運用の外部委託 #
投資信託の運用会社が他の運用会社、投資顧問会社、海外の運用会社等に、ファンドの運用を委託することを「運用の外部委託」と言います。運用の指図についての全ての権限を外部に委託する場合や一部についてのみ委託する場合があります。
専門家である運用会社が他の会社に運用を委託するというのは、少し意外な感じもしますが、これは法律(投資信託及び投資法人に関する法律)で認められていることで、決して珍しいことでもありません。
なぜ外部委託するのか #
では、なぜ運用会社が他の運用会社に運用を委託するのでしょうか。
運用会社は各々得意分野を持っています。例えば、日本の株式の運用においては非常に優秀な運用会社であるとか、あっても、イタリアやフランスの株式運用は得意としていない、あるいはそれほど経験豊富でないということがあります。こういう場合に、ファンドの日本株の運用部分は自社で行い、イタリアとフランスの株式については、イタリアとフランスの現地の運用会社に各々の運用を委託するわけです。
また、例えば、バランス型ファンドの運用において、株式部分は自社で行い、債券部分の運用を世界的に債券運用会社として名高い運用会社に委託するというものです。
外部委託のメリットとデメリット #
外部委託のメリットとしては、その分野の専門家に運用を任せることができるという点が挙げられます。一方で、外部委託には費用がかかり、その分信託報酬率が高くなる傾向があるというデメリットがあります。
目論見書の記載 #
運用を外部委託する場合、目論見書には「運用指図に関する権限を委託します」「当ファンドの運用にあたっては、運用指図に関する権限を○○○アセット・マネジメント・リミット(委託先の運用会社名)に委託します。」という記載があり、それに続き委託する内容が説明されています。
運用の外部委託のまとめ #
運用の外部委託は、運用会社が特定の分野や資産の運用を他の運用会社や投資顧問会社に委託することです。専門性の高い分野や地域の運用を得意とする外部機関に任せることで、効率的かつ専門的な運用が可能になります。ただし、外部委託には追加費用が発生し、信託報酬率が高くなる傾向があります。目論見書には委託内容や委託先が明記されます。