投資信託の「ベンチマーク」とは、ファンドがどれくらいうまく運用されているかを測るための「ものさし」となる指数(インデックス)のことです。株式に投資するファンドであれば株価指数、債券に投資するファンドであれば債券指数などが用いられます。投資信託の成果の良し悪しは、ベンチマークの動きと比較して判断されます。
アクティブ運用ファンドとインデックスファンド #
投資信託には、大きく分けて次の2種類があります。
- アクティブ運用ファンド(アクティブファンド):ベンチマークを上回る運用成果を目指すファンド
- インデックスファンド:ベンチマークと同じような動きを目指すファンド
たとえば「東証株価指数(TOPIX)をベンチマークとするアクティブファンド」は、TOPIXの騰落率を長期的に上回ることを目指して運用されます。これらのファンドは、ベンチマークに対してどれだけ優れた成果を上げられたかで評価され、好成績であれば「ベンチマークをアウトパフォームしている」と表現されます。
一方、インデックスファンドがTOPIXをベンチマークとする場合、その指数にどれだけ忠実に連動しているかが評価基準となります。
アクティブファンドとインデックスファンドの違いと評価ポイント
ファンドのタイプ | 目標 | 評価ポイント |
---|---|---|
アクティブファンド | ベンチマークを上回る | 実際の成績(リターン) |
インデックスファンド | ベンチマークにできるだけ近づける | ベンチマークとの連動性 |
ベンチマークの選定基準 #
ベンチマークは、ファンドの投資対象や運用方針に応じて選定されます。
一般的には、ファンドの投資方針や資産配分に整合的な指数がベンチマークとして選定されます。ファンドの運用成果を適切に反映できることが重視されます。
例:
- 国内株式ファンド → TOPIXや日経平均株価
- 米国株式ファンド → S&P 500
アクティブ運用とインデックス運用の評価方法の違い #
- アクティブファンドは、ベンチマークを上回るリターンを追求してリスクを取るため、実際の成績そのものが評価されます。
- インデックスファンドは、ベンチマークとの連動性が重視され、乖離が少ないほど良いファンドとされます。
このように、同じベンチマークを用いていても、ファンドのタイプにより評価方法が異なります。
ベンチマークを上回る難しさ #
アクティブファンドはベンチマークを上回ることを目指しますが、それを継続的に達成するのは困難です。
多くの調査で、長期的にインデックス(市場平均)を上回るファンドはごく一部に限られ、大半のアクティブファンドはインデックスファンドのリターンを下回ると報告されています。その理由の一つとしては、運用コストの高さや市場の効率性などが挙げられます。
ベンチマークがない投資信託 #
投資対象や運用戦略によっては、明確なベンチマークが設定されていないファンドもあります。
その場合、同じ資産クラスや類似の運用方針を持つファンドと比較して、相対的な成果をもとに評価されます。これは、複数の資産に分散投資するバランス型ファンドや、独自戦略を採用しているファンドに多く見られます。
ベンチマークとは何かのまとめ #
投資信託におけるベンチマークは、ファンドの運用成績を評価するための基準であり、アクティブ運用ファンドとインデックスファンドで評価方法が異なります。また、アクティブ運用ファンドは、継続的にベンチマークを上回ることが難しい点に留意することが重要です。ベンチマークが設定されていないファンドの場合は、同種のファンドと比較して評価が行われます。