を中心に、社会的な側面にも配慮したESG金融の拡大・普及に貢献する観点から応募があった金融機関等の取り組みを次の6項目において評価します。なお、評価は、学識経験者、環境金融関連の有識者で構成される「ESGファイナンス・アワード・ジャパン選定委員会」において行われます。
審査項目 | 概要 |
---|---|
目的の明確性 | 事業や取組、プロジェクトが、ESG金融の拡大や、社会に配慮し、環境に対してポジティブインパクトを与えることを意図して始められており、そのための体制構築や実施プロセスが取られている。 |
透明性 | 実施プロセスでは、ESG金融の拡大や環境・社会への配慮・考慮がなされており、その実施事項や評価基準に関する情報が適切に説明されるなど、透明性が担保されている。 |
規模 | ESG金融の取組数、投融資金額、投融資割合が他者等と比較して多い |
インパクト | 環境に対してポジティブインパクトを与えているとともに、他の環境に関する事項や社会に対して、大きなネガティブインパクトを及ぼしていないこと。また、そのインパクトに対しての、評価を行なっている。 |
新規性 | 実施プロセス等において、新規性があり、他の取組と比較して利点がある。 |
波及性 | 実施内容が対象組織内で浸透・波及している、あるいは、他者に波及しており、モデルケースやスタンダード化が可能である。 |
第5回ESGファイナンス・アワード受賞者 #
2024年2月に発表された第5回ESGファイナンス・アワード・ジャパンの投資家部門の受賞者は次の通りでした。
〔投資家部門〕
賞 | 受賞会社 |
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金賞 | 日本生命保険相互会社(アセットオーナー部門) |
銀賞 | ニッセイアセットマネジメント株式会社(アセットマネージャー部門) |
ロベコ・ジャパン株式会社(アセットマネージャー部門) | |
銅賞 | 明治安田生命保険相互会社(アセットオーナー部門) |
大和アセットマネジメント株式会社/カンドリアム・エス・シー・エー(アセットマネージャー部門)※連名受賞 | |
特別賞 | いちよしアセットマネジメント株式会社(アセットマネージャー部門) |
ESGファイナンス・アワードまとめ #
ESGファイナンス・アワード(環境大臣賞)は、ESG金融やグリーンプロジェクトを通じて環境・社会に貢献した企業や金融機関を評価・表彰する日本政府(環境省)の賞です。2019年に創設され、毎年実施されています。評価は投資家部門など4部門で行われ、規模や透明性、新規性、インパクトなどが審査基準です。ESG投資を推進する投資家や運用会社が主な対象で、選定結果は社会的に共有されます。