東証REIT指数東京証券取引所に上場するすべてのJ-REIT(不動産投資信託)を対象に、時価総額加重平均で構成されている指数です。東京証券取引所が毎日算出・公表しています。不動産投資信託市場全体がどのような動きをしているかを知るうえでとても便利な指数です。東証REIT指数の基準日は2003年3月31日で、基準値は1000ポイントと設定されています。
東証REIT指数には、価格の変動だけを示す「価格指数」(配当なし)と、分配金を含めた「配当込み指数(トータルリターン指数)」があります。分配金込みで実質的な投資成果を評価したい場合には、配当込み指数の推移が参考になります。
リート数の推移 #
リートの第一号ファンドが東京証券取引所に上場したのは2001年3月ですが、J-REIT市場は拡大を続け、2025年5月末現在、57本のリートが上場しています。よって、東証REIT指数は、これら57本のJ-REIT全体の動向を反映した指数となっています。

(データ:不動産証券化協会)
東証REIT指数の推移 #
東証REIT指数は、2008年-2009年にリーマンショックの影響で大きく下落し、その後は概ね回復傾向にありましたが、2021年以降は金利上昇などの影響もあり、相対的に伸び悩む局面が続いています。

(データ:不動産証券化協会)
東証REIT指数の上位組入銘柄 #
2025年5月末現在、上位組入銘柄(10位)は次のとおりです。
銘柄コード | 銘柄名 | 組入比率 | |
---|---|---|---|
1 | 8951 | 日本ビルファンド投資法人 | 7.65% |
2 | 8952 | ジャパンリアルエステイト投資法人 | 5.99% |
3 | 8953 | 日本都市ファンド投資法人 | 5.09% |
4 | 3462 | 野村不動産マスターファンド投資法人 | 4.59% |
5 | 8972 | KDX不動産投資法人 | 4.19% |
6 | 3281 | GLP投資法人 | 4.17% |
7 | 3283 | 日本プロロジスリート投資法人 | 4.01% |
8 | 8984 | 大和ハウスリート投資法人 | 3.56% |
9 | 8954 | オリックス不動産投資法人 | 3.55% |
10 | 8963 | インヴィンシブル投資法人 | 3.36% |
(出所:東京証券取引所)
ベンチマークとしての東証REIT指数 #
東証REIT指数は、多くの証券投資信託やETFのベンチマークとして利用されています。例えば、2025年5月末現在、東証REIT指数への連動を目指す ETF10本が東京証券取引所に上場しています。また、一般の投資信託でも多くのリートファンドが東証REIT指数をベンチマークとしています。
- NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)
- 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(1345)
- MAXIS Jリート上場投信(1597)
- NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)
- SMAM 東証REIT指数 上場投信(1398)
- iシェアーズ Jリート ETF(1476)
- ダイワ上場投信-東証REIT指数(1488)
- 上場インデックスファンドJリート(東証REIT指数)隔月分配型(ミニ)(2552)
- 東証REIT ETF(2555)
- One ETF 東証REIT指数(2556)
なお、ベンチマークとはファンドが運用の指標としている指数のことで、ファンドの運用成績とベンチマークの騰落率を比較して、ファンドの運用の良し悪しを判断します。ETFのようなインデックスファンドであれば、ベンチマークとの連動性が高いほど良いファンドと判断されます。一方、アクティブファンドでは、ベンチマークをどれだけ上回ったかでファンドは評価されます。
東証REIT指数のまとめ #
東証REIT指数は、東京証券取引所に上場する全てのJ-REIT(不動産投資信託)を対象に、時価総額加重平均で算出される不動産市場の代表的な指標です。J-REIT市場全体の値動きを把握するための基準となっており、多くのETFや投資信託のベンチマークとしても活用されています。価格指数のほかに、分配金を含めた「配当込み指数」も存在します。