投資信託の運用残高ランキングーピクテのグロインが1位を維持


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、運用残高は9,547億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年6月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年6月末の純資産額は前月末に比べ約1.4%(金額で約137億円)減少し9,547億円となりました。

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資するファンドです。設定日は2005年2月で、15年以上運用が継続しています。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。

また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の6月末の純資産額(運用残高)は前月比3.6%(金額で193億円)減少し5,184億円となりました。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。

投資信託の純資産総額ランキング(2020年6月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,547 179.2 -3.1% 0.5%
2 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,727 26.9 -4.6% 0.6%
3 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,807 -227.2 19.5%

4 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,402 90.6 -10.0% 1.7%
5 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,221 37.9 -3.2% 0.7%
6 レオス ひふみプラス 5,184 -357.4 12.6% 9.2%
7 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 5,037 132.8 -10.0% 1.6%
8 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,945 -52.8 24.0%

9 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 4,845 10.5 -1.4% 1.1%
10 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 4,784 228.6 22.0% 12.4%
11 ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 4,665 234.9 25.9% 16.0%
12 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,498 26.0 -9.1% 1.1%
13 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 4,360 -19.8 39.9%

14 三菱UFJ国際投信 グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,932 -26.4 3.6% -0.1%
15 日興AM グローバル3倍3分法ファンド(1年) 3,880 -79.2 1.3%

16 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,830 -32.1 12.0% 3.7%
17 日興AM 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,666 11.6 1.6% 1.8%
18 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 3,495 -16.0 6.2% 2.2%
19 日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,441 18.3 0.6% 2.2%
20 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,316 -40.3 14.6%

21 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 3,307 46.7

22 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,238 175.3 -9.0% 2.4%
23 日興AM ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,212 -9.5 -15.9% -1.9%
24 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,945 169.8 -11.4% 1.4%
25 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 2,887 19.5 -4.6% 0.6%
26 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 2,838 -116.8 14.8%

27 さわかみ投信 さわかみファンド 2,808 -11.7 -0.1% 0.7%
28 野村AM 野村インド株投資 2,654 -11.2 -18.4% -0.6%
29 野村AM 野村外国債券インデックス(野村一任口座) 2,502 -28.6 6.0% 0.5%
30 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 2,495 14.6 -1.4%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)

分配頻度

純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが14本、年1回分配ファンドが14本、年2回分配ファンドが2本でした。

 

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが10本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドと日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券に投資するファンドが3本、国内のREITに投資するファンドと国内の債券に投資するファンドが各々2本でした。

上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GS・インターネット戦略ファンドB(ヘッジ無)」で、資金増加額は約234.9億円でした。同ファンドは、主にテクノロジーの発展により恩恵を受ける米国企業の株式に投資するファンドで、1999年11月に設定されました。信託期間は無期限のファンドです。

なお、2020年6月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち16ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年6月)>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 4,665 234.9
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 4,784 228.6
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,547 179.2
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,238 175.3
大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,945 169.8

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」で、減少額は約357.4億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
レオス ひふみプラス 5,184 -357.4
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,807 -227.2
日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 2,838 -116.8
日興AM グローバル3倍3分法ファンド(1年) 3,880 -79.2
AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,945 -52.8

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは15本でした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は+39.9%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

 

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 4,360 39.9 %
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 4,665 25.9 %
AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,945 24.0 %
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 4,784 22.0 %
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,807 19.5 %

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった22本について、過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは19本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は16.0%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 4,665 16.0 %
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 4,784 12.4 %
レオス ひふみプラス 5,184 9.2 %
フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,830 3.7 %
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,238 2.4 %