金融商品仲介業とは、金融商品取引業者(例:証券会社)または登録金融機関(例:銀行等)からの委託を受けて、有価証券の売買や投資信託の取引などの媒介・勧誘を行う業務を指します。
法律上の定義 #
金融商品取引法第2条第11項において、「金融商品仲介業」は以下の業務のいずれかを、金融商品取引業者または登録金融機関のために行うものと定義されています。
1. 有価証券の売買の媒介
2. 金融商品取引所における有価証券の売買や市場デリバティブ取引、外国市場における有価証券やデリバティブの取引の媒介
3. 有価証券の募集・売出し・私募または特定投資家向けの売付け勧誘
4. 投資顧問契約または投資一任契約の締結の媒介
金融商品仲介業者 #
この業務を行うには、内閣総理大臣への登録が必要で、登録を受けた個人または法人が金融商品仲介業者となります。2025年4月24日現在、全国で696の個人および法人が登録されています。
登録済みの金融商品仲介業者の一覧や、それぞれが委託を受けている金融機関の情報は、金融庁のウェブサイトに掲載されています(一覧PDFはこちら)。
外務員登録について #
仲介業務の中で勧誘行為を行うには、日本証券業協会の外務員資格の登録も必要です。
なお、金融商品仲介業者は一般に「IFA(Independent Financial Adviser=独立系ファイナンシャル・アドバイザー)」とも呼ばれることがありますが、IFAは法律上の用語ではなく、主に業界で用いられる呼称です。IFAが金融商品仲介業の登録を受けて活動しているケースが多く見られます。
中立的な立場でのアドバイス #
金融商品仲介業者は、特定の金融機関に所属せず、独立した立場で投資家に情報提供やアドバイスを行います。また、複数の証券会社と業務委託契約を締結することも可能であり、それにより投資家に対して幅広い選択肢を提示することができます。
遵守すべき法的義務 #
金融商品仲介業者には、法律により以下のような義務・制限が課されています。
* 誠実義務
* 標識の掲示義務
* 名義貸しの禁止
* 広告や表示に関する規制
* 顧客からの金銭・有価証券等の預託の禁止
* その他の禁止事項
投資家との取引の流れ #
金融商品仲介業者を通じて投資信託などを購入する場合、契約は投資家と証券会社の間で交わされます。証券会社に口座を開設し、金銭の授受や有価証券の保管、口座管理などはすべて証券会社が行います。
投資家の注文は、仲介業者に申し込み、その内容が証券会社のシステムを通じて適切に処理されます。
金融商品仲介業のまとめ #
金融商品仲介業とは、証券会社などの委託を受けて、有価証券の売買や投資信託の取引を仲介する業務です。登録を受けた個人・法人が「金融商品仲介業者」となり、独立した立場で複数の金融機関の商品を取り扱うことができます。口座の管理や資金の受け渡しは証券会社が担い、仲介業者は助言や取引の媒介を行います。