FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数は、マレーシアの株式市場を代表する株価指数であり、同国の経済動向を把握するために広く利用されています。マレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)の主板(メイン・ボード)に上場する企業のうち、時価総額が大きく、流動性の高い上位30銘柄によって構成されます。
この指数は、英国のFTSE Russell社とマレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)が共同で算出・公表しており、英語では「FTSE Bursa Malaysia KLCI」と表記されます。なお、「ブルサ(Bursa)」はマレー語で「取引所・交換」を意味します。
指数名の「KLCI」は「Kuala Lumpur Composite Index(クアラルンプール総合指数)」の略称であり、2009年に現在の名称に改められる前はこの名称で知られていました。
指数の特徴 #
- 指数の種類:時価総額加重平均型
- 構成銘柄数:30社
- 見直し頻度:年2回(6月および12月)
- 選定基準:時価総額、流動性、浮動株比率などを考慮
- 代表業種:金融、電力、通信、建設、ヘルスケア、素材関連など
このように、マレーシア経済の中核を担う企業を中心に構成されていることから、投資指標としての信頼性が高く、国内外の投資家から広く注目されています。
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数の構成企業 #
構成企業には、Malayan BankingやPublic Bank(金融)、Tenaga Nasional(電力)、Petronas Chemicals、IHH Healthcareなど、金融・エネルギー・医療・インフラ関連の有力企業が名を連ねています。これらは国内外の投資家から注目される大型株であり、指数全体の値動きにも大きな影響を与えます。
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数の上位構成銘柄
銘柄 | ICBセクター | 時価総額(MYRm) | 構成比率(%) |
---|---|---|---|
Malayan Banking | 銀行 | 75,730 | 13.31 |
Public Bank BHD | 銀行 | 66,305 | 11.65 |
Tenaga Nasional | 電力 | 63,436 | 11.15 |
CIMB Group Holdings | 銀行 | 59,298 | 10.42 |
Gamuda | 建設・資材 | 21,738 | 3.82 |
IHH Healthcare | ヘルスケア | 21,004 | 3.69 |
Telekom Malaysia | 通信サービス | 20,851 | 3.66 |
Press Metal Aluminium Holdings | 産業用金属・鉱業 | 18,074 | 3.18 |
SD Guthrie | 食品 | 17,264 | 3.03 |
MISC Industrial | 運輸(海運) | 16,044 | 2.82 |
Totals | 379,743 | 66.73 |
※ 数値は概算。MYR=マレーシア・リンギット。構成銘柄は定期的に見直されます。
※ 出所:2025年4月末時点のファクトシート
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数をベンチマークとするETF #
東京証券取引所に上場している「NEXT FUNDS FTSEブルサ・マレーシアKLCI連動型上場投信 」(1560)は、この指数をベンチマークとしています。ETFは証券会社を通じて購入できます。
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数のまとめ #
FTSEブルサ・マレーシアKLCI指数は、マレーシアの上場大手30社で構成される主要株価指数です。金融や電力などの中核企業が多く、国内経済の動向を示す代表的な指標です。ETFを通じて、日本からも間接的に投資することが可能です。