インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2016


インベスコ・アセット・マネジメントが、今年で4回目となる「インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ」を実施し、『グローバル・ソブリン投資家の投資行動にみるグローバル投資家の動向』と題したメディア向け説明会を2016年10月27日に開催しました。

「インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ」は、インベスコが、ソブリン投資家に面談形式でインタビューを実施し、その動向が金融市場で最も注目を集める投資家でもあるソブリン投資家の動向を調査するものです。

なお、ソブリン投資家とは、日本では政府系投資ファンドやソブリン・ウェルス・ファンドと呼ばれる国の公的資産を活用した投資ファンドのことです。サウジアラビアやクウェートといった石油原産国などの政府系投資ファンドがその代表的な例です。

「インベスコ グローバル・ソブリン・アセット・マネジメント・スタディ2016」では、世界77のソブリン投資家に面談形式のインタビューを実施しています。その地域的内訳は米欧オセアニアのソブリン投資家が27、アジアが22、中東15、その他新興国が13でした。

調査結果として、同スタディは次のように総括しています。

  • 投資環境は厳しいながらも、ポジティブな見通し・・・原油安の長期化や国債利回りの低下がリターンに悪影響を与えているものの、ソブリン投資家の資金フローは流入超の状態である。
  • ソブリン投資家の不動産投資が拡大・・・取引の行いやすさにより、不動産はインフラやプライベート・エクイティよりもソブリン投資家にとって魅力的な資産クラスになっている。2012年から2015年にかけて、ソブリン投資家におけるグローバル債券の平均アロケーションは25%から16%に低下しており、この減少分の多くが不動産を含むオルタナティブ投資にシフトしている模様である。
  • ソブリン投資家の資金は主要新興国であるBRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)からフロンティア諸国や米国に移動・・・主要新興国の経済成長が弱いことから、前向きな経済や公共制作の変更が見込まれる高成長のフロンティア諸国や米国などに投資資金の配分がシフトしている。
  • ソブリン投資家のファクター投資への関心が上昇中・・・ソブリン投資家はマクロ・ファクターは理解しているが、スタイル・ファクターとそれらのポートフォリオ内での潜在的な活用方法に関する情報を希求している。ここでいうスタイル・ファクターとはバリュー、モメンタム、クオリティ、サイズ、ボラティリティなどを指す。
  • 中央銀行も重要なソブリン投資家に・・・社債や株式に重点配分する投資部門の存在により、中央銀行が長期的なソブリン投資家に変貌しつつある。